テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
マクスウェル『…やはり表に出てくるべきではなかったか………。
儂の力を狙ってこのような場所まで追ってくるとは執念深い奴じゃ。』
デリス=カーラーンから伸びる赤い光がカオスを包み込む。光の中に捕らわれたカオスの体が外からは焼き尽くされているようにしか見えない。
事実カオスは超高温の炎で体が燃え尽きようとしている。対峙しているマクスウェルの加護もない今炎に対しては何の体勢もない。生身で炎を受けて耐えられる筈もなくカオスは徐々にその身を灰にしていきやがて………、
カオス「………?
どうなったんだ俺の体は………。」
光が終息するとカオスの体はマクスウェルによって負った負傷が完治していた。寸前までの激しい痛みや体の疲労も無くなり立ち上がる力まで回復していた。
マクスウェル『…よもやイフリートが手を貸すとはな………。
その体………
カオス「イフリートの………眷属………?」
マクスウェルが言うにはカオスはイフリートからイフリートの力の一部を分け与えられ眷属化しているようだ。何故突然イフリートがカオスに力を与えたかは分からなかったがデリス=カーラーンから光が伸びてきたということはイフリートもデリス=カーラーンをマクスウェルに破壊されるのは都合が悪いのだろう。マクスウェルの眷属であるイフリートならばデリス=カーラーンが無くなって宇宙に放り出されても問題は無さそうだが何かしらデリス=カーラーンを残しておきたい理由があるのだろう。傷が回復した他にも体の奥深くから燃えたぎるような熱いマナの波動を感じる。
カオス「(………なんだか今ならこいつとも戦える気がする………。このイフリートの力があれば………こいつにも勝てる気がしてくる………。)
もう一度勝負だ!!
マクスウェル!!」
体力が回復したことで再びカオスはマクスウェルに勝負を挑む。
マクスウェル『来るか。
一度は折った精神までもがイフリートの力によって回復したようじゃな。
じゃが果たして儂の眷属の力がどこまで通用するか、お主にその力を使いこなせるかのぅ。』
カオスが立ち上がったことでマクスウェルも構える。本を開いてまた術を詠唱し始める。
マクスウェル『見せてもらうとするか。
イフリートが
“グラビティ”』
マクスウェルはこれまでの旅でカオスが何度か使用した術をカオスに向けて放つ。元々マクスウェルから教わった術なので当然マクスウェルも使える。マクスウェルが作り出した超重力空間に捕らわれるがカオスは、
カオス「(………!
相変わらず強い力は感じるけどさっきまでのような抵抗出来ないほどの力じゃない………?
この程度ならまだ普通に耐えられる!)」
自身が使用していたからこそこの術の凶悪さを知っていたつもりだったが自分が受けることになって術がそこまで重力を発生しないものだと思うのだったが………、
メキッ!!
カオス「!」
カオスがいる大地の中から硬質そうな金属が術によって引き寄せられ現れ術の円上の空間へと入った瞬間にその体積が十分の一以下にまで縮小させてしまった。音の響きや見た目からも生身のカオスよりかも硬そうな金属ではあった。それが簡単にグラビティの空間によって圧縮されたのだ。
カオス「(………これは………俺の魔術抵抗力が上がっているのか………?
イフリートの力の恩恵を受けたことで俺はこのマクスウェルが体の中にいた時のような魔術に対する耐性が………。)」
マクスウェルに憑依されていた時は攻撃性のある魔術を無条件に無力化していたがマクスウェルが離れた後はその能力が解除されていた。そしてイフリートの力を授かった今は完全に無効化することは出来ないがそれでも相当の魔術への抵抗力が上がっているように感じる。もう一撃でやられたりはしない。
カオス「………!」タッ!
カオスは術が解け次第マクスウェルへと接近を試みる。次の術が発動する前に一太刀だけでも浴びせておきたかった。飛葉翻歩でマクスウェルに一気に迫り漸く訪れた攻めの機会に全力で剣を振り下ろす。
パシッ!
カオス「!」
マクスウェル『筋は悪くない。
じゃがカオスよ………。
お主は根本的に精霊の力の使い方が成っておらんのじゃ。
この程度の力では儂に傷一つもつけられぬぞ。』
急接近してから叩き付けた斬撃は楽々片手で止められてしまった。
カオス「この……!」
マクスウェル『残念じゃったな。
イフリートが力を貸してきたのには驚かされたがお主がそれを使いこなせんようでは儂を止められはしない。
イフリートもあの星屑にいるのも分かったことじゃしイフリートも星屑もろとも消えてもらうとしようか。』
やはり勝てない。イフリートの力があってもマクスウェルには遠く及ばない。デリス=カーラーンでもこの強大過ぎる敵の力に勝る力は無かった。急遽授けられた力があってもマクスウェルに勝つことはどうしても………、
『カオス』
カオス「うおおおああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!」
ザクッ!
マクスウェル『!』
不意に散っていった仲間達のことを思い出したカオスは全ての力を使いきるつもりで剣に力を込める。すると剣から強烈な炎が溢れだしマクスウェルの片腕を切り裂いた………。