テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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おあめ


捲き込んでしまった負い目

王都レサリナス カーラーン教会跡地 深夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………ランドールが話していたことは本当だったようですね………。

 バルツィエは何の罪もないこの教会の人達を攻撃して………。」

 

 

カオス「………」

 

 

 カオス達は以前にカタスティアに匿われた教会の前まで来ていた。最後に見たときはそれなりに立派な建物があったが今はその影も形もなく平地と化していた。

 

 

アローネ「…私達が匿われていた時も礼拝に来る人が多くおりました。

 カタスのように教会に住まわれていた方も………。

 ………私達がカーラーン教会の礼服を着て教会の関係者だとバルツィエに勘繰られてしまったせいでこの教会は………。」

 

 

カオス「俺達のせいでこうなったんだよね………。

 ………って言うより俺があの時レイディーさんの忠告も聞かずに広場に飛び出していったから関係ない教会の人達がこんなことに………。」

 

 

 あの時はウインドラを守ることだけしか頭になかった。カオスにとってはウインドラの存在は自身を構成するルーツのようなものだった。ウインドラとミシガンの二人はミストで共に育った幼馴染みだ。その二人を失ってしまえばカオスは()()()()()()沿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。二人の内どちらか一方でも失なってしまうのは実に惜しかった。

 

 

アローネ「………カオスのあの行動は間違ってはいません。

 人は誰しも大切な人、失いたくない人が必ずおります。

 その人のために飛び出でいくということはそれほどカオスにとってウインドラが死なせてはならない人だったということです。

 御自分の身を危険に晒してでも彼を救いたいという想いがあったのであればあの行動を咎めたりはしません。

 こういう結果に繋がることをあの日の私達は予想できませんでしたから………。」

 

 

カオス「…そう………なのかな………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 正直カオスにはどうでもいい話だった。カオスにとっては身近な人物だけを守れればそれでいい。自分の近くにいる人物のことは守ってやれる。しかしそれ以外に関しては関心はなかった。自分のことを()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。この教会にいた者で亡くなった者の中にはカオスに親切にしてくれた者もいたことだろう。だがこれまでの経験上カオスは自身が人とは違う力を持ち他者がその力の膨大さを知ると途端に恐怖し化け物扱いしてくる。カオスは交流の浅い者を信用しない。自分を化け物扱いせずに近付いてきてくれたアローネ、タレス、ミシガン、ウインドラ、レイディーのことだけは信用してもいい距離には置いている。カーヤに至っては境遇に近しいものを感じある意味一番仲間達の中で信頼を向けている仲間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスはこれまでの旅全てを()()()()()。最初に自身を認めてくれた祖父アルバートから始まり心を許した者達に距離を取られないように性格や傾向を変えていった。カオスにとっては仲間達だけがこの世界に生きる人々だ。自分を人として認めてくれなかったミストの人達は建前上気にしているように振る舞うが実際のところは死んでくれて精々している。ただ祖父が過ごしていた村を焼かれたのには心に痛みを感じるものがあった。フェデールを討つと決めたのはそういう理由からだ。他にもミシガンとウインドラを傷付けたというのもある。カオスはアローネ達を傷付けられることだけは容認出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「(………にしても一昨日のマクスウェルとの戦いは何だったんだ………?

 アローネ達はマクスウェルに殺されたと思ったのに気が付いてみたら全員無事だった。

 あの戦いは本当にあった出来事だったのか………?

 本当にあったことだったんならどうしてアローネ達は甦ったんだ?

 一度死んだ人が甦るなんてこと有り得るのか?

 ………まさかマクスウェルの力なのか………?

 マクスウェルは人を生き返らせることも出来るのか?

 だとしたらもしかしてこの本にその方法が………?

 それじゃここにあった建物とかもこの本で元通りに………。)」

 

 

 カオスはマクスウェルの本を開こうとする。…が、思い直して本からてを離す。また本を開いて呪文を口にするだけで意図しない術が発動してしまうかもしれない、そう思ったカオスは本を開くのを止めた。

 

 

カオス「(…やっぱりこの本の力に頼るのは止めとくか。

 使いこなせない力を使おうとしても余計な被害が出るだけだし死んだ人を生き返らせようとするなんてそんなの出来たとしても危険すぎる。

 どんな代償がつくか分からないし間違って変なのが出てきても困る。

 

 

 ………ここはこのままにしておくのがいいんだろうな。

 下手なことして騒ぎになってもアローネ達を危ない目にあわせるだけだ。

 たとえ他の誰が死のうともアローネ達だけは死なせない。

 この本の力はアローネ達を守ることのためだけに使おう。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………ここにはこれ以上の進展は見込めませんね。

 他を回りましょうか。」

 

 

カオス「………そうだね。

 そうしようか。」

 

 

 カオス達はカーラーン教会をあとにする。今優先すべきはフェデールの情報の捜索だ。カーヤもカオス達の後についてきて街の中を移動し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスはまだ知らなかった。自分が今どのような力を持っているのか。その力があれば()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その力がまさに今狙われていることにも………。

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