テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオス「………やっぱりあれをやったのはお前だったんだなフェデール。」
フェデール「気に入ってもらえたかな?
君のためにやったことなんだよ。
俺から君に送れるプレゼントといったら
君の幼少の頃に味わった苦い思い出もアレで幾らか晴れればいいなってね。」
フェデールが自分の犯行を認めた瞬間だった。フェデールはカオスに近付くための材料を探しにミストへ向かいそこでカオスの過去を知った。その上でカオスの好感を得るためにミストの村人達を焼殺したのだ。
フェデール「どうだった?
ミストの連中の具合は。
どんな様子だったんだい?
君なら絶対に喜ぶ結果が待ってたんじゃないかな?
あんな奴等あれくらいの目にあわせてやらないと納得がいかないだろ?
俺としては君がミストに帰ったところを直に見てみたかったなぁ。
ミストの連中は君を見「もういいよ。」」
カオス「………もういい。
お前に訊きたいことは全部訊けた。
もう知りたいことは何も無い。」
カオスはアローネ達に背を向けて修練場の入り口へと去っていく。
アローネ「カオス………。」
フェデール「フフ………、
いきなりのことだったし君にも衝撃的な内容の話だったろうね。
でも君がダレイオス側についてもメリットに差は何も無いだろう?
どうせマテオとダレイオスのどちらかが勝って世界は一つになるんだ。
それなら現状優勢な此方側についた方が戦争での犠牲は少なくて済むんだ。
返事はまだいいけど悪い話じゃないだろ?」
フェデールの話で気の沈んだアローネとカオスを味方に引き込めることを確信するフェデールの二人。フェデールの洞察力は見事なものだった。ここに来た経緯からアローネとの出会いの全てを言い当てた。フェデールの話が本当なのであれば今までの旅で見てきた彼女の全ては演技であった可能性がある。アローネはカオスの力を手に入れるために近付いてきたウルゴスという古代の国の復活を企む組織の者だったのか………。
カオス「返事はここで言うよフェデール………。
………俺は…………………………………………………
お前達バルツィエの仲間にはならない。
そして、
アローネを信じることにする。」
カオスはアローネを信じることにした。
アローネ「カオス!」
フェデール「どうしてだいカオス君?
君が此方側に付くなら俺は君にバルツィエの当主としてのポストを約束する。
他の仲間達も同様だよ。
君達が望むものなら何だって叶えてあげられるんだ。
それをふいにするって言うのかい?」
カオス「俺が望むものか………。
俺は別に何かが欲しいわけじゃない。
俺に欲しいものがあるとしたらそれは俺の好きな人達の安寧を守ることだ。
それがバルツィエの味方になんかついたらどんどん失われていくことに気付いた。
バルツィエは俺の大事な人達の大事なものを奪っていく。
そんな奴等の味方になんなつかないよ俺は。」
フェデール「大事なものを奪っていく………?
………もしかして俺は余計なことをしちゃったのかな?
だったら後日ミストに直接「もうミストになんか言っても意味なんてないだろ。」」
カオス「お前が………お前がミストの皆を殺したんだから………。」
フェデール「………………?
………俺が………………ミストの住人達を………殺した………?」
カオス「アローネ、
行こう。
ここでの話は終わりだ。
皆のところへ戻ろう。」
アローネ「はっ、はい。」
フェデール「………………」
カオスとアローネはフェデールを無視して修練場を去る。
去り際フェデールの様子を伺ってみたが何か考え事をするかのようにその場で佇んでいた。
……………………………………………………………………
王都レサリナス ブラム邸 夜
レイディー「よう、
フェデールの野郎はいたのか?
話はつけてきたのか?」
ブラムの屋敷に戻ると開口一番にレイディーがフェデールのことを訊いてきた。
カオス「………はい。
フェデールに会ってきました。」ガタッ!
ガッ!
ミシガン「フェデールが来たんだね!?
それでフェデールをどうしたの!?
せっかくのチャンスをまさか無駄にしてきたわけじゃないよね!?」
カオス「ミッ、ミシガン落ち着いて!」
フェデールがいたことを告げるとミシガンがかけ走ってきてカオスの肩を強い力で掴んでくる。
ウインドラ「ミシガン!
フェデールとはここでは戦わないと最初に言っておいただろ!
カオス達が暴れたりでもしたら他の騎士達が集まってきてそれどころじゃなくなるんだ!
万が一俺達の居所が知れでもしたら手引きしてくれたブラム隊長にも迷惑がかかる!
そうなればダインが俺達の元に来ることも出来なくなる!
フェデールとやるのは今じゃないんだ!」
タレス「そうですよ!
バルツィエのことを憎い気持ちは痛いほど分かりますが時期は今じゃありません!
ブラムさんがダインさんを説得してから倒すべきバルツィエの人員を確認してそれでダレイオスに戻ってダレイオスの他の部族達と共にマテオに宣戦布告をするんです!」
ウインドラとタレスの二人がカオスからミシガンを引き剥がす。あまりに強く握られていたためにカオスも一緒に引っ張られそうになった。
ミシガン「それは………そうだけど………そうだけど!!
フェデールが近くにいるのに何も出来ないなんて無理だよ!
私が直接フェデールを倒して皆の仇を討ちたいの!
そんなの待ってなんていられないよ!」
二人の忠告も聞かずにミシガンは一人ででもフェデールのところへと向かいそうな様子だった。
レイディー「…手間かけさせんじゃねぇよ。
おい。」
アローネ「!
はい!
『ナイトメア!』」パァァ…!
ミシガン「!?
待っ………!」
ガクッ………、
アローネの術によってミシガンは眠らされる。それで一旦はその場は収まるが、
アローネ「そう何度も術で強制的に眠らせるのは体に良くないのですが仕方ありませんね。」
レイディー「しゃあねぇ。
丁度いい具合に暗くなってきてるしそいつ連れてこの王都から抜け出るぞ。
東側の貧民街に外に続く下水道を見つけておいた。
流石にフェデールが近くにいないのならゴリラも諦めがつくだろうよ。
一応聞いておくがフェデールから聞ける情報は全て聞き出して来たんだろうな?」
カオス「はい。
もうここに留まっている理由はありません。
早くレサリナスから出ましょう。」
アローネ「そうですね。
フェデールから聞いた話は外に出てからお話しします。」
レイディー「そうしてくれ。
じゃあ行くぞ。」
こうしてカオス達はレサリナスを去った。フェデールから聞かされた話の内容には些か引っ掛かりはあったがカオスはアローネを信頼していたためフェデールの言ったことを世迷い言として片付けた。
………しかしフェデールが言っていたことはあながち的外れではなかったことをカオスは暫く時間が経ってから知ることになる………。