テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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勝率の低さ

()王都セレンシーアイン 闘技場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………」

 

 

 カオスは一人で闘技場に来ていた。闘技場は前にオサムロウと一対一での勝負を申し込まれてその戦闘の影響で客席を大きく吹き飛ばしてしまっていた。それが今では完全ではないが修復されている。年期的な違いのせいかカオスが吹き飛ばした箇所は吹き飛ばされていない客席に比べて風化した様子は無くそこだけ見ればそれなりに見栄えはいいのだが全体で見ればやはり違和感を拭うことは出来なかった。これは一度全部立て直さなければ違和感を払拭することは難しそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリヘルガ「爪竜連牙斬ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「!」

 

 

 闘技場から聞き覚えのある声が響く。見ればブルカーンのオリヘルガが訓練用に使う木人に向けて技を放っていた。

 

 

オリヘルガ「………まだ改良の余地があるな。

 こんなんじゃバルツィエ達との戦いで仲間達に迷惑を………、

 

 

 ………!

 なんだお前かよ。

 何見てるんだ?」

 

 

カオス「オリヘルガこそここで何してるんだよ?」

 

 

オリヘルガ「見て分からねぇか?

 術技の練習だよ。」

 

 

カオス「術技の………?」

 

 

オリヘルガ「…ローダーンじゃ()()()()世話になったからな。

 今度のマテオとの戦いじゃあんな格好悪いところは見せられねぇよ。

 そのために訓練は欠かすことは出来ねぇ。」

 

 

カオス「………今でも十分に強いのにどうしてそんな………。」

 

 

オリヘルガ「俺が強い………?

 ………俺が強いってんならお前はどうなんだよ?

 嫌味なくらい力を持ってる奴から強いなんて言われても嬉しくねぇよ。」

 

 

カオス「………」

 

 

 

 

 

 

オリヘルガ「………俺が強かったらギランの兄貴だって死なずに済んだんだ。

 俺はまだまだ弱いんだよ。

 弱いからこうして力を磨かなきゃいけねぇ。

 せっかくお前から精霊の力とか言うのをいただいたんだ。

 この力はバルツィエとの戦いでいい働きをするだろうぜ。」

 

 

カオス「…そうなるといいね………。」

 

 

オリヘルガ「そうなるんだよ。

 でもその前にお前の連れていた女アローネつったか?

 あの女は遠慮なく潰させてもらうぜ?

 俺達もブルカーンの威信がかかってんだ。

 下手に手を抜いたりはしねぇ。

 他の奴等に対しても同じだ。

 俺は今度の大会勝ちにいくぜ。」

 

 

カオス「………そう。」

 

 

 カオスから見てもオリヘルガが優勝するのは目に見えた結果の大会だった。ローダーン火山で戦った時もそうであったがオリヘルガは一ヶ月の間にあれから更に力を伸ばしていた。マジックアイテムに頼らずとも実力を遺憾無く発揮できる精霊の力はオリヘルガの能力を大幅に上昇させていた。

 

 

オリヘルガ「!

 そうだ。

 お前に面白いもん見せてやるよ。

 って言ってもお前が()()()()()()()()使()()()()()だけどな。」

 

 

カオス「……当たり前に使ってる技?

 ………!」ザスッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間的にオリヘルガが視界から消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャキ…………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリヘルガ「どうだ?

 お前のそれを真似てみたんだ。」

 

 

カオス「……()()()()………。」

 

 

 オリヘルガは一瞬にしてカオスの背後に回りカオスの首筋に腕に仕込んだ短剣を突き付ける。カオスの飛葉翻歩に比べて目が追い付けない程ではないが十分飛葉翻歩と呼べるレベルのものは完成していた。

 

 

オリヘルガ「当日はこの技で一時間もしない内に全員と決着をつけてやるよ。

 ………順調に決めていけば十分くらいで終わるんじゃねぇか?

 お前からこの力を貰ってから頗る調子がいいんだ。

 まだまだ俺の力はこんなもんじゃねぇ。

 大会までが待ちきれねぇぜ。」

 

 

 今のオリヘルガの様子からして大会当日はまた腕を上げていることだろう。精霊の力がオリヘルガを予想以上に成長させているようだ。コーネリアスとどの様な稽古をしているかは見学していないので分からないが一ヶ月前のアローネのままでは彼女はこのオリヘルガには勝つことは不可能だろう。

 

 

オリヘルガ「俺はもう少しだけ特訓を続けてるぜ。

 お前やハーベンが大会に参加しないんならこの大会は俺の独壇場だ。

 俺がお前達に華麗に優勝する姿を拝ませてやるよ。

 楽しみにしてな。」

 

 

 そう言ってオリヘルガはまた木人に向かって技を放っていく。カオスは暫くそれを眺めた後他の出場者達の元へも向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………そして他の出場者達の様子を見てもやはりアローネの勝ちの目が低いことが分かる。四ヶ月前のカイメラとの決着辺りからミーアやクリティア族の者達は精霊の力をアローネ以上に引き出しているようにも思える。オリヘルガをどうにか倒したとしてもその次に控えるクララ達はアローネにとってはどれも勝利が難しい相手だ。一つ一つの試合の合間に休息を挟み体力を回復する時間があれば可能性は無きにしもあらずだが連戦では二回戦までが関の山といった具合が妥当なところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「(………一番付き合いの長いアローネだから応援してあげたいけどどう見てもアローネじゃオリヘルガ達全員を相手にするのは厳しすぎる………。

 

 

 

 ………一度アローネの様子を見に行こうかな………。

 コーネリアスさんとの稽古で今アローネがどれくらい強くなってるか見ておきたいし………。)」

 

 

 カオスはアローネがいるカーラーン教会まで向かうことにする。歩いて向かえば数日かかるところだが飛行手段を得たカオスは数時間でカーラーン教会まで辿り着くことができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこでカオスはアローネの今の現状を知りアローネ優勝には届かないことを悟るのだった………。

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