テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~ 作:モニカルビリッジ
王都レサリナスの教会で二人目のウルゴス出身者と出会った三人はウルゴスがどうなったかを聞くことになる。
その最中にタレスがウルゴスに一つの疑問を抱くが…。
王都レサリナス 東北部 カーラーン教会
「………にわかには信じがたいですが貴女達が嘘をついているようには見えませんね。
アインスの存在………、
信じることにします。」
「突拍子もなくこんな話をされても信じられないのも無理はないわ。
貴方が先程抱いた疑問だけどダレイオスに関してはマテオに作戦が漏洩するのを妨害するために歴史の何処かで文字を大きく変えたタイミングがあったわ。」
「星の記憶か………。
まるで星が生きているみたいだな。」
「まさしくその通りだと思うわよ。」
「はい?」
「この星は生きているの。
私達エルフが生きているように、このデリス=カーラーンも生きている。
私達は一つの大きな生命体の中で生きているようなものなのよ。」
「…そういった話も義兄から聞いたことありますね。」
「そうだったわねこの説ももとは貴方のお義兄さんから聞かされたことだったわね。」
「サタン義兄様は………
今どうしているのでしょうか?」
「私にもそれは分からないわ。
ウルゴスで開発したタイムカプセル『アブソリュート』は永い時によって地中でバラバラになってしまったから私や貴女がこうしてこの時代の同じ場所で目覚めることができたのは奇跡のようなものだもの。」
「それって………!?
どういうことですかカタスさん!
ってことはウルゴスの人達はまだこの地面の何処かにいるってことですか!?」
「そうなるわね。
アブソリュートは頑丈に出来ているから中の人達は安全なのだけど見付けてあげないことには何時までも地中で眠ったままなのよね…。」
「「!!?」」
「私自身もこのマテオ建国の際偶然見付けてもらってそれからこの国に仕え続けているわ。
幸いにも私はウルゴスの本を多く所持していたからね。
それを頼って今の仕事を続けられているわ。」
「ではカタスさんとアローネ以外にはウルゴスの人は見付かっていないんですか!?」
「今のところは確定しているのは私とアローネだけね。」
「じゃあ早く探してあげないと!」
「カオスさん、どこを探すと言うのですか?」
「どこをって………
どこにいるんでしょうか?」
「………せっかちさんね。
それは私にも分からないのよ。
ウルゴスの民がどうなってしまったかは。
私達のように眠りから覚めて何処かで生きているか、まだ地中で眠り続けているかもしくは最悪のパターンに陥ったか………。」
「それって………。」
「この時代に来るまでに地殻変動は何度か起こっているの。
想定していたアブソリュートの耐久度を越えたところまで埋まってしまっているか、火山の噴火に捲き込まれたりしているか、………ないと信じたいけど地中までヴェノムが追ってきて感染してしまったか。
今の段階では想像することしか出来ないのよ。
私やアローネのように誰かに掘り起こしてもらうしか見つけられる方法はないわ。」
「ということはあの日アローネが棺………
今にして思えばあれがアブソリュートだったんですね。
あれで運ばれていたのは誘拐されていたんじゃなくて…。」
「私を見付け出してくれていた方々だったのですね…。」
「………ごめん、
あの時俺がもっと早くに駆けつけていればあの人達は助かっていたかもしれないのに…。」
「カオスが謝るようなことではありませんよ。
私がすぐに目覚めていればその方々も………。」
「私もその方々に謝罪と感謝がつきませんね。
アローネを見付け出していただいたのに…。」
「これからどうしますか?」
「どうって…。」
「アローネさんの目的地ウルゴスはカタス教皇の話によればもう存在しない。
カオスさんは殺生石を調べるどころではありませんよ。」
「タレスは………どうしたい?」
「ボクは………
一刻も早くこの王都から出るべきだと思います。」
王都レサリナス 北部 王城前 朝 タレスサイド
「………」
どうしてカオスさん達はあそこまで見ず知らずの子供のために頑張れるんだろう。
治療方法が無いと分かった時点で助けられる訳がないと分かっているのに………。
それをムキになって助けようとするなんてどう考えても無駄としか思えない。
助けられるのならとっくに誰かが助けている。
あの少年も元貴族ならそれなりに伝ぐらい持ってただろうに。
それが無いと言うことは治療出来ないということか、もしくは………
ボクのように孤独なんだろう。
「ねぇ、君。」
「!
