テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
魔力欠損症の少年ダニエルを救うために三人はアイオニトスを探すがアイオニトスは騎士団の管理する鉱山にしかないという…。
リプット鉱山 入り口前 明け方
「ここが目的の場所か…。」
「想定はしていましたが騎士団が入り口で見張っていますね」
「………三人ですか。
思ったより少ないですね。
これなら穴を掘るのはそんなに遠くなくてもいいかもしれません。」
「本当に!?」
「といってもここから最低半径一キロは遠くにしますよ。」
「そこまで遠くにするの?」
「ボク達はこれから術技を駆使して穴を掘っていきます。
なので大きな音をたてると即見付かってしまうのでなるべく騎士団から聞こえない程の位置で穴を掘らなければなりません。」
「そうかそういうことも考えないといけないのか。」
「後、魔術を使う際はもう少し明るくなってからですよ。」
「?
何でそんな時に?」
「真っ暗だと魔術の光で騎士団が寄ってきます。
なので明るくなっても目立たないかつ気付かれたとしても素早く逃げ出せる位置にしなければなりません。」
「なるほど…」
「………それではもう少し時間がたってから作業を開始しましょう。」
リプット鉱山 最奥部
「ハァ、疲れるなぁ。」
「言うな、余計疲れるぞ。」
「だってよぉ…。
こんな洞窟の中でひたすら石ころ探してるだけの作業なんて詰まらねぇだろ?」
「それもそうだけどよ。
後もう少しで裏番の奴等と交代なんだから我慢しろよ。」
「それにしてもよ。
何で騎士の仕事がこんな石ころ探しなんだよ。」
「仕方ねぇだろ。
上の連中の命令なんだから。」
「こんな石ころが何の役に立つってんだ。」
「石ころじゃねぇよ。
こん中にはマナが多く含まれてんだ。
これを沢山集めて魔法剣を作ったり封魔石の素材にしたりしてんだ。
きびきび働けよ。」
「ヘイヘイ、
真面目なこって。
………なんか面白いことでもおこらねぇかな。」
「起こるわけないだろ。
こんな穴蔵の中でなにが何があるってんだ。」
「………一攫千金のお宝でも出てきてくれりゃやる気出てくるんだがなぁ。」
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ。
あるわけないだろそんなこと。
あったとしても持ち出せねぇよ。
入り口は他の奴等がいるんだから。
どうやって運び出すんだよ。
ここで出てきたもんは全部持ってかれるぞ。」
「夢がねぇなぁ。
っとに。」
「そんな下らないこと言ってないで手を動かせ手を。」
「ハイハイ…。」
「オーイ、そろそろ交代するぞ~、
上がっていいぞ~。」
「ふぅ、漸く終わりだな。」
「結局何も出てこなかったなぁ。」
「そう都合よく出てくるわけないだろ…。
さっさと帰って寝るぞ。」
「あいよ。」
「お疲れさん、後は俺達が………」
ピシッ………
「ん?」
「今何か音がしなかったか?」
「あぁ、でかい音が…。」
ピシッ……ピシピシピシ……ガラ!ガラガラガラガラガラ…!!
「おい!やべぇぞ!?
天井が崩れる!!」
「逃げろ!!」
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ!!
ドダァァァァァンッ!!
「「「!!?」」」
「何かが落ちてきたぞ!?」
「何だ!?
モンスターか!?」
「いったたた………!
大丈夫二人とも。」
「ゴホゴホッ!
………砂煙が喉に…ゴホッ!!」
「ボクは平気です。
………少し掘りすぎましたね。」
「そうみたい。
だけどなんとか空洞には出てこれたな。
後は騎士に見つからずに………。」
「「「………」」」
「「「………」」」
「もう、遅いみたいだね。」
「な、何だお前達は!!?」
「採掘泥棒か!?
ここは王国の統括地だぞ!?」
「い、いや俺達は…!」
「お、お前達は手配書の…!?
カオス=バルツィエ!!?」
「何ィ!!?
どうしてこんなところに!?」
「ウゲッ…!?
何で正体までバレたの!?」
「カオス!
輪ゴムが取れてます!」
「え!?
そうか!
今のでゴムがどこかに行っちゃったんだ!」
「ということはもう一人はアローネ=リム・クラウディアだな!?」
「子供もいるぞ!?
一家犯だったのか!?」
「………変な誤解されているようだけどどうする?」
「ここまで来たら鉱石を手にいれて逃げるしかありませんよ。」
「手っ取り早く気絶させてずらかりましょう。」
「そうするしか無さそうだね。」
「大人しく投降しろ!
この中は完全に包囲されて「魔神剣!」うわぁ!」ザザザッ
「そんなの言われなくても知ってるよ。」
「「「ぐぅ………ッ」」」
「取り合えず倒しちゃったけど。
幸い気付かれたのはこの騎士達だけみたい。
どうしよっか?」
「鉱石は………見てくださいあそこ!」
「どうやらここでそこの騎士達が採掘していたもののようですね。
アイオニトスは………ありました。
これです。」
「見つける手間が省けて助かるよ。
後はこれをもって帰って…」
「………出口が天井に…。」
「これでは出られませんね…。」
「ん?
