テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
バンッ!!
アローネ「………貴方にウルゴスの何が分かると仰るのですか………?
私の知る人々にヴェノムのようなおぞましきウイルスを製作するような人などおりません!
勝手なことを仰らないでください!」
レイディーのウルゴスへの考えを聞いてアローネが激昂する。
レイディー「別にただそういった奴等がいるって可能性を指摘しただけだろうが。
お前が知る連中は本当に
お前の前でだけ善人ぶって影で何やってるかなんて誰にも分からねぇんだぞ?
ウルゴスってのがどんな国だったかはアタシは知らねぇ。
けどヴェノム製作に関わった容疑者はダンダルクって国とウルゴスの国しかねぇんだ。
そんでダンダルクって国はあまり魔術に関して詳しい国じゃねぇんだろ?
そんな奴等にヴェノムが作れると思えねぇ。
ヴェノムは十中八九高貴なエルフの作品だ。
お前が目覚めさせたいウルゴスの連中は主に同胞って言うよりは
そいつらがヤバイんだ。
早々そんな連中を目指させたりすりゃこのデリス=カーラーンの時代が第二、第三のアインスになっちまうだろうよ。」
アローネ「そんなことには………。」
レイディー「ならねぇって言い切れるのか?
お前が言うように数百年の内にカタスとお前しかウルゴスの奴が見付かってねぇってのはつまりだ………。
カタスも
アローネ「………カタスが躊躇っているですって………?」
カオス「どうしてカタスさんが………?」
ウルゴスを批難され激昂していたアローネもレイディーの発言に耳を傾ける。
レイディー「頭のいいあの人のことだ。
バルツィエに昔渡したっていうネクロノミコンやその他の書物とかは今バルツィエによって悪用されてるよな?
要するにそれらはカタスの手に余る代物だったから人に渡しちまったんだろうがそれらの出所は
目覚めたカタスの側にあったってことはそういうことだろ。
ウルゴスでは
それも王族が直接研究してたんだろうよ。
お前や他の貴族の連中に対しても極秘でな。」
レイディーの推測は反論もしようが無いほどに合理的だった。カタスがバルツィエに授けたという資料にはヴェノムについての詳しい研究成果が記されていたからこそバルツィエは誰よりも早くにヴェノムに対する対処法をとることができたのだろう。
アローネ「そんな………。」
レイディー「カタスはウルゴスの技術を利用しようとは思わなかったみたいだがな。
多分あの国が建国時に
それを治すために力を貸したんだろうがバルツィエは返却することはなかった。
筋書きはこんなところだろう。
それで今のバルツィエの完成だ。
バルツィエですら最悪なのにヴェノムを作り上げた奴なんかを復活なんてさせてみろ。
それこそ取り返しのつかない事態にだって陥ることもある。」
アローネ「………」
レイディー「…悪いことを言うようで心苦しいところではあるが王になりたいって言うんならもっと他のことに目を向けろ。
今のこの時代はアタシ達の時代なんだ。
ダレイオスだってあの六部族の国だってことを忘れるな。
その頂点に立つってことはそいつらのことを第一に考えなくちゃならねぇ。
ウルゴスのことはカーラーン教会だけに任せておけばそれでいいんだよ。
信用のある奴にお前の仲間達を見つけてもらってからその眠ってる奴が本当に目覚めさせていい奴なのかもカタスと慎重に目覚めさせるか決めろ。」
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ボーデン公道 夜
あれからアローネは一人でトリアナスの外のボーデン公道まで出てきていた。
アローネ「………ヴェノムが………まさかウルゴスで作られたものだったなんて………。」
アローネからすればショックが大きかった。ウルゴスが滅びた原因はヴェノムだがそれは敵国ダンダルクの攻撃によるものだと思っていた。それかウルゴスやダンダルクの時代よりも遥か昔に作られたものを偶然発見してしまいそれが流出しただけなのだとも。
だが過去のことを調べれば調べるほどウルゴスがヴェノムに関与している証拠しか上がらない。誰が作ったのかは不明だがもしヴェノムを作りし者に携わる輩でも目覚めようものならどうなるか………。
アローネ「………やはりダレイオスを利用するような形でウルゴスの人々を救う方法は間違っているのでしょうか………。
………私はどうしたら………。」
「何かお悩み事ですか?
アローネが物思いに耽っていると不意に彼女に声をかける人物が現れる。
アローネ「!
貴方は………!?」
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――翌日――
トリアナス 部族会議室
翌朝になって昨日のメンバーが会議室に揃って行く中アローネの姿だけがいつまでも会議室の中になかった。
オサムロウ「………カオス、
アローネはどうしたのだ?」
カオス「…昨日あれから俺達も見てません………。」
オサムロウ「見ていない………と?」
ミシガン「部屋にはいなかったから先にここに来てると思ったんだけど………。」
ファルバン「フム………、
どうしたものか………。
昨日のことが無ければこのまま本題に移ってもよいのだが………。」
今回の議題はダレイオスの王に誰が相応しいかだ。それについて話し合うためにここに皆集められたのだが昨日立候補したアローネがいないのではどうしようかと迷うところだ。
オリヘルガ「恥かいたから出るに出られねぇんじゃねぇか?
自分がダレイオスの王になれるだなんて思い上がったこと口にしちまったもんで途中で恥ずかしくなって出席出来ねぇんだろ。」
アローネがいないのをいいことにオリヘルガが好き放題アローネの悪口を言う。
ハーベン「口を慎めオリヘルガ!
ダレイオスの復興に尽力したお人だぞ!」
オリヘルガ「つっても昨日の感じ見た限りじゃお前等のところもそこまであの女が活躍した場面なんて無かったんだろ?
結局はカオス=バルツィエが全部手柄を上げたようなもんだろうしな。
カオスさえいたら他なんてただのオマケみたいな連中だろ。」
ウインドラ「何………?」
タレス「言ってくれますね。
イフリートの傀儡と化していたブルカーンが何を大層な口をきいてるんですか?」
オリヘルガ「あ”ぁ?
……カオスには勝てる気はしねぇがテメェ等には腕っぷしで負けるつもりはねぇぞ?
会議の前にテメェ等を畳んじまってもいいんだ「遅くなりました!」」
ウインドラ達とオリヘルガの間に剣呑な空気が流れ始めたところでアローネが会議室へと入ってくる。
そしてアローネに続いてもう一人の男性が部屋の中へと入ってきた。
アローネ「………昨日と同じく私はダレイオスの王選定に立候補します!
昨日はカオスの旅の同行者という扱いで立候補しましたがそれは撤回します!
代わりに………、
カーラーン教会ダレイオス支部所属
此度の戦はカーラーン教会も参戦させていただきます!
カーラーン教会の代表として望むのであれば何も文句はないはずです!!」