テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
アローネ「申し訳ありませんがこの戦いに水を指しても無駄ですよ。
私とカオスはもう止まりません。
レイディー達も早くこの場から離れてください。
巻き込まないという保証は出来ませんので………。」
カオス「次に撃つ魔術………それが本当に最後だから………。
もう止められないんだよ。
この決闘は………。」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
二人の術の影響を受けて天候の流れが変わる。カオスの頭上には真っ黒な雲が立ち上ぼりアローネの周囲には強風が吹き続ける。今までにない最大の一撃がここで衝突する。
レイディー「………チッ!
おいお前等。
とっととここから離れるぞ。」
ウインドラ「!
しかしカオス達が………!」
ミシガン「二人を止めなくていいのレイディー!?」
タレス「このままじゃどちらか死人が出てしまいますよ!?」
レイディー「説得しても二人は聞きやしねぇよ。
アタシ達に出来ることはこいつらの喧嘩が決着するのを見届けることだ。
もう行くとこまで行かせてやれ。
それでどっちかが死んでもそれはこいつらが選んだ道だ。
アタシ達はそれを受け入れるしかねぇ。」
レイディーが背を向けて去っていくと他の皆も渋々といった感じでその場から離れていく。
アローネ「…やっと決着がつけられそうですね。」
カオス「うん………、
そうだね………。」
アローネ「………カオスは覚えていますか?
カストルで私が貴方に言ったことを………。」
カオス「カストルで………?
………カストルじゃ色んなことがあったから何のことか………。」
アローネ「私が貴方のことを義兄のように思っていたと伝えたことです。」
カオス「………あぁ、
そのことなら覚えてるよ。」
アローネ「貴方と過ごしたこの約一年………、
やはり私から見ても貴方はサタン義兄様に似ています。
カオスを義兄の代わりとして見ないようにはしてきましたが義兄様とカオスとでは類似点が多すぎて中々そうしないようにするのが難しかったです。」
カオス「…そんなに似てるのかな………。
僕なんかと多くの人を救ってきたお義兄さんが似ているだなんて………。」
アローネ「似ていますよ。
それどころか考え方や出生までが何から何まで似ています。
義兄様もカオスのようにずっと孤独を感じておられたようですから。」
カオス「義兄さんが?」
アローネの話ではサタンはハーフエルフに生まれウルゴスの奴隷として働かされカタスの兄弟で医学に通ずるグレアムの紹介でアローネ達家族と出会ったと聞く。孤独という点では同じようだがそれ以外に共通点があるのだろうか。
アローネ「サタン義兄様はいつも一人でした………。
奴隷としての仕事がない時は時折誰もいないところに行っては一人言を言ったり誰かと一緒にいるのを避けようとしたりしていました。
私達クラウディア家に迎えられるまでは誰のことも信用せずまた誰も近付けないようにしていました。
誰も彼のことを理解することが出来なかったから………。」
カオス「………」
アローネ「義兄様も一人でいることの方が楽だと感じていたのでしょう。
誰からも理解されなかった彼はあまり誰かに御自分の力をお見せするようなこともありませんでした。
知識から医術、武術、剣術といった数々の秀でた部分を持ちながらも彼は人と接するのを嫌った。
彼は
私達クラウディア家も最初の頃は彼のそんな行動を静観していました………。
ですが姉アルキメデスはそんな彼に積極的に近付き彼の固く閉ざした心を優しく解きほぐしていった。
そして彼が本当は一人でいることを寂しく感じていたことを知りました。
誰も寄せ付けなかった彼が本当は誰かの救いを求めていたことをそこで聞けたのです。
………貴方と義兄様はまったく同じとは言いませんがそこはかとなく似たような境遇だと思いませんか?」
カオス「………そうかもしれないね。
僕も自分が辛いって時誰かに側にいてほしいとは思ったことがあったけどそれを誰かに相談とかしたり出来なかった………。
僕は皆とは違う………。
皆は僕とは違う………。
そんなふうに考えて誰にも自分の気持ちを伝えられなかった。
………君は凄いよねアローネ。
一年前までは君も一人だったのに君はあんな環境にいながらも前向きでウルゴスの手掛かりを探していた。
僕だったら一人じゃ何も出来なかったのに………。
アローネ「私は………カオスやタレスがいましたから………。
私は貴方に出会った時から自分が一人だなんて思っていませんでしたし。」
カオス「僕やタレスを信用してくれてたんだね………。
けど僕はあの時はまだ君達のことはそんな対象には見れてなかった。
まだあの頃の僕は君達と一緒にいながらも自分が一人だと思ってた。
一緒にはいたけど僕には君達のように目的なんて何もなかったから………。
ただなんとなく一人になるのが嫌だったから君達についていってただけなんだ。」
アローネ「人の心とは複雑なものですよね。
自分がどうしたいか、どうなりたいかという形は心の中にしっかりとあるのにそれとは正反対の行動をとろうとしてしまう。
………カオスは一人になりたいのですか?
それとも誰かの隣にいたいのですか?」
カオス「………僕は………………。」
アローネの問いにカオスは黙る。カオスの中でその答えを正直に人に打ち明けるだけの勇気が彼にはなかった。
アローネ「正直に話してくださっていいのですよ。
ここには私以外には誰もいないのですから。
私は決して貴方の願いを笑ったりはしません。
貴方の出す答えは私は素直に受け止めます。」
カオス「………僕は………………、
………僕は一人になんかなりたくない………。
誰かと一緒にいたい………。
今までこんなこと恥ずかしくて言えなかったけど僕は誰かに甘えてみたかったんだ………。
けど僕みたいな………ミストでも異端だった僕は誰にもそんなこと出来なかった……。
ずっと寂しかったんだ。」
カオスは思いの丈をぶちまけた。強すぎる力を持つが故にカオスは誰にもすがることをしてこなかった。
アローネ「………本当に貴方は彼と同じ悩みを抱えておられたようですね。
では私が貴方のその悩みを解消してみせます。
……