壁に見取り図があるよ?
今いるところは………。」
「………最深部にいるようですね。」
「………張り切りすぎたか………。
バレずには帰れそうにないね………。」
タッタッタッタッタッ!
「魔神剣!魔神剣・双牙!!」ザンッ!ザンッ、ザンッ!
ウォワッ!
グアッコレハ!?
「孤月閃!」ブンッ!
ウァッ…!
「ウインドカッター!」シュッ!
ガラガラガラッ
ミチガ!?
イソイデガレキヲドケロ!
ゼッタイニニガスナ!
オエ!
「もう随分と大事になったなぁ。
これはこっそり鉱石だけいただいて帰るなんて話じゃないな。」
「始めからこうなることは予測できてました。
後はもうここを切り抜けるしかないですよ。」
「大勢騎士がいますけど地形を利用すれば足止めも難しいものではないですね。」
イタゾ!コッチダ!
「………瓦礫でまた新しいのも来たけどね。」
「しょうがないです。
素早くたたいてここを抜けましょう!」
「そうします!」
リプット鉱山 入り口
「ハァ、なんとか出られたな。」
「あら?
警備の方がいませんね。」
「ボク達が暴れたので中の方に向かったんではないですか?」
「ならばカオス今のうちにゴムを…。」
「有り難う。
何にしても今のうちに街の方へと逃げよう。
ぐずぐずしてたら中の騎士が戻ってくるよ。」
「「はい。」」
「何をしてるんだ奴らは………?」
王都レサリナスホテル 昼前
「ふぁ~、やっと帰ってこれたぁ~。」
「私ももう立っているのがやっとです。」
「………徹夜ですし今日は夜までホテルで就寝します?」
「そうしよう、鉱石は手に入れたわけだし起きてから薬にしよう。」
「そうですね………。
では私はこれで…」バタンッ
「………」
「?
タレスどうしたの?
部屋に戻らないの?」
「いえ、気になることがあるのですが………。」
「何?」
「アイオニトス………
薬の材料にするのですよね?」
「?
その予定だけどそれがどうかした?」
「それは誰から教わったんですか?」
「アローネからだけど…?
魔力欠損症を治すにはこのアイオニトスが必要なんだって………。」
「魔力欠損症を…治すですって………?」
「それがどうかしたの?」
「いえ、ボクも薬医学に詳しい訳ではないので確証がないので今は何も………。」
「!
もしかして何か問題でもあった!?」
「何でもありませんよ。
夜になったらアイオニトスを薬にしてもらえるところに行きましょう。
そこはぼくが調べておきます。」
「あぁ、頼んでいい?」
「はい。」
「じゃあ悪いね。
また夜になったら迎えにいくよ。」
「分かりました、
ではお休みなさい。」ガチャッ、バタンッ
ふぅ、流石にこの時間まで起きているのは体が重たいな。
………
流れで戦っちゃったけど俺、騎士とやりあったんだなぁ。
別に今回が初めてじゃないけど、なんかこう………思ったより騎士団が強くなかったな。
殺生石のおかげで戦えてるってのもあるけどあのくらいなら魔術なんてなくても武身技だけで………
………駄目だな。
疲れて思考がおかしくなってる。
調子に乗ったら駄目だ。
調子に乗ってタレスやアローネを危険な目に会わせたらもともこもない。
騎士の道はもう諦めたんだ。
アローネがカストルで言ってたじゃないか。
俺は俺の目指す騎士道を貫く。
俺以上や俺以下なんて関係ない。
あの騎士達だって頑張ってたんだ。
そこは認めないと。
さっきまでのは地形を利用してただ逃げるのが上手くいっただけ。
それに仮に騎士になるんだとしてもニコライト、あんな小さな子供に苦戦しているようじゃ世界をどうにかするなんて出来る筈がない。
俺の強さなんてまだまだ地の底の方だ。
おじいちゃんぐらい強くならないと世界なんて………。
少なくともウインドラと二人で戦っても勝てなかったようでは救える筈がない。
本当に救える訳ではないけどマテオを支配しているバルツィエと戦うことにでもなれば…。
今日は本当におかしいな。
運よく成功しただけなのに嬉しくて揚がっている。
騎士をいなしたのがこんなに嬉しいなんて…。
昨日………いや、日付的には今日なのか。
今日のリプット鉱山でのことが頭から離れない。
なんだか無性に戦いたい。
それも強い人と。
調子に乗っちゃいけないけど、あの場にバルツィエがいたらどうなっていただろうか…。と言うか何故いなかったんだろう。
互角に戦えたか、それか苦戦して逃げていたか。
………それかもしかしたら勝てたんじゃないか…。
今後手配書のことやニコライトの時殺されそうになったことを考えてもバルツィエと戦う可能性はあるよな。
その時になって対応するよりも先にバルツィエのことを調べておいた方がいいかな。
いざバルツィエと戦うときにスムーズに動けるように。
バルツィエと戦える機会があれば………。