テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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オーレッドの卑怯な戦法

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………!」バッ!

 

 

 アローネは決勝開始と共に後退する。オーレッドの様子から彼が何か秘策を用意しているであろうことはアローネも検討がついた。なのでオーレッドの様子を見るべく距離を取って彼の出方を伺う。

 

 

 

 

 

 

オーレッド「ほほう………、

 どうした?

 前の試合のように撃ってはこんのか?」

 

 

アローネ「…その様な挑発には私は乗りません。

 私に術を使わせようとしているのが見え見えですよ。」

 

 

 試合が始まる前から何かを企んでいる様子のオーレッドに下手に攻撃するのは手痛い反撃を食らう恐れがある。そう考えたアローネは反対にオーレッドがどう動くか見てから迎撃することにする。

 

 

オーレッド「ファッファッファッ………。

 こんな老い耄れが随分と警戒されたもんじゃの。

 やれやれ………では………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 儂から先に参ろうかの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『アイシクル』。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パキィィンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………!

 ………これは………?」

 

 

 オーレッドがアローネに向けて氷系の攻撃魔術を撃ち込んでくる。しかしそれはアローネに直接は当たらずにアローネの周囲を取り囲むように氷が張られた。

 

 

オーレッド「どうじゃ?

 その氷はソナタをそこから出さぬために張った氷の檻じゃ。

 そう簡単にはそこからは出られぬぞ。」

 

 

アローネ「………こんな氷が何なのですか?

 このくらいの氷なら簡単に「それはできんのぉ。」!」ポイッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァァンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーレッドがアローネを囲む氷の中に何かを投げ込む。それはトリアナスでアローネにも見せたオールディバイトだった。

 

 

オーレッド「これで数分間今オールディバイトが割れた辺りから半径二百メートル以内では魔術による攻撃はできんぞ。

 ソナタはその氷を砕いて外に出ることはできんというわけじゃ。」

 

 

アローネ「………………どうやらそのようですね。

 ですがそれだと貴方も術で私を攻撃することはできないのではないですか?

 それなら私はオールディバイトの効果時間が途切れるまでこの氷の中で待つだけです。」

 

 

 オールディバイトが使われたことでアローネとオーレッドの両方が術の使用を制限されてしまう。それはつまりアローネだけでなくオーレッドまでも攻撃する手段がないということだ。見たところオーレッドは鞄を所持しておりその中には大量のオールディバイトが入っているのが分かる。その他には武器らしい武器なども持ち合わせてはいなかった。

 

 

オーレッド「儂にはこのオールディバイトさえあれば十分じゃ。

 このオールディバイトが儂にとっては武器にもなる上に盾にもなるんじゃよ。」

 

 

アローネ「………?

 オールディバイトが武器と盾に………?」

 

 

オーレッド「さて御嬢さんや。

 知っておるかな?

 この闘技場はその昔大会の参加者と捕獲したモンスターとの決闘も行われておったんじゃ。

 モンスターは体も大きいから闘技場もそれに合わせて広く作ったんじゃ。

 おおよその端から端までの長さが四百メートルはある。」

 

 

アローネ「それが何ですか?

 直径四百メートルということはこの闘技場ではオールディバイトは………………!?」

 

 

 そこでアローネはオーレッドが何をしようとしているのかを理解した。

 

 

オーレッド「直径が四百メートルの闘技場と半径二百メートルに効果を発揮するオールディバイト………。

 言葉通りに捉えれば今このフィールドで魔術を使うことはできんよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それはソナタが闘技場の中央に立っておったらの話じゃがの。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「………!」

 

 

 オーレッドの怪しげな雰囲気に気圧されてアローネは決勝開始直後に後退した。それでなくとも決勝の開始時点の位置ですらやや中央からはずれた位置だった。

 

 

ザッ………ザッ………、

 

 

 オーレッドはゆっくりとアローネに背向けて真反対の方へと歩いていく。

 

 

オーレッド「こうも上手く儂の作戦通りに動いてくれるとはのぅ。

 やはり最後にものをいうのは人が神より授かりし知恵こそが人にとっての最大の強みということじゃ。

 

 

 どんなに体が大きくともどんなに強大な力を持とうともそれに奢ってしまえば崩すのは容易い。

 儂等エルフはこれまでの歴史で自分達よりも力を持つ生き物達を数多く倒してきた。

 それは数による力でも優れた武器によるものでもない。

 

 

 

 

 

 

 それは学ぶ力あったからこそじゃ。」ザッ…、

 

 

 オーレッドが足を止める。オーレッドが位置する場所は闘技場の客席の最前列の真下だった。

 

 

オーレッド「ここでなら問題なく術を撃つことができるな。

 あとはここから御嬢さんの檻の上に()()()()()()()()()()()()

 御嬢さんはそこから出られずに儂の攻撃を受け続けねばならん。

 

 

 どうじゃ?

 実質詰んでおるが今なら怪我もせんで終わりにすることができるぞ?

 素直に敗けを認めよ。」

 

 

 勝ちを確信したオーレッドがアローネに試合を放棄するかどうか訊いてくる。こうも完璧に術中にはまってしまえばアローネにはどうすることもできない。前の三つの試合は力押しで勝てたがオーレッドはその力を封じてしまった。アローネには氷の檻を破壊するような腕力も武器もない。羽衣もオールディバイトによってマナを封じられてはただの布切れにしか過ぎずアローネの肩に被せられた状態のままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アローネ「…何を既に勝った気になられておられるのですか。

 私はこれしきのことで負けたりはしません。

 ここからでも私は形勢逆転して見せます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーレッド「…物分かりが悪い御嬢さんじゃ。

 前の試合を見た限りでは御嬢さんにはもう何も出来ることはないじゃろ。

 威勢や志しだけでは乗り越えられん山があることも知るべきじゃ。

 根性だけでは儂等ダレイオスは誰もついては来ぬぞ。

 ()()()()()()()()()()()()()じゃ。

 この状況を理解できぬソナタに王の器があるとは思えんな………。

 

 

 ………仕方あるまい。

 少しは現実を直視させてやらねばな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『フリーズランサー』。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫くの間オーレッドの氷の槍がアローネの檻の中へと撃ち込まれていった。アローネはそれを避けたりするが全てを避けきれずにボロボロになっていった………。

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