テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
試合が始まって一時間が経過した。
アローネ「ハァ………!ハァ………!」
オリヘルガ「………なぁ?
もう止めにしねぇか?
そろそろ俺もお前の相手をすんのに疲れてきたんだが………。」
アローネ「では………ハァ………降参しては………いかがですか………?
その方が………御疲れにならずに………。」
オリヘルガ「お前がそれを言うのかよ………。
誰が降参するかっての。」
状況は火を見るよりも明らかだ。オリヘルガの圧倒的優位は揺るがない。この状況下でオリヘルガが負けを認めることないだろう。
アローネ「…ハァ………!
私には………大事な使命が………………あります!
それを………果たさずして終わるわけにはまいりません!」
オリヘルガ「まだやんのかよ………。
お前かれこれ三十分は俺に攻撃を当てられてねぇじゃねぇか。
お前の直進だけの加速じゃ俺を捕らえることはできねぇぞ。
後遺症が残らねぇ内に引けよ。
もうお前は十分に戦ったさ。
誰もお前を責めたりなんかしねぇって。」
倒しても倒しても起き上がってくるアローネの執念にオリヘルガは辟易としていた。勝負事とはいえ勝つためには相手を倒さなくてはならないがその相手がしぶとく立ち上がってくるのだ。予想以上に長引く試合にオリヘルガは少々焦りを感じていた。
アローネ「たとえ………私を責める人がいなくてもここで負けてしまうようであれば私は自分自身を許せません………。
何のためにこの大会を開いたのか………何のために私はここまでやって来たのか………私には私の使命があります………。
この大会で優勝することこそがその使命への第一歩なのです!
絶対に引きません!」
オリヘルガの忠告を断固として拒否しアローネはオリヘルガへと羽衣を構える。まだ闘志は折れてはいない。
オリヘルガ「………ハァ………、
なんだかなぁ………このままなぶり続けても俺が悪者みてぇじゃねぇか。
………………しょうがねぇな。
ほどほどのところで気絶しとけよ。
治療術で時間稼ぎしてもこの力の差はどうにもならねぁからな。」
オリヘルガは再度アローネへの攻撃を開始した。
旧王都セレンシーアイン 客席
カオス「アローネ………だから俺が言ったのに………!」
ウインドラ「…この試合はもうアローネの勝機は無いも同然だ。
だと言うのにアローネはまだやるつもりなのか………。」
タレス「どうにかオリヘルガが離れた隙に負傷は治癒していますがここからどうやってもアローネさんに巻き返すことは………。」
ミシガン「でっ、でもオリヘルガも結構疲れて来てるみたいだよ!?
どこかでオリヘルガに反撃出来ればまだ「馬鹿かお前?」!?」
レイディー「あいつの目標はこの大会での優勝だろ?
初戦の相手でこんだけ消耗して残りの三人に勝てるのか?
オリヘルガを倒したとして次はアインワルドの巫女やミーア族の男とそれからオーレッドのジジイまでいやがるんだ。
………ハッキリ言って無理だろ。
あいつが降参しないのは単なる意地だ。
ここまででオリヘルガの野郎は傷一つ負ってないってのにアローネの奴は術を避けられたり自分を回復したりでマナを殆ど使いきってる状態だ。
現にアローネはどんどん術を使う頻度が落ちてきている。
もうあいつは限界なんだよ………。」
ミシガン「そんな………アローネさん………。」
仲間達の目から見てもアローネがここから逆転するとは思えなかった。このまま続けてもアローネがいたぶられて試合が次の試合へと移行するだけだ。アローネに出来るのはオリヘルガの気力を削って後続の選手達を有利にすることだけ………………だがこの大会はあくまでも部族を代表した個人戦であってここで負けてしまえば何もかも終わりだ。アローネにとっては何のメリットもない。せめてマテオとの戦後にアローネ達カーラーン教会に積極的に協力してくれそうな部族に望みを託すしかないが………、
カオス「………コーネリアスさん。
こんな状況ですけど本当にアローネが優勝できると思ってるんですか?
オリヘルガを相手にアローネは全然刃が立ってないみたいですけど…………。」
カオスはコーネリアスにその真意を問う。試合が開始される直前にコーネリアスはアローネが優勝することは確実だと言っていた。それがこの状況でも意見は変わらないのかを確認する意味で。それに対してコーネリアスは、
コーネリアス「左様でございます。
この大会を考案したのはアローネ様が勝つことを前提にした大会です。
アローネ様以外の優勝は有り得ません。
………皆様はどうやらアローネ様が優勝すると信じられないようでございますね。」
カオス「だってアローネは試合が始まってからオリヘルガに一発も攻撃を当てられてないじゃないですか。
それでどうやってアローネが勝つなんて………。」
コーネリアス「…やれやれ………。
カオス様方のお瞳は雲っておられるようですね。
そんな瞳ではアローネ様の
一度お顔を洗ってきたらいかがですか?」
カオス「アローネの真の力………?」
コーネリアス「…ご静観なされていればいづれ分かりますよ。
小生がアローネ様に手解きしたのは強くなるための稽古などではありません。
小生が施したのは………、
真の力を解き放つための時間稼ぎなのですから。」
旧王都セレンシーアイン 闘技場
オリヘルガ「………けっ!
これが部族の威信がかかってなけりゃ俺が引いてやってもよかったんだがな。
弱い奴を殴り続けんのも心労がたたるぜ。
悪いがそろそろケリをつけさせてもらう。
この一発でお前は沈んどけや。」
オリヘルガは飛葉翻歩でアローネの背後に回り首筋に手刀を叩き込み意識を刈り取ろうとする。
アローネ「…!」
オリヘルガの気配を察知したアローネは前に出てオリヘルガの手刀を避けようとした。それによってオリヘルガの手刀は首には当たらなかったが変わりに背中へと直撃した。
パキィィィィィンッ!!
何かが割れるような音が響いた。
それはアローネが装備していたエルブンシンボルだった。
その瞬間………、
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッ!!!!!
凄まじい強風が闘技場を包み込んだ………。