テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

90 / 972
 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 魔力欠損症の少年ダニエルを救うために薬を調合してもらおうと薬局まで来た三人だったがそこで思わぬ壁に衝突してしまう。


目的を見失わないで

王都レサリナス 北東部 図書館 夕方

 

 

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はこれくらいにしとこうか…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナスホテル 夜

 

 

 

「………」ガチャ

 

スタスタスタ、

 

「………」ドサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 思ったより難しいんだな。

 

 

 

 こんなに学ぶことが多いなんて………。

 

 

 

 材料はある。

 

 

 

 それが本当に安全なのかが問題だ。

 

 

 

 ただそれだけ。

 

 

 

 それだけを調べるのにこんなに調べなきゃいけないことが多いなんて…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それもそうか。

 

 

 

 こんな初めての人が少しかじった程度で出来るなら絶対誰かが結果を出してる。

 

 

 

 そもそも医学に精通した人にすら辿り着いてない俺がその先にいけるなんて思い上がりもいいところだ。

 

 

 

 やっぱり俺には………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………いや、アローネが言っていたじゃないか。

 

 

 

 世界を救いたいと宣うのなら世界に流されるなって…。

 

 

 

 誰かが出来なかったからって俺が諦めるなんて………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけどそう言ってくれたアローネも今では………。

 

 

 

 俺は………どうしたらいい………。

 

 

 

 せめてタレスの言う治療方法を知っている人でも出てきてくれれば………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 東北部 図書館

 

 

 

「………じゃあ今日も勉強するか………。」

 

「………」

 

「………あの。」

 

「何?」

 

「………申し訳ないんですけどボクはこの方面ではお役に立てそうにありません。

 なのでボクは当初の予定通りカオスさんのこととバルツィエのことを探ってきていいですか?」

 

「…!」

 

「…そうか

 分かった。

 じゃあそっちを頼むよ。」

 

「はい。」スタスタ…

 

 

 

「タレス…。」

 

「仕方ないさ。

 もともとの目的を放っておいて俺が勝手にやることを増やしたのがいけなかったんだ。」

 

「いえ、私が「アローネ」」

 

 

 

「やめよう。

 今はアイオニトスをどうやって薬に調合できるかを調べよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナス 東北部 図書館 夕方 

 

 

 

「………」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カオス………」

 

「………」

 

「今からでも私が………

 ………なんでもありません。」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナスホテル 夜

 

 

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだまだ先は長いな。

 

 

 

 アイオニトスを薬にするにしても処方を間違って薬とは別の有害物質を精製しても困る。

 

 

 

 単純に材料を混ぜ合わさるだけじゃないんだな。

 

 

 

 薬は毒からも作られるというし、ここに来てからそんなこと初めて知ったよ。

 

 

 

 昔は村の本を読みまくって調べたこともあったけど、ここにある知識はそれ以上に奥が深い。

 

 

 

 それはもう奥が深すぎて手が届かないほどに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王都レサリナスホテル ロビー

 

 

 

「カオスさん、アローネさん。」

 

「ん?」

 

「どうしました?」

 

「これを見てください。

 先日のリプット鉱山での件が載ってますよ。」

 

「なになに………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【例の賞金首カオス=バルツィエ リプット鉱山に出現 王国管理の資源物資を盗掘 王都内に潜伏している可能性浮上】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりこうなったね。

 これで大々的に俺達のことが広まるわけか。」

 

「こうなってしまうと私達も動きにくくなりますね。」

 

「あぁ、まだ来てから何も目的を果たしてないからね。」

 

「これに関しては想定の内です。

 ………問題なのはこの文です。」

 

「「?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【南方のイクアダにてニコライト=ゼン・バルツィエを撃破!

 噂のアルバート=ディラン・バルツィエの息子説は濃厚か!?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………?

 噂の………息子?」

 

「まぁ………孫がいるくらいですからね。

 息子がいてもおかしくはないですけど………。」

 

「でもうちはどっちかって言うと父さんは婿養子だったと思うんだよなぁ。

 母さんはおじいちゃんの娘だった筈だし…。」

 

「それはこの記事を書いた広報部が適切な情報を掴んでないということです。

 そんなことよりも問題なのはこの部分です。」

 

 

 

【噂の】【息子説】

 

 

 

「………この文から推察するにカオスさんのことはこの手配書が出回りだしてからかなりの注目を浴びていたようです。

 今回のこの朝刊でも表紙を飾っていますし。後ろのページにも載っています。」ペラペラッ

 

 

 

【カオス=バルツィエ バルツィエの御家騒動】

 

【バルツィエの名を騙る少年 バルツィエを挑発か?】

 

【出生は最近騎士団が見付けた遠方の小さな村…】

 

【格地を回って王国重要拠点を襲撃】

 

【ダレイオス軍を率いて近々マテオ国土に侵略しに…】

 

【先日のオーギワン騒動も関連している可能性が…】

 

【北方の砦で大きな変化有り 国内に潜伏している多数のスパイが動き出す恐れが…】

 

 

 

【英雄アルバート=ディラン・バルツィエの後継者現るのか!?】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなに………たくさん………。」

 

「どれも日付は違いますがカオスのことを中心とした記事ばかりですね。」

 

「この王都では今この『バルツィエの名を騙る少年』という話題が持ち上がっているようです。

 それもあらゆる見識が飛び交うほどに。

 賞金首と悪いイメージはありますが名前と出生地からカオスさんには肯定的な意見と否定的な意見が別れています。

 この王都に革命を起こす勇者となるか、ただの賞金首として何も変えられずに捕まって終わるだけの犯罪者か。」

 

「肯定的な意見?

