テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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断裂する二人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「アローネ………あのさ………。

 アローネが正しいってことは分かってるんだけど………俺にはアローネに負けてほしくないって言うかさ………。」

 

 

アローネ「応援なさってくださるのですね。

 感謝の言葉につきません。

 カオスとはもうかれこれ一年の付き合いにもなりますからね。

 しっかりと私の勇姿を客席で見ていてください。

 必ず優勝してみせますから。」

 

 

カオス「いやけど俺も何かしたくて………アローネだけ頑張ってもらうのもなんか悪いし………。」

 

 

アローネ「私のことはお気になさらないでください。

 カオス達に負担をかけていた分ここで私が頑張らなければなりませんから。」

 

 

カオス「………オリヘルガ達は強いんだよ。

 さっき見てきたけどアローネと同じ様に大会の特訓をしてるんだ。

 一朝一夕の特訓でオリヘルガ達を倒すのは難しいんだよ。」

 

 

アローネ「彼等も部族の誇りのために鍛えておられるのですね。

 それは私も負けられませんね。

 早くまた私もコーネリアスと特訓を再開しなければ「アローネは!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「アローネだけの力じゃ駄目なんだ!!

 アローネの力なんかじゃあの人達全員には敵わない!!

 途中で絶対に誰かにアローネはやられる!

 正攻法で優勝なんてアローネには無理なんだよ!!

 

 

 ずっと見てきたから俺には分かるんだ!

 アローネの力とオリヘルガ達の力を比べてみてもアローネはあの人達の誰にも勝てない!

 アローネが勝つにはあの人達よりも何か別の力が必要なんだ!!

 俺が持つ精霊の力とかさ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは思いの丈をアローネにぶつける。彼女のことを誰よりもよく知るからこそカオスはそういった言葉を口にした。信念や希望だけでは彼女の想いが成就することはない。だったらと彼女に早い内に現実の厳しさを教えて軌道修正した方がいい、無惨な結果に終わるよりかはここで自分から力を与えられておいた方が悲しい想いをすることもなく大会で優勝することが出きるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………それが貴方の本心ですか………?

 カオス。」

 

 

 

 

 

 

カオス「!」

 

 

 アローネの言葉はとてつもなく底冷えていた。怒りとも哀しみともつかない冷たさだけが言葉から滲み出てカオスを畏縮させる。

 

 

アローネ「私は貴方と出逢ってから今日までの間貴方に助けられてばかりいました………。

 貴方がいなければ私はシーモス海道でユーラスに殺されていたことでしょう。

 それからは私は貴方の力になりたい一心で貴方と共に旅をしてきました。

 貴方はその力に戸惑いを感じ貴方一人ではそれを制御できないでいたので私としても貴方のせめて心の支えだけにでもなれないかと側におりました………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………それが貴方の目には私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()としか映っていなかったのですね………。

 貴方がいなければ私は何もできない………。

 貴方がいなければ私は何も成すことができない無力な娘にしか………。」

 

 

カオス「そっ、そこまでは………。」

 

 

アローネ「そこまで?」

 

 

カオス「あ………!?

 違っ………!」

 

 

 カオスは失言をする。今のははっきりと否定しておくところだった。

 

 

アローネ「“そこまで”とは少しはそう感じる伏があったということですね?

 カオスからすれば私はそのように見えていたのですね。

 ………カオスからすれば私はそのように頼りない姿にしか映ってらっしゃらなかったとは………。」

 

 

カオス「違うんだアローネ!

 話を「結構です。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「…私は不正をしてまで勝ちに拘るつもりはありません。

 今の私の力が貴方からいただいたものなのかどうかは私にも分かりませんが少なくとも大会に出場する方達とは条件は同じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は私の力で優勝します。

 貴方の力は絶対に借りるつもりはありませんのでお引き取りを。」

 

 

 アローネはカオスに背を向けて去っていく。もうこれ以上話すことはないのだとその背中が物語っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………どうして………アローネ………。

 俺はただ………アローネのためを思って………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カオスは物心ついた時から力とは無縁だった。それがふとした切っ掛けでこの星でも最強の力を手に入れた。そして気軽に人にその力の一部を譲渡出来ることから人の努力よりも自分の力を宛にすればと思うようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それがアローネのプライドを傷付けた。アローネからしてみればそんな努力は無意味と告げられたようなものだ。アローネはアローネなりにカオスに追い付けずとも追い掛けはしていた。その当人から自身の力は非力であると言われてアローネも黙ってはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 結果がまさにカオスとアローネの仲違いである。持つ者と持たざる者の価値観の相違が今回の事態を招いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーネリアス「カオス様にはカオス様の人生や考えがあります。」

 

 

 

 

 

 

カオス「!」

 

 

 気配よりも早く声が聞こえる。カオスの隣にいつの間にかコーネリアスが並んでいた。

 

 

コーネリアス「それと同じ様にアローネ様にもアローネ様の人生があったのです。

 彼女の出生は何もきらびやかなことばかりではなかったでしょう。

 彼女にも辛い経験や苦い思い出などもあったはずです。

 そうした経験を積み重ねてアローネ様には今があるのです。

 

 

 

 

 

 

 アローネ様を御一人にさせてあげてください。

 今彼女は自らの壁とぶつかっているのです。

 その壁は他の誰かが壊していい壁ではなく彼女自身で登っていかなければならない。

 カオス様のそれは親切ではなく成長の妨げです。

 アローネ様は一人で立ち上がる力を持っているのです。」

 

 

カオス「………」

 

 

コーネリアス「………心配せずともアローネ様のことは小生にお任せを。

 当日にはきちんとアローネ様はお返ししますしカオス様のこともフォローさせていただきます。

 大会までにはアローネ様の御機嫌をとっておきますので今日のところはこれにておいとまします。

 

 

 では後日大会で。」

 

 

 アローネが去った方へと歩み出すコーネリアス。それに対し何も言えず立ち尽くすだけのカオス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カオス「………俺は………また余計なことを言っちゃったのかな……。」

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