テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都レサリナス 修練場 夕方
フェデール「(………今日も状況は芳しくないな………。)」
一仕事を終えてフェデールは王城を出てこの場所へと自然と足を運んできた。
フェデール「(………ハァ、
半年前から何も話が進まないな。
いつまであいつら尻込みしてんだ。
戦場に出るのはお前等じゃねぇって何度も言ってるだろうが。
何が講和の道を目指した方がいいだ。
この三百年の間に忘れてしまったんじゃないだろうな?
ダレイオスの奴等から何でこんな別の土地まで逃げてきたのか………。
俺達とあいつらが対等になれるわけねぇだろ。
あいつらと仲良くしようとしたってあいつらが俺達のことを認めることは永遠に来ねぇよ。
どうしてそれが分からないんだ?
先日の流星群だってあれはマテオ単体を狙ったものじゃなくてこのデリス=カーラーンの全てを狙って放たれたものだった。
結局あの流星群自体は地上に到達することはなかったがあれで更に大魔導師軍団への恐怖を募らせて降伏する案を出してくる奴も出てきてる。
降伏なんてもってのほかだ。
それでマテオがどうなるか分かってるのか?
俺達バルツィエの力に守られ過ぎて平和ボケしたんじゃないのか?
それでお前達が考えるような理想の結果は絶対にならない。
………ランドールじゃないがこれはもう
評議会での纏まらない話し合いにストレスを感じ当初から取るべきではない手段を取ろうと考え始めるフェデール。
そんな思考を繰り返している内にフェデールは修練場へと辿り着く。
フェデール「(………ふぅ、
ここに来た時くらいは気持ちを切り替えないとな。
でないと稽古の効率が全く………!)」
ふと修練場の中に人の気配を感じとる。この場所はそう滅多に人が訪れたりはしない。バルツィエ以外の立ち入りを禁じているため人がいるとしたらダインかランドールのどちらかだがランドールは部下達と飲みに行くと言っていた。だとするとダインだが人の気配がするのは二人だ。
フェデール「(片方はダインか………?
そうなるともう一方は誰だ………?
ダインがブラム以外とつるむところなんて見たことが無い。
となると必然的にバルツィエでは無い何者かがこの中に………。)」
修練場にいる人物達が何の目的で中にいるのかは定かではないがここにいるのであれば確実に自分に用があるのは確かだ。しかも気配の感じ方からして隠れて奇襲するつもりは無いらしい。意を決してフェデールは修練場の中へと入っていく。腰に下げた剣の鞘を握りしめながら、
ガラッ………、
フェデール「動くな!
ここはバルツィエ専用の………!」
扉を開けて中にいた人物を確認するとそこにいたのは………、
カオス「お前のことを待ってたんだ………フェデール。
お前には訊かなくちゃいけないことがある。
そのためにここで待たせてもらっていた。」
フェデール「………カオス………?
………とお前は………。」
アローネ「私も貴方にはお訊きしたいことがあってここに来ました。
貴方も私に何かお話したいことがあるのではないですか?」
フェデール「…アローネ・リム・クラウディア………。
どうしてお前達がここに………?」
修練場で待っていたのは二日前に流星群騒ぎを起こした張本人達だった。騒ぎは未だ終息はしておらず時間が必要だ。そんな時にこの二人がここに来るとは………。
……………………………………………………………………
フェデール「…どうして俺がここに来ると分かってたのかな?
カオス「………」
ダインからここにフェデールが通っていると聞いた………とは言えない。ブラムからダインにダレイオス側に来るようにお願いしてもらうまでは彼女の印象を悪くするのは彼女の立場上問題だろう。ここは口をつぐむべきだと黙秘を遠そうとするが、
フェデール「黙りかい?
でも俺がここによく来ることを知ってる人はそんなに多くはないんだよなぁ。
そしてここに俺が来ることを知ってる人で君達と関わりがある奴と言ったら………、
カオス「!?」
フェデール「お?
その反応は正解のようだね。
前々からダインの様子がおかしいと思ってたんだ。
ブラムが君に負かされたことを知った時は君を殺す勢いで怒ってたのに君達が半年前にここから逃亡を謀ったあたりで君への怒りがすっぱり冷めていた。
何故急にダインが君への怒りを収めたか………君達があの日ここから逃げ出す時西の門から出ていった。
その時あそこを警備していたのはブラムだった。
ブラムはあれでそこそこ腕は立つからね。
一度負けたのなら今度は油断なんかせずに君達を逃がさないための足止めくらいはできるだろう。
それがあっさりと君達に抜けられた。
ブラムは
カオス「ち、違う!ブラムさんは「カオス駄目です!」!」
フェデール「………ほぅらやっぱりね。
最初からそうなんじゃないかと思ってたんだよ。」
何も喋らずともフェデールに次々とカオス達の内情を見抜かれていく。下手に反応をするだけ余計に情報を与えてしまうようだった。
フェデール「君達の手配書のことだってそうだったんだ。
ブラムは勝手に君の手配書をファミリーネーム付きで作ってばら蒔いた。
バルツィエの名を語る逃亡犯がマテオを彷徨けば簡単に国中の話題がそのことで持ちきりになる。
以降は君達が何かするたびに俺達の家が関係者として疑いをかけられて色々と動きづらくなる。
仕方なく俺達が直接君達を捕らえるのに尽力しなくちゃならなくなったから面倒だったよ。
細やかな抵抗くらいにしかならなかったけどね。」
アローネ「始めから全てお見通しだったというわけですね。
手配書を撤廃しようとは思わなかったのですか?」
フェデール「いや?
別に大した成果じゃなかったし君達がブラムと繋がりがあるならどうせこのレサリナスに足を運ぶと思ってたからね。
途中どこかで君達が大人しくこっち側の誰かにでも捕まってくれればいいだけの話だしね。
撤廃するだけ無駄な苦労をするだけだと思ってそのままにしておいたんだ。」
カオス「ブラムさんをどうするつもりだ?」
フェデール「今は何もしないよ。
あいつは泳がせておいた方がいいからね。
おかげで君達が俺のところまでやって来てくれたんだ。
あいつにはまだまだ利用価値があるんだよ。
さっきの話の続きだけどブラムと君達が繋がってるのをダインが知ったからダインが君達にここのことを教えたんだろ?
ダレイオスにいる間に懐柔でもしたのかい?
あいつは人との距離感に慣れてないからすぐに堕ちただろ?」
この短時間でフェデールはカオスとアローネがここまで来た経緯を全て言い当てる。恐るべき洞察力の持ち主だ。
フェデール「それで?
ここに来た目的は何なのかな?
カオス君。
俺に何か用があって来たんだろ?
話を聞こうじゃないか。
先ずはそこからだ。」