テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
旧王都セレンシーアイン 客席
ウインドラ「シーグスの奴は攻撃を仕掛けてこないな………。」
タレス「アローネさんは二回術を使いましたがシーグスさんは避けるだけで撃ち返してきませんね。」
ミシガン「あんなに離れた位置にいてもアローネさんに攻撃なんか出来ないよね………?」
客観的に見てもシーグスはアローネの力に怯えて逃げ回っているようにしか見えない。こうしている間にもアローネがシーグスに術を続けて撃ち込んではいるがそれら全てを避けるだけでアローネに攻撃しようとしない。
レイディー「…ありゃ恐らくアローネの消耗を待ってんだろうな。
見たところ戦う気が無いのに降参しないってことはあぁやって逃げまくってアローネのマナが切れるのを狙ってるんだ。」
カオス「!
じゃあアローネはこのまま術を当てられずに撃ち続けてたら………。」
レイディー「確実にマナが底を尽くだろうよ。」
カーヤ「でもそのことはアローネさんも分かってるんじゃ………?」
シーグスの狙いがアローネを疲弊させることならわざわざその作戦に付き合わずともシーグスのように何もせずにいれば御互い攻撃が交錯することはなくアローネはオリヘルガとラタトスクで消耗したマナを回復させる時間に当てられる。言ってしまえばシーグスの作戦は大穴の空いた作戦なのだ。時間が無制限である分アローネにとっては逆に有利な運びになる。
だというのにアローネは逃げるシーグスにひたすら攻撃を仕掛けていった。
旧王都セレンシーアイン 闘技場
アローネ「『エアスラスト』。」
シーグス「よっとぉ!」
闘技場の中ではアローネが術を撃ちそれをシーグスが避けるといった流れが続く。
シーグス「(………そろそろマナが尽きてくる頃だろうな。
後三、四回避けたら俺も仕掛けてみるか?
今ぐらいマナが無くなってくれば俺でもこいつを………!)「『エアスラスト』。」とあぶな!?」
ザザザザザザザザザザザザザザ!!!
一瞬考え事をしていたせいで軽く頬を風の刃が掠める。
シーグス「(………気のせいか………?
マナはもう大分減って術の威力が落ちてくる頃だってのに逆にだんだんと強まってきてないか………?
それに術の範囲も広く………。)」
アローネ「『エアスラスト』」
ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!!!!!
シーグス「!!?
やっぱり気のせいじゃ…………ぐぁぁ!?」ザスッ!!
今度は掠めるだけに留まらず右腕が切り裂かれた。激痛に悶えるシーグスであったが素早く術から逃れて次の攻撃がくるのを警戒する。
アローネ「………この力の使い方にも慣れてきました………。
今ならもっと………
パアアアアアアアアアアアア!!!
アローネの周囲に巨大な魔方陣が組上がる。
シーグス「なっ………!?
これだけ撃ってまだそんな力が残って………!?」
アローネがそれまで撃ち込んできていた術よりも強力な力を使おうとしているのを見てシーグスが慌てふためく。徐々に能力が向上してきていたエアスラストでさえも避けるのが困難であったのにその上位の力を使われてしまえばどうなるかはシーグスにも予想がついた。
シーグス「待っ、待った!!
待ってくれ!!
こっ、降参するから!!
俺の負け「『龍王随風、神魔を裁斬せよ。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
呪文を完成させ術が発動すると観客席を巻き込んで闘技場を覆う特大の竜巻が発生する。それはアローネがオリヘルガに義兄の形見であるエルブンシンボルを砕かれた際に巻き起こった竜巻そのものだった。
シーグス「うおおおあああああああああああ!!?
なっ、何なんだこの力はああああぁ!!?
こんなのどうやって避け…………!」
ミネルバ「シーグス!!?」
竜巻に飲まれたシーグスが遥か上空で何やら叫んでいる。下にいたミネルバがそのシーグスに向かって叫ぶが轟音のせいで彼に声が届くことはないだろう。
ミネルバ「しっ、審判!!
降参だ!
シーグスはもう戦えないよ!!
私達ミーアの負けでいいから早いところこの術を止めてくれよ!!」
不思議なことに闘技場を包み込む竜巻はシーグスにしか作用してないらしく他の者がシーグスのように空中へと投げ出されることはなかった。そのことにいち早く気付いたミネルバが闘技場の中へと入ってきてオサムロウに降参すると言ってきた。
オサムロウ「…だそうだぞアローネ。
シーグスを降ろしてやれ。」
アローネ「…分かりました。」スゥゥ…、
アローネからマナの光が消えると途端に竜巻も消え去る。そして竜巻によって浮かされていたシーグスは………、
シーグス「うおおおおおおぉぉぉ!!!?
急に竜巻を消さないでくれよおぉぉぉぉぉ!!!!」
まっ逆さまに落下してきた。
ミネルバ「シーグス!?
ちょっ、ちょいとあれどうするのさ!?
シーグスがこのままだと「『ウォールウィンド』」!」
地面に激突する寸前アローネが風のクッションを作りシーグスの体を浮かせる。
シーグス「おわっ!?
今度は何だ!?」
空中で落下の勢いが無くなり浮遊する自分に目を白黒させるシーグス。
アローネ「御無事でしたか?
ミネルバさんから降参すると申されていますが一応貴方からも降参するかどうか御伺いしたいのですが………。」
シーグス「あ………………はい………。
もう俺の負けでいいです………。」
アローネの力で空中に浮かぶシーグスはアローネの質問に素直に降伏するのだった………。