テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
カオスは魔力欠損症の治療法が見つけられず謝罪しにいこうと孤児院に向かうがそこで偶然にも昔の友人ウインドラと再会する。
落ち込み気味のカオスはウインドラに出会って気持ちが昂るもその直後ウインドラから非情な仕打ちを…。
王都レサリナス 南南東部 貧民街奥地 カオスサイド
「なっ!?
ウインドラ!
何を言って…!?」
ナニッ!?ウワサノショウキンクビ!?
マジダゾ!?テハイショトオナジカオダ!?
オウトニイルッテハナシダッタガコンナトコロニキテヤガッタノカ!
キシモイルゾ!
キシナンゾニトラレタラセッカクノタイキンヲエルチャンスガキエチマウ!
アノキシヨリモサキニツカマエロ!
オレガサキダー!
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
「ほら、早く逃げないとあの賞金稼ぎ達に捕まってしまうぞ?
ここら一帯はああいう奴等の根城なんだよ。」
「ウインドラ………
何でこんなことを…。」
「最初に言ったろ?
お前は大人しく引き込もっていればよかったんだって。」
「ウインドラ…。
そんなに俺のことを憎んでいたんだね。」タタタッ
「そのまま地の果てにでも消えてくれ。」
王都レサリナス 南西部 商店街 裏路地
「………」
イタカ!?
コッチニハイネェゾ!
ナンダナンノサワギダ?
シラネェノカ?キョウヒンミンガイデレイノカオス=バルツィエガアラワレタンダッテヨ!
エェ!?アノバルツィエノハグレモンガカ!?
ソウ!ツイサッキオイカケテタラコッチニニゲテッタンダ!
ホントカ!?コッチデハミカケナカッタゾ!?
オレアッチノホウサガシニイクゼ!
ジャアオレハコッチノホウナ!
ミツケタラスグニシラセナ!ツヨイッテハナシダカラカコンデフクロダタキニスルンダ!
オオオーーーーー!!!
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
「(不味いことになったな………。
俺が安易にウインドラに付いていったから………。
輪ゴムは拾ったけどさっきのやつらには服装までバレている。
アローネもタレスもいないこんなときに………。)」
ウインドラ………。
こんなことをするくらい俺のことを………。
「………急いで二人を見つけてこの街から出ないと………。」
王都レサリナス 北西部 貴族街 ???
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ………
「(………なんとか人目を避けてこの住宅地のどこかの家の塀の中まで来たけどこの辺りも騒がしくなってきた。
暫く動けそうにもないな。
二人は無事だといいけど………。)」
オイマダミツカラネェノカ!?
ニゲアシノハヤイヤツダナ!
アッチノホウハシラベタノカ?
イヤマダダ!
オシイクゾ!
「(ヤバイ………!?
こうなったら!)」
「五月蝿いぞ!
ゴラァ!!!」バァンッ!!
「(あれは………この間の……!?)」
「オイ!
人んちの敷地内に入って何バカ騒ぎしてんだ!!?
殺すぞ!!」
ヒッ、ヒィ…オレタチハタダコノフキンニカオス=バルツィエガデタカラオッテタダケデ…。
ソ、ソウデスヨ、ベツニワザトハイッタワケジャア…。
「言い訳なんざ聞かねぇなぁ!
俺の安眠妨害は断じて許さねぇ!!
蜂の巣にでもなってろ!!」ヂャキン!
ウ、ウワ!?ウソダロ!?
ニゲローーーー!!
「千裂浄破ァ!!」ササササササササッ!!
ウォアァァァァァァァァ………!!!
「消えろ!」バフゥゥゥウン!!
「おやおやラーゲッツ様、少々加減をしてほしいですな。
隣の家の敷地まで被害を受けているではありませんか。」
「ハハッわりぃな!セバスチャン。
あんまり五月蝿い蚊がいたもんで思わず焼いちまったぜ!」
「今度からは私が叩きますよ。
後の始末は私がやっておくのでラーゲッツ様はお戻りください。」
「…いや、俺も出掛けてくるわ。
何か蚊共が極上の血を見付けたらしいな。
俺の舌に合うか味見してくるぜ。
セバスチャン、他の奴等にも伝えといてくれよ。」
「はて、何と?」
「カオス=バルツィエが出たんだとさ!」
「ほう…。
畏まりました。」
「………」
あのラーゲッツって男。
レイディーさんが言っていたバルツィエだけあってかなりの強さだ。
こうして遠くから見てただけでも分かる。
練度もマナもニコライトとは比べ物にならないくらい上だ。
あのニコライトが可愛く見えてくるな。
あの連続突き一つ一つにニコライトの昂龍礫破並の威力がありそうだ。
あんなの食らったら俺も一撃でやられるだろう。
だけどニコライトより強そうなのに
仮にあの男が襲ってくると想像してみてもあまり恐怖心が湧いてこない。
………性格的に小物臭がするからかな。
ってかここ、バルツィエの屋敷だったのか。
とにかくここに騒ぎが収まるまで隠れとくしかない。
アローネもタレスもどうか無事でいてくれ…。
王都レサリナス 北西部 貴族街 夜
「………(ようやくこの辺りも落ち着いてきたな。
今のうちに二人を探しにいかないと…。)」
王都レサリナス 南西部 孤児院 夜
「(ホテルに行ってみたら人が沢山いたから思わずこっちの方に来てみたけどまさかここにはいないよな…。)」
「………」
どうしてこうも悪い方向にばっかりいくんだろうな。
俺はただウインドラと話がしたかっただけなのに………。
今はそんなことを考えていても仕方がない。
早くアローネとタレスがいるか確認しないと。
『見付けたぞ!!
一千万の賞金首カオス=バルツィエ!!』
「」ビクッ
………
ウインドラ………
駄目だ、またウインドラのことを考えてる。
どうしてもウインドラのことが頭から離れない。
ウインドラに言われたあの言葉がどうしても甦ってくる。
『大人しくあの村に引き込もっていればよかったものを………。
何故王都まで来たんだ。
カオス。』
『お前のことは忘れたくても忘れられないくらいだったんだけどな。』
『お前が殺生石を無力化したせいでミストはあんな被害を受けたんだぞ?
そのお前が………父さん達を殺したお前が俺に人徳でも説こうってのか!?』
『能天気なお前にはピッタシだな。』
「…」
ポタッ、………ポタッ、ポタッポタポタッタポタポァァァァァァァァァァ………
「………」
『そのまま地の果てにでも消えてくれ。』
ここで…ウインドラに会ったんだったな。
「どうしてこうも………
俺は不幸なんだろうな…。」