テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
ピシ………ピシシ………!!
一度に多くの魔術を多用しカオスの体は外からは見えないが服の中では左半身が石化が進んでいた。
カオス「(…もう後数回くらいしか魔術は使えないだろうな………。
回復に当てたとしてもアローネは倒せない………。
数回の内に決めないと俺がアローネにやられるだろうけど半端な術じゃアローネに防がれる………。
………もう
アローネ「打ち止めですか?
それならそろそろ勝負に決着をつけようと思います。
私達の勝負でダレイオスが滅びても仕方ありませんので。」
パアアアア!!!!
アローネが周囲のマナを吸収し始める。マナの量から見てまたあのサイクロンだろう。それでカオスに止めを刺す気でいるのだ。
カオスはアローネに倒されるにしろ体の限界で達するにしろアローネには敗北する。それならどちらがよりアローネに勝機があるかは明白だ。
カオスは最後の最期で悪足掻きに出ることにした。
カオス「アローネ。」
アローネ「!
………………何でしょう?」
カオス「………正直君がここまでやるだなんて思ってもみなかった。
君は俺の………………、
………
アローネ「!」
カオス「僕は僕が持つ力こそがこの世界で一番強い力だと思っていた。
それがこうも君に全部押し返されるとは思ってもみなかった。
僕が力を使う度に僕の力は誰かを殺す、それが当たり前だと思っていた。
君の力は僕の中にいる精霊の力なんかよりもずっと上だ。
僕は僕以上の力を持つ相手に会ったことがなかった。
………だから………、
君になら僕の全力が出せる。
僕の全力で君を倒して見せるよ。
星をも砕く精霊の力を君になら全力で撃てる。
受け止める覚悟はあるかい?」
パアアアアアアアアアアアア!!!!!
今までとは比べ物にならない程のマナをカオスはその身に集めていく。残り数回撃てる魔術を次の一撃に全てを込めることにしたのだ。
ピシシ!!………ピシピシピシ!!!
アローネ「!
………その体は………!?」
ここでカオスの体の異常にアローネが気付く。術を発動させるためにマナを収束させただけでカオスの体は石化が首元にまで上がってきた。
カオス「君を倒すならこれくらいしないとね………。
僕がここまで全力を出せるのは君みたいな僕以上の力を持った人が相手だからだ。
………最初は君のことを人のこと言えないけど世間知らずなどこかのお嬢様くらいにしか思ってなかった。
僕のことを盗賊呼ばわりするし戦闘でもろくに動けないのにいやにに前に出たがるしなんというか
弱いくせに他人のために誰かを守ろうとしようとしたりして危なっかしくて見ていられなかった。
よく自分とは関係のない人のためにあれだけ一生懸命になれるよね………。
俺にはそれが理解できなかった。」
アローネ「………リトビア辺りのことですね。」
カオス「うん………。
あの頃は僕とアローネは御互いのことを知らずにギクシャクしてたよね………。
僕は自分のことや自分が嫌いって言いながらも自分の力以外を認めてはいなかったんだ。
それをこの間のアローネとのことで今更だけど思い知ったよ。」
アローネ「貴方から僕だなんて久し振りにお聞きしましたね………。
貴方は会った時から他人に嫌われないようにいい人を演じ続けてきました。
それがカストルでのレイディーの一件で少しは私達に心を開いてきたのだと思いましたが貴方の心はまだまだ分厚い氷を張ったままでした。」
カオス「僕が魔術を使いたくなかったのは本当は魔術を使って誰かが傷つくとかじゃなくて
アローネ「ダレイオスに渡ってからの貴方は魔術を使うかどうかで悩んでいましたね。
魔術を使っても嫌われる、
魔術を使えなくても嫌われる………。
そんな思い込みに捕らわれて一人で苦しんでおられましたね………。」
カオス「………うん………、
ダインの助けが無ければ僕はずっと前に進めないままだった。
ダインや待っててくれた皆のおかげで僕は魔術を使えるようになったんだ………。」
アローネ「………ですがその後から貴方はずっと孤独を感じ続けていたのではないですか………?
貴方が魔術を使えるようになれば必然的に貴方の力は皆と比べて一人だけ桁外れに大きかった。
カオスが時折一人になりたがるは貴方が皆を本当に心の底から受け入れてはいなかったからではないですか?」
カオス「………そうだね………。
これまでの旅で僕は強い人や強いモンスター達には出会ってきたけどどれも僕が戦い方を変えるだけで簡単にそれらを越えることが出来た。
全ては精霊の力のおかげだけど僕は僕より本当に強い相手に出会うことがなかった。
僕の中の精霊マクスウェルはこの星すら破壊できるほどの強い力を持った精霊だったからね。
そりゃ当然だよ………。」
アローネ「そういえばあの時アルターで貴方は家族が欲しいようなことを仰っておりましたがそれは少し違うのではありませんか………?
貴方が欲しかったのは家族ではなく………、
最強の力を持った貴方の境遇を真に理解できるのは貴方と同じ力を持つ人か貴方と対等に戦えるような存在………。
そういった方が現れるのを貴方は待ち望んでいたのではないですか?」
カオス「…まさかアローネがここまでの力を持っていたことには驚いたけどね。
もしこの戦いで僕が負けたら君は名実ともにこの世界で最強の力を持つエルフになるわけだ。
僕としては僕以上の怪物が現れてくれたことが本当に嬉しいよ。」
アローネ「怪物ですか………。
貴方にそう言われてしまう程に私が強くなったとは思えませんが………。」
カオス「何言ってるんだよ。
十分怪物じゃないか。
この力は今まで誰にも破られたことなんてなかったのにすごい簡単に撃ち返したりして………。
………本当に君と決着をつけなきゃいけないことが残念だよ………。」
本心からそう思うカオス。やっと自分と同じぐらいの力を持つ人物に出会えたというのにカオスはアローネと戦わねばならないのだ。
アローネ「…私も試合の途中で投げ出すようなことはしたくはありません。
ここまで………こんな胸が熱くなるような勝負を半端なところで終わらせたくないです。
貴方の全力で放つ魔術を私は全力で吹き払ってみせます。
手加減などせず思う存分撃ってきてください。
私が貴方の全てを受け止めますから。」
パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
二人の纏う光が強くなる。両者から次に放たれる一撃が最後の攻撃となるだろう。これでいよいよこの戦いの勝者が決まる………。