テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
旧王都セレンシーアイン 客席
ウインドラ「………今の見てたか………?」
ミシガン「うん………けど何で………。」
タレス「アローネさんの術でカオスさんが………。」
客席で見ていたウインドラ達も今の出来事に衝撃を受けていた。
レイディー「…何がどうなってやがる………。
いくらあのアローネが爆発的に魔力が高まったって言ってもありゃ魔術での攻撃だったろ。
それが何であの坊やの体に傷を着けることが出来るんだ………。」
タレス「………」
これまでカオスと共に旅をしてきてカオスが魔術による攻撃で傷を負ったことはなかった。カオスの体は精霊マクスウェルに守られて攻撃系の魔術であればどの系統のものであっても無効化できていたはずだ。
それが今しがたアローネが撃った魔術に関しては無効化されていなかったように見えた。
ミシガン「………何か風に乗って瓦礫片でも当たって斬ったとか………?」
ウインドラ「…それだとカオスの体にその瓦礫片が残るだろう。」
タレス「特にそんな瓦礫が飛んでいたようには見えませんでした………。
ボクの目にはアローネさんの術がカオスさんに命中して直接斬ったようにしか………。」
レイディー「………」
カオスの傷の原因を究明しようにも今起こった出来事はアローネが風の術でカオスを攻撃しカオスがそれで負傷したという答えしか導き出せなかった。周りにいた部族達からも同様の声が上がっていた。
「なっ、なぁ……?
あの人って魔術が通じないんじゃなかったか?」
「前にここに来たときもそんなこと言ってたような………。」
「ローダーンで確かあいつに火の術使っても綺麗に術を消されてた記憶があるんだがあいつ風の術は効くのか?」
「他の奴等から聞いた話だとあの人が無効化できるのは全属性だって話だったけど……。」
「何で今あいつ攻撃食らったんだよ?」
「…自分で斬ったとか?」
「はぁ?
自分で斬った?」
「やっぱりヤらせだったってことだろ?
本気で仲間同士で傷付けあうわけないよな。
俺達にあのアローネって女がいかにも自分を攻撃して傷を負わされたように見せたんだろ。
風の術が当たる寸前に自分で自分の体を斬って出血したんだ。
それならあんなふうになってもおかしくないだろ。」
「あの男が自分で自分を斬ったようには見えなかったが………。」
「だったら血糊とかでも服の中に用意してたんじゃないか?
それだったら別に自分で自分の体を斬る必要もないしあの女に血糊を斬り裂かせればいいだけの話だろ。」
「あぁ………それなら納得するな。
やっぱヤらせだったのか。」
カオスの傷が本当に負ったものなのか信じられない他の部族達は各々で勝手に理由をつけて不正をしていると決めつけていく。そのせいでクリティアに続きブルカーン達までもが不正と見なす旗を上げていった。現在クリティアとブルカーンが旗を上げスラート、ミーア、フリンク、アインワルドがカオス達にまだ旗を上げていない状況だ。彼等からしてもこの事態がうまく解釈できずに旗を上げるべきかどうか迷っているようだ。
コーネリアス「フフフ………これが
………あの力がいつか
旧王都セレンシーアイン 地下シャイド
ポタ………………ポタ………………、
カオス「………何で俺から血が………。
どうしてこんな………。」
アローネ「…何故カオスが負傷を………?」
カオスとアローネの二人も何が起こったのか状況をのみ込めずに動けないでいた。こうしている間にもクリティア、ブルカーンと不正と判断する旗が上げられていく。時間だけが過ぎればアローネの敗北が決まってしまう。
コーネリアス「何を呆けておられるのですかアローネ様。
今が攻め時です。
カオス・アローネ「「!」」
コーネリアスの一声で二人は我にかえる。今は試合中であることを思い出した。
オサムロウ「………コーネリアスの言う通りだ。
時間制限は無いが何もしなければアローネは負けてしまうぞ。
それでいいのか?」
アローネ「………」
タタッ!
アローネが急に走りだしカオスへと近付いていく。そして接触する瞬間にカオスに例の羽衣の剣で斬りかかる。カオスは反射的にスラートから試合前に渡されていた剣でそれを受け止める。
ギィィィンッ!!!
アローネ「………カオス………、
一応確認しますが貴方は今何か御自身の力を封じるような魔道具でもお使いになられているのではありませんよね?」
つばぜり合いになってからアローネがカオスに質問してきた。
カオス「!
…別にそんなのは使ってないけどレイディーさんからフリーズリングでも借りて装備してたらよかったかな………。
そうしたらアローネにもっと簡単に勝たせてあげ「ふざけないでください!」!」ギィィィンッ!!
カオスの返答に激昂したアローネが剣を思いきり振り抜きカオスを弾き飛ばす。
アローネ「………私が貴方に勝負を申し込んだのはそんな小細工など無しに貴方と本気の勝負をするためです。
私に気を使って勝ちを譲られてもそんな勝利には何の勝ちもありません。
カオス=バルツィエ!!
私と本気で勝負をしなさい!!」
アローネはカオスに怒声を飛ばしカオスの本気を引き出そうとする。カオスはそれでもアローネの命令に従うべきかどうか悩んでいた。
カオス「…でも俺はアローネと戦うなんて………。」
アローネ「………このままではいつまで経っても貴方は私と本気で戦おうとはしてくれないみたいですね………。
………こうなっては私も手段を選んではいられません………。
オサムロウさん!」
体はカオスに向けたままアローネがオサムロウを呼ぶ。
オサムロウ「?
………どうした?」
アローネ「既に試合が始まっている中で申し訳ありませんが一部ルールの変更をお願いします。」
オサムロウ「ルールの変更………?」
オーレッド「何を言うておるんじゃ!
今更ルールの変更なぞ認めるわけないじゃろうが!!」
アローネの声はオーレッドにも聞こえてたようでアローネの意見を聞き入れようとしない。しかしそれでもアローネは言葉を続けた。
アローネ「…この試合での勝敗についてですが相手を気絶させた方が勝利というルールに付け加えて相手を気絶
オサムロウ「気絶及び………………、
………絶命………?」
カオス「!?
アローネ………!?」
アローネが提示した新たなルールはカオスが予想だにしなかったものだった。
アローネ「………こうでもしないと貴方は私と本気で勝負をお受けにならないではないですか………。
………カオス………私は本気ですよ。
私は本気で貴方の命を奪う覚悟があります。
貴方も私に殺されたくなければ私を殺すつもりでかかってきてください。
そうでなければ貴方は貴方の人生がここで終わることになります。」