テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
旧王都セレンシーアイン
ミシガン「ねぇ、
大会前にアローネさんの様子でも見に行かない?」
アローネと喧嘩して数日経ってからミシガンがそんなことを言い出した。
カオス「………!」
タレス「そうですね。
ここ最近アローネさんとは会えませんでしたし。」
ウインドラ「俺は構わんぞ。
あれからどのくらい腕を上げているか俺も気になるしな。」
レイディー「あのコーネリアスってのがあいつをどんだけパワーアップさせてるか見物だな。
変わってなかったら皮肉の一つでも言ってやるのも悪くねぇな。」
ミシガン「何で皮肉を言う必要があるの………。」
カーヤ「カーヤもアローネさんに久し振りに会いたいからカーヤもいいと思うよ………。」
アローネとは彼女の修業の理由で会えていなかった仲間達が次々に会いに行く方向へと話を進める。
そんな中でカオスはその話に同意することは出来なかった。
カオス「………俺はいいかな………。
アローネも頑張ってるみたいだし俺達がいくと邪魔になるかもよ?」
レイディー「ん?
お前は行かねぇのか?」
カオス「俺は………いいです………。」
ウインドラ「どうしたんだ?
アローネの様子が気にならないのか?」
カオス「………うん………実はこの前一人で行ってきたばかりだし………。」
タレス「カオスさんアローネさんのところに行ってきたんですか?」
ミシガン「なんだそれならその時一声かけてくれてもよかったのに。」
カーヤ「それでアローネさんはどんな様子だったの?」
カオス「アローネは………。」
一言で言うと話にならない。アローネが身に付けようとしている技術はただの時間稼ぎだ。どれだけ持久力や回避能力を上げたとしてもそれでオリヘルガ達を倒せる決定打にはならない。大会では四人全員を相手にしなくてはならないのに大会一週間前の時点で攻撃に関する特訓を何一つ行っていないという。コーネリアスはかなりの達人であることは伺える。そのコーネリアスから一ヶ月前足らずで数分持ちこたえるところまでに至るのはかなりの修練を重ねてきたことは分かる。
だが結局それがオリヘルガ、クララ、シーグス、オーレッドを纏めて相手にする力になるとはとても思えない。ただでさえ
レイディー「………お前………なんか猿とあったんじゃねぇか?」
カオス「え…!?
そんなことは………。」
ウインドラ「…今のは俺でも分かった。
カオス、
アローネと何かあったのか?
だからアローネの様子を見に行くのを渋ってるんじゃないのか?」
ミシガン「正直に話してよ。
アローネさんと何があったの?」
タレス「数日前からカオスさんが何か様子がおかしいことは気になっていましたがアローネさんのところに行ってたんですね。」
カーヤ「カーヤもカオスさんが変なの気付いてた………。
どうして変なのかは分からなかったけど………。」
アローネとあのような別れ方をしてから隠してたつもりだったが仲間達にはバレていたようだ。付き合いの長さから隠し事は出来ないとカオスは悟った。
カオス「………実はアローネと………、
………喧嘩しちゃったんだ………。」
カオスは正直に話すことにした。隠し通したとしても大会の日には知られてしまうことになるだろう。カオスはウインドラ達に先日のアローネとのことを説明した………。
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ウインドラ「カオスの目から見てもアローネの優勝は難しいのか………。」
レイディー「そんで事実を突き付けて言い合いになったのかよ。
アタシが日頃猿に言ってたことと同じだな。」
カオス「言い合い………って言うか俺が一方的に怒らせちゃっただけで………。」
ミシガン「それが本当なんだとしてももっと言い方があったと思うよ………?
そんなはっきり無理だって言われたら私でも怒っちゃうだろうし………。
まだ大会だってどうなるか分からないのに………。」
タレス「ボクとしては………カオスさんがアローネさんに言ったことは別に間違ってはいないと思います。
ずっとアローネさんと一緒だったカオスさんならオリヘルガ達とアローネさんが戦ってどうなるか容易に想像できるでしょうし早い内から良い方向へと方向転換しておかないと勝つのは厳しそうですし。」
レイディー「アタシもガキと同じく坊やを指示するな。
どうしても叶えたい目的があんなら綺麗事言ってる場合じゃねぇ。
その手を汚してでも掴み取る覚悟が必要なんだ。
…あいつはそこのところ理解してねぇよ。」
意外にもタレスとレイディーがカオスを肯定する。二人共カオスが言うようにまともなやり方じゃアローネが大会を勝ち抜くとは思っていなかったようだ。
反対にウインドラとミシガンはと言うと………、
ウインドラ「俺は………………アローネを尊重しても良かったとは思う………。
俺にもマテオの騎士団にいた頃はミシガンやカオスを自分の手で守ってやりたいと思っていた。
こういうことは自分の手でやりきらないとどうしても後でしこりが残りそうだからな。」
ミシガン「私もアローネさんの好きにさせてあげた方が良かったんじゃないかなって思うよ。
何でもかんでもカオスに頼りっきりじゃなんか自分のいる意味があるのかって時々分からなくなるしアローネさんだって頑張ってるんだよ?
それを分かってあげてほしいな。」
レイディー「努力が必ずしも報われるとは限らねぇ。
必要なことは最善の結果を残すことじゃねぇのか?
人ってのは一人じゃ何も出来ねぇんだ。
あの猿だって大王になりたい動機は人の手を借りたいからだろ?
今からでも人を使う練習をしておくべきなんじゃねぇか?
人の上に立つってのはそういうことだろ?」
ウインドラ「中身のない者に人は誰もついていかないだろ。
人の助けで大王になったとして誰がアローネを認めるんだ。
カオスありきの王に即位しても何も意味など無いぞ。」
タレス「戦後は解消される立場じゃないですか。
今アローネさんに必要なのは絶対に勝つことですよ。
素直にカオスさんに力を与えてもらえば後々ウルゴスの人達を探し出すのに苦労することはないんですよ。」
ミシガン「そんなやり方で結果を残しても後ろ指指されることになるのはアローネさんなんだよ?
ズルして勝っても皆納得しないよ。
アローネさんが自分の力でやりきるって言ってるんだからそこは私達が受け止めてあげないといけないでしょ。」
見事にカオス、タレス、レイディーの三人とアローネ、ミシガン、ウインドラの三人の意見が衝突する。正しい道をとるか不正をしてでも勝つかで四人は揉めた。それは半日にも及び討議されることとなった。
カオス「………カーヤはどう思う………?
俺の考えは間違ってたのかな………?」
未だ意見を言わないカーヤにカオスは訊いてみる。彼女から返ってきた答えは………、
カーヤ「カーヤには………分からない………。
そういう自分でやらないといけないこととか人に助けでてもらうこととかカーヤはあんまり体験したことないから………。」
カオス「………そっか………。」
その日は結局アローネのところにはいかなかった。アローネとは大会当日になって会うこととなった………。