テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオスは誰よりも強かった。その強さの根幹は精霊によるものだが今となっては精霊の力は自分だけのものだ。それを誰かに分け与えることはできても全て委ねることは出来ない。そうした能力があるからこそ人はカオスの元に集まる。そしてカオスから人は遠く離れていく。人のために何かをすればするほどカオスは人々の中で神格化が進み誰もカオスを人としては扱わなくなっていく。誰も敵うことのない力がカオスをどんどん人ではない何かに変えていく。カオスはそれがたまらないくらいに嫌だった。
いつかこの力を超越する力を持つ者でも現れない限りカオスは永遠に人には戻れないと信じ混んでいた。
「カオス。」
カオス「………!」
自身の名を呼ぶ声でカオスは目を覚ます。…が体が思うように動かせない。かろうじて上半身と腕は動き体を起こすと下半身は石化したままだった。
アローネ「まだ安静にしていてください。
少しずつですが石化が解けていっているようなのでもうしばらくは動かない方がいいかと。」
カオス「………僕は生きてるの………?」
アローネ「えぇ、
ちゃんと生きておられますよ。
石化はどうやら一時的なもののようでカオスの体力が戻り次第完治することでしょう。」
カオス「………そうか………。
………ねぇ………アローネ………。」
アローネ「はい、
何でしょう?」
カオス「………僕は………負けた………んだよね………?」
アローネ「…あれからまだそんなに時間は経ってはいませんが私とカオスの術が止んだことでファルバンさんやナトルさんが私達の様子を見に来ました。
それでカオスがもう戦闘続行は不可能だということを他の方々に伝えに行きました。」
カオス「………それじゃあ………やっぱり………。」
アローネ「………私と貴方の勝負は私の勝ちで決着となりました。
これでダレイオス大王位決定戦は終わりです。
私は正式にダレイオスの大王となることが叶いました。
カオスが私と本気で戦ってくれたおかげで………。」
カオス「………そう………。」
ツー………、
カオスの頬から涙が溢れた。
アローネ「…どうしてカオスは泣いているのでしょう?」
カオス「………どうしてだろうね。
なんか自然と涙が溢れてきたよ。
アローネに負けて悔しいからかな。」
アローネ「悔しいと言うことは私には負けたくなかったということですか?」
カオス「本気を出したのに負けたからだよ。
本気の本気で僕はアローネを倒すつもりでいた。
それなのにこんな体になってまであんな大技を出したのにそれでも負けた。
………負けるって悔しいものだったんだね。
もう十年以上もこんな本気になって負けたことなんてなかったから忘れてたよ。」
アローネ「決闘には勝敗がつきものです。
決して勝利だけではありません。
時には敗北を味わうことだってあります。
貴方には精霊の力がありますがそれは絶対的な力ではなかったということですよ。」
カオス「………アローネって何者なの?
どうして君に精霊を越えるようなそんな力が………。」
アローネ「…私にも分かりません。
何故私にこれほどの力があるのか………。
私は数先年から数万年もしくはそれ以上の時間あの棺の中で過ごしていたとしか………。」
コーネリアス「それがウルゴスの民の力です。」
カオス「!」
アローネ「コーネリアスさん。」
二人で話をしていたらコーネリアスがやって来る。
コーネリアス「ウルゴスの民アローネ様は術式アブソリュートによって永き時を越えてこの時代にやって参りました。
そうして時代を幾つかの時代を越えていく内にアローネ様や主カタスティア様のマナは変化と成長を繰り返してこの時代の平均的なマナを大きく逸した存在へと進化したのです。」
アローネ「!
カタスにも私のような力があるのですか!?」
コーネリアス「はい、
とは言っても進化には個人差があるようでしてアローネ様ほどの力は主にはないようですが………。」
カオス「カタスさんにもアローネみたいな力が………。
………それも精霊王の力でも刃が立たないような強い力が………。」
コーネリアス「もしこの時代に他にもアローネ様や主のようなウルゴスの民が目覚めることとなると世界の情勢は大きく動くことでしょう。
アローネ様御一人でもカオス様を倒してしまうほどの力………。
あと数人でもアブソリュートから目覚めればどうなることやら………。」
カオス「!
………もしかしてバルツィエがウルゴスを目の敵にしてるのは………。」
アローネ「そういった背景があったからなのですか……?
私や………ウルゴスの民がこの時代で目覚めると世界のパワーバランスが急激に傾いてしまう。
バルツィエがトップではいられなくてなってしまうからだからフェデールはレサリナスでウルゴスが敵だと………。」
コーネリアス「そこについての考察は小生も存じ上げない部分ではありますが恐らくはそうかと………。
バルツィエがマテオを牛耳って二百年………。
長期に渡って世界を支配してきたバルツィエが突然現れたウルゴスの民に敗戦を喫することとなれば彼等はその椅子からは引き摺り下ろされてしまう………。
バルツィエが怖れるのも無理はないのでしょう。
アローネ様の………ウルゴスは力でも技術でもこの時代よりも遥か先を行く者達なのですから………。」