 どういうことですか?」

 

「勇者………。

 俺がそんな大層なものな訳ないだろう。」

 

「大衆の中にはそう思ってない人達がいるみたいです。

 このことからカオスさんは今この国で最も注目度の高い有名人と言えます。

 この国はレイディーさんが言っていたようにバルツィエが暴虐な振る舞いをしているようです。

 この間のラーゲッツのようなことが色々なところで起こっているようです。

 

 

 

 カオスさんは………ニコライトを倒したのもあってこの街の人からそんなバルツィエに反旗を翻す勇者だと思われているんですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「つまりはこの街の人達はカオスさんに対して特別視しているということです。

 それだけカオスさんのことを気にしているということはその分カオスさんの正体がバレやすいということですよ。」

 

「髪型が違うだけじゃダメなのか…。」

 

「大半の人は髪型だけで誤魔化せてきました。

 ですがそれもこの街程注目が集まってなかったからの話です。

 今回の朝刊で話題の謎のバルツィエがこの王都に潜伏しているとハッキリ載せられています。

 今までは手配書が出回る前に逃げ出していたのでボク達が居なくなった後の街がどうなっていたか分かりません。

 それが正に今一番この国で注目の的のこの都市ではどうなるか………。

 言わずとも分かりますね?

 

 

 

 この間のラーゲッツはともかくその後に来たバルツィエはタイミングからしてカオスさんとアローネさんを監視していた可能性があります。

 こんな朝刊が出回るのならそれも高い可能性で。

 想像しているよりも世間の目は目敏いですよ。

 ボク達にはボク達の目的があります。

 どこの誰とも知れない人の為に時間を使っている場合ではありませんよ?」

 

「そんな言い方……。」

 

「時間が掛かればかかるほど正体がバレる可能性も高くなります。

 ボク達は目的があってこの街に来た筈です。

 

 

 

 それなのにいつまでも他人のお節介を焼いてばかりで何をしてるんですかカオスさん達は!?」ドンッ!

 

「「!?」」

 

「甘いですよ!?

 お二人は…!

 救えない人なんてこの世には沢山いるんです!

 あの少年もその一人だったにすぎない…。

 解決方法が途絶えた以上もう諦めて次に進むべきなんです!

 ボク達には呑気に勉強なんてしている暇なんて無いんですよ!?

 お二人はもう少し危機感を持ってくださいよ!!」

 

「も、持っているさ…。

 こうして二人とも服装も変えて「それはサハーンのおかげですよね。」」

 

「二人は当事者の筈なのにどうしてそんなに御自分を後回しにするんですか!?

 カオスさんもアローネさんもここに来てからずっとダニエル君のことばかりで…!

 彼だって誰かに救われることなんて望んでいません!

 それなのに救おうとするなんて越権行為ですよ!」

 

「言い過ぎだぞ!タレス!

 越権行為だなんてそんなの気にしてたら誰がダニエル君に手を差し伸べられるんだ!?

 俺は目の前の困っている人を放っておくなんて出来ない!

 お前だって盗賊のしたっぱにひどい目にあわされてたじゃないか!?

 誰かを助けるのにそんな下らないことを持ち出すんじゃない!」

 

「カオスさん…カオスさんはそう言って全ての人を救っていくんですか!?

 カオスさんは人を救うことに必死過ぎませんか!?

 人を救うことはカオスさんの義務では無いんですよ!?

 英雄と呼ばれたおじいさんを気にしてそうしているのなら今すぐ辞めましょう!

 ボク達とおじいさんとでは立場が全然違います!」

 

「どうしてそこでおじいちゃんが出てくるんだ!?

 おじいちゃんは関係ないだろ!?」

 

「関係ありますよ!

 カオスさんはどうしてそこまで人のために何でもかんでも背負おうとするのですか!?

 何か聖人のようにでもなりたいものがあるのですか!?

 おじいさんのようにでもなりたいんじゃないですか!?」

 

「何だとコイツ!

 俺がいつおじいちゃんになりたいなんて言った!?」ガッ

 

「あんな何も見返りのない子供を救おうとするところがそうだと言っているんですよ!

 御自分の現状を考えてください!

 貴方達は賞金首なんですよ!?

 あのようなお金に困っていそうな人達からすればカオスさん達はまさに滑降の獲物です!

 お金に目が眩めば人が人を裏切ることだってあるんですよ!?」

 

「……!!」

 

「今は誰も信用しないでボク達はボク達の目的に専念すべきです!

 そうしなければいつまでたって先に進みませんよ!?」

 

「………」

 

「………ボクは引き続きバルツィエの動向と殺生石について調査します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お二人はそろそろ何をすべきか決断なさって下さい。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。