……!?」
「今どこに向かっているの?」
「(コイツは…!!)」
「やぁ、最近よく会うね。
誰かを探しているんじゃないのかい?」
「(近頃何度も見掛けるバルツィエの男………。
ここで接触してきたってことはやはり監視されていたか…!)いいえ、別に…。」
「フフッ…、隠さなくてもいいよ。
君が探している男は………ブラムって言うんじゃないのかい?」
「(ブラム…?
何処かで聞いたような…。)」
「あいつも慎重な奴だねぇ。
連絡役にこんな小さな子供を使うとは………。
それも当然か。
手配書の男と一緒にいるところでも見られたら大事だからね。」
「………何を言っているのか全く理解できませんが?」
「…直球に聞いてやろうか?
いつ騎士団に合流するんだ?」
「(騎士団に合流?)」
「お前達の考えに何も気付かない筈がないだろう?
反逆者の浅知恵なんて当に見抜いているんだよ。」
「(反逆者?
浅知恵?
コイツはさっきから何を言っているんだ?
誰かと勘違いしていないか?)」
「…子供にしては躾られているね。
必要なこと以外は喋る気はないってことかい?
………だけど口を割らせることなんて簡単に出来るんだよ?」スチャッ
「!?
(クソッ!
この勘違い野郎!
街中でも御構い無しなのか!?)」チャキッ
「俺を相手に武器を構えるところは減点だなぁ。
この場合は背中を向けて俺から逃げることが正解なんだよ坊や?」
ガヤガヤガヤガヤガヤ………
ダダダダダダダダダダッ………
「?
何だ、偉く騒がしいな?
何事だ?」
「…!」
「カオス=バルツィエが現れたぞォォーーー!!」
「「!!?」」
「(カオスさん!?)」
「………どうやら相方がヘマをやらかしたようだね。
ククッ………勝手に自爆でもしたか?」
「…!」
「フェデールッ!!」
「!」
「(!?
フェデール!?
ということはコイツはナタムの………!!)」
「何だラーゲッツ。
今取り込み中だ。
消えろ。」
「今ここらにあのカオスがいるようだぞ?
探しだしてぶっ殺すんじゃねぇのかよ。
こんなところで何油売ってやがる。
テメーもさっさと働け!
このウスノロ!!」
「………ハァ。」
「何溜め息ついてん………」グラッ…ドサッ
「取り込み中だと言ってるだろ?」
「(!?
今!?
何をした!?
いつのまにアイツの後ろに!?)」
「………たく、
ん?
あぁ、今のは飛葉翻歩って言ってね。
高速で滑り込む技なんだ。
初めて見たかい?」
「(今のが飛葉翻歩………!?
カオスさんの飛葉翻歩とは別のものじゃないのか!?
全く………………見えなかった!?)」
「さて、続きを聞こうか?」
「(コイツには………勝てない!)」
「何か言うことはないのかい?」
「貴方は………。」
「ん?」
「………貴方はダレイオスの、ナタムの村を攻撃したあのバルツィエなんですか?」
「………へぇ、
あながちダレイオスの犬というのも間違いじゃないんだな。」スチャッ
「?」
「邪魔が入って興が削がれた。
君達は………このまま野放しの方が面白そうだ。
その様子だとブラムとは関係なさそうだしね。
今日のところは帰るとするよ。」
「………」
「君も相方を探した方がいいよ?
このままだと捕まるぜ?」スッ
「……」ダッ!
何だあれは?
あれがバルツィエ?
あれが………?
バルツィエが強いのは知っていた。
とてつもない魔力で破壊し尽くす悪魔のような奴等だと。
魔術にまかせて遠くから破壊砲を撃つような連中だと………。
認識が甘かった!
アイツらは………魔術だけじゃない!
接近戦も化物染みている!!
ニコライトはともかく他のバルツィエなら油断させて近付き不意をつけるかと思ってた。
子供のボクでも殺すチャンスがあると思ってた。
あんなの無理だ!
あんなの不意を突くとかいう話じゃない!
殺す殺せないとかでもない!
殺されるか、気分で見逃されるかだ!
それなりに強いあの二人をバルツィエにぶつけて復讐してもらおうと考えていたけど………。
あんな怪物勝てる訳がない!!
戦っても死ぬだけだ!
それどころじゃない!
あのフェデールはボク達を監視していた!
何か勘違いしてボクを見張っていたようだけど、今アイツはカオスさん達がどこにいるか把握していない!
なら………、
逃げ出すチャンスは今しかない!