テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオス「魔神剣・双牙!!」「シュタイフェ・ブリーゼ!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
二つのエネルギーが衝突を繰り返す。その度に爆散したエネルギーが周囲へと飛び散り建物や壁を壊していく。
「うわああああ!!?」「こっ、こっちに来たぞ!!?」「逃げろおおおおおおおお!!!」「ぐあああああああぁぁぁぁッ!!」
カオスとアローネの周囲への影響を省みない激しい攻防の余波を受けて客席にいる者や足場が崩れて二人の戦う舞台に落ちてきた者達から悲鳴が上がる。
クララ「なんて激しい戦いでしょう……。
こんな死闘を見るのは初めてです。」
ビズリー「クララ様!
そんなことを仰っている場合ですか!
こんな危険な場所からは一刻も早く避難すべきです!
ここもいつ彼等の攻撃が飛んでくるか………。」
客席が全て崩壊するのは時間の問題だった。カオスとアローネの大技と大技のぶつかり合いは拮抗し勝負の決着は見えない。長期化すればするほど周りへの被害は拡大していくだろう。
ミネルバ「私達も避難するよ!
こんな戦いをこんな近くでなんて見てられないよ!
シーグス!
皆を順番にここから避難させて!」
シーグス「おっ、おう!
そうだな!
俺もこんなところからはさっさと逃げ出したいぜ!」
オーレッド「まっ、待て!?
この試合はどうなるんじゃ!?
あやつ等試合に関係のない者達までも巻き添えにしておるのじゃぞ!?
こんな試合は無効じゃろ!?
無効になればあの小娘の大王の資格も剥奪じゃよな!?
そうじゃろう!?」
ファルバン「残念だがそんな決まりは無い。
ここでの決闘に観客まで被害が及ぶ試合など過去に例が無くそんな決まりは想定していないのだ。
決闘とは常に互いに全力を尽くして戦うもの。
あの二人はその決まりに則って戦っているだけだ。
故に二人の戦いに誰が巻き込まれようともこの試合には影響しない。」
オーレッド「なんじゃと!?」
ファルバン「それでもどうしてもこの試合を止めたくば直接二人のところへ行って二人を止めてきたらどうだ?
ソナタにあそこへと飛び込む勇気があればの話だがな。」
オーレッド「………ッ!」
闘技場の下、地下シャイドでは最早人が立っていられるような安全な場所は存在しない。二人が放つエネルギーが乱れすぎて激流のような旋風が巻き起こっている。
ファルバン「………さて、
ハーベンよ。
ソナタならあの暴走する力の奔流を掻き分けてオサムロウのところまで向かえるな?
そろそろオサムロウもあそこから脱出させねばならん。
行ってくれるか?」
ハーベン「はい、
師匠を彼等の戦いで失うわけにはいきませんからね。
行ってきます。」
ファルバンに指示されたハーベンが闘技場の中へと飛び降りる。そしてオサムロウのところまで行きそのままオサムロウと二人でシャイドから引き上げていく。
ファルバン「では我々もここから避難するとするか。
オーレッドよ。
ソナタはどうする?」
オーレッド「………」
ファルバン「………余は始めからこうなるのでないかと懸念していた。
あのアローネ女史の力はカオス氏の力に引けをとらぬ力があるのを感じ取っていたからだ。
ここまで見ての通り彼女は
そうでなければ彼から与えられた力で彼の力を越えるような力を放つことなどあり得んからな。
彼等は共に全力で死闘を行っている。
ソナタ等が臨んだ決闘だが最後まで見物していくか?」
オーレッド「………ッハッ!?
こっ、こんな危険なところにいられるか!
儂等クリティアもここから待避させてもらう!!
おい!
早くここから離れるぞ!
直ぐにだ!」
アインワルド、ミーアに続いてクリティアも闘技場から出ていく。大勢がいっせいに駆け出したのとカオス達の戦闘の激しさもあって客席は大きく傾いてきていた。
ファルバン「……ここも相当ガタがきておるか。
それなりに強度も考えて作られておるはずなんだがやはり立て直さないと使い物にはならないな………。」
ナトル「貴方はここから待避なされないので?
ファルバン殿。」
ファルバン「そういうソナタも………他のフリンクは避難させておるようだな。」
客席で見ていた六つの部族がいなくなり客席に残ったのはファルバンとナトルの二人とウインドラ達とこれから上がってくるであろう落下した者達だけである。
ナトル「私は………フリンクの責任者として彼等の戦いの行く末を見守らなくてはならない。
誰かが彼等の決闘がどう決着するかをしっかりと見届けなくてはまたこのような試合を開いてもそれの繰り返しになるでしょう。
ですから私はここで彼等の戦いを最後まで見ていることにしますよ。」
ファルバン「…そうだな………。
それなら余も同席するとしようか。
スラートとフリンクの代表二人がいれば他の者達が危険をおかしてまで見物することもないであろう。
この試合は余とソナタで最後の瞬間まで見届けることにしようか。」
オサムロウ「!
何をしている!
ファルバン!」
丁度その時下からオサムロウとハーベンが駆け上がってきた。
ハーベン「下に落ちた者達は全員避難を終えました!
父上………族長方も一刻も早くここから避難しましょう!」
ファルバン「そうか………、
ではソナタ等も直ぐにここを離れるがいい。
余とナトルはここに残ることにする。」
オサムロウ「何………?」
ハーベン「族長………それはどういう………?」
ファルバン「当然であろう?
余とナトルはまだ彼等の試合が決着するのを見ておらんのだ。
余とナトルはまだ
この試合は彼等が決着をつけるか観客達全ての者が旗を上げなければ終わりはしないのだ。」
ナトル「私から見ても彼等は真剣に勝負に臨んでいます。
この試合はまだ終わってはいない。
私とファルバン殿が旗を上げるのはもっと先のことになりそうですね。」
オサムロウ「………」
ハーベン「そんなことを仰っている場合ではないでしょう?
あれを見てください。
今にも彼等の力がここまで届きそうだというのに呑気なことを「お前は逃げろハーベン。」………師匠?」
オサムロウ「長い付き合いだからな。
ファルバンが一度こう言い出したら梃子でも動きはしないだろう。
それなら我がここに残ってカオス達の攻撃が飛び火してきたらファルバン達を守る。
それなら文句はないだろう。」
ファルバン「理解が早くて助かる。
流石余の親友だな。」
ファルバンとナトルが残ると言い出しオサムロウまでもがそれに便乗する。
ナトル「別に御心配なさらずともよいですのに。
私達はただ義務を果たしているだけなんですよ?」
オサムロウ「フッ…、
それなら我にもその義務があるだろう。
この大会中審判を務めていたのは我だ。
審判が不在で試合の結果など報告できたものではないからな。」
ハーベン「………でしたら私も残ります。
師匠だけでは父上とナトル殿二人を同時に守るのは負担が大きすぎるでしょう。
ナトル殿の護衛は私に任せてください師匠。」
オサムロウ「ハーベンお前は………。」
ハーベン「師匠だけにいい格好はさせませんよ。
私もここに残って彼等の試合を見守ります。」
ファルバン「フフ…、
では余の警護はお前に任せるとしようハーベン。
今世紀最大の