テイルズオブフィナーレ ~未来を形作るRPG~   作:モニカルビリッジ

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 青年カオスはアローネ、タレスと共に旅をしている。

 王都で二人目のウルゴスの人物、カーラーン教会の教皇カタスティアと出逢った三人はウルゴスの消滅を聞かされ、今後どのように動くかを検討する。

 タレスは一刻も早く王都を去ることを進言するが…。


教会の庇護下へ

王都レサリナス 東北部 カーラーン教会

 

 

 

「今日の昼頃、カオスさんが街の人達に追われている間にボクは………この間のバルツィエに会いました。」

 

「この間の………?

 ラーゲッツか!?

 また因縁付けてきたのか!?」

 

「いえ………

 その後に来たフェデールという男です。」

 

「フェデール?

 あのラーゲッツを止めた人か。」

 

「あの男は………異常です。

 とても人とは思えない強さでした。

 奴は………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それって騎士団長フェデールのことかしら?」

 

 

 

「騎士団長?」

 

 

 

「このマテオの騎士団で一番上の位に立つ人よ。

 フェデールなら異常と言われても納得ね。

 彼は歴代のバルツィエでもアルバートやアレックスに匹敵する程の強さを持つと言われているくらいだから。」

 

「おじいちゃんに!?」

 

「アレックスが玉座に座ってからはバルツィエのまとめ役を担っていて彼自身も侯爵の称号を持っているから政治方面にも口出しできるの。

 アレックスへの忠義心も高く懐刀として戦場にも赴いていて数年ほど前のダレイオス侵攻作戦では街を一つ壊滅させて来たとも聞いてるわ。

 策略と惨殺を得意とし狙われたら厄介よ。

 彼の恐ろしいところは彼が直接担う暗殺の任務遂行率が彼が騎士に就任してから未だに百パーセントから落ちたことがないところなの。」

 

「そんな奴と会ってきたのか!?

 タレス!

 何かされなかったのか!?

 怪我とかは…!?」

 

「怪我とかはありませんがフェデールはボク達のことを知っていました。

 今からでもこの王都から逃げ出した方がいいですよ。

 そうしないと殺されてしまいます!」

 

「………何があったの?」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………という具合にその場は凌ぎました。

 ………いえ、逃がされました。」

 

「目で追えない程のスピードの飛葉翻歩………。」

 

「カオスよりも素早かったのですか?」

 

「…視界にいた筈のフェデールが音もなくラーゲッツの背後をとって気絶させました。

 王都に着くまでの数日、カオスさんの飛葉翻歩は何度も見させてもらいました。

 そのおかげでボクも飛葉翻歩の動きを目で追い掛けるくらいにはなりました。

 ………けどアイツの………、

 フェデールのそれはカオスさんの技術とは一線を画するもので、

 もしアイツの気まぐれでまた襲いかかってきたら…

 ボク達は一撃を入れるどころか戦いに敗れたことも気付かずに殺されてしまうかも………。」

 

「………随分と怖い目にあったみたいだね。」

 

「フェデール騎士団長はバルツィエの中では温厚な方だけど敵は容赦なく切り捨てる人ですから…。

 対峙したのならそれは相当なプレッシャーだったのでしょう。」

 

「プレッシャー………

 そんな一言では言い表せない何かを感じました………。

 あれは………。」

 

「………もし出会ってもなんとか、話し合いとかで修められたりは…。」

 

「それはよした方がいいでしょうね。

 あくまでも温厚と言ってもカテゴリーは『バルツィエの中では』なの。

 彼が出張ってきた時点で惨いことになることは確実よ。」

 

「………」

 

「カオスさん、

 あれは敵として出会ってはならないものです。

 今ボク達は奴のマークから外れている筈です。

 今のうちにここを出ましょう!

 この街はボク達にとって最悪に危険なんです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは難しいわね。」

 

 

 

「「「!」」」

 

 

 

「………ということはやはり…?」

 

「はい、私タレス君を探して街を走り回ってたんですけど今王都の入口は昼間の騒ぎで騎士団だけじゃなく賞金稼ぎや一般の人達も目を光らせていますよ。

 いくら手配書とは髪型を変えたりしてても今の状況でにどこかで誰かに気付かれますよ。

 皆普段より人の顔を観察していますから。」

 

「………逃亡は不可能か。」

 

「………既に退路が絶たれているのですね。」

 

「悪い、タレス。

 俺がウインドラに会ったばかりに………。」

 

「ウインドラ…?

 会ったのですか?」

 

「あぁ、実は…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「ウインドラがまさかあんなことをするなんて思わなくて…

 二人には重々迷惑をかけて…

 ごめん。」

 

「ウインドラさんは何故そんなことを…?」

 

「アイツは………俺のことを恨んでいるから…。」

 

「………それだけですか?」

 

「え?」

 

「直前の会話を聞く限り単に恨みだけでこんな事態を招いたとは思えません。

 何かカオスさんを遠ざけたい訳があったんじゃないですか?」

 

「そんなこと………。

 ………!」

 

「街の人達がカオスさんを追い掛け始めるまではカオスさんを街から追い出そうとしていたんですよね

 ………今となってはこんな街はさっさと出たいんですけど…。」

 

「そうだけど…。

 俺が鬱陶しい以外には思い付くことなんて…。」

 

「というよりウインドラさんは何をしていたんですか?」

 

「何って………

 隊長のダリントンさんを探していて………!

 そうだ!

 アイツ、ダリントンって人を探していた!」

 

「ダリントン?

 レイディーさんが仰っていた人のことですか?

 確か騎士団に所属していたと聞きましたがどうしたのでしょうか…?」

 

 

 

「ダリントンは数日前から行方不明なのよ。」

 

 

 

「ダリントンさんが行方不明?」

 

「………ちゃん」ボソッ

 

「この王都ではよく人がいなくなってしまうの。

 大半がバルツィエに反抗的な人達だからバルツィエが誘拐して粛清しているんじゃないかって噂なのよ。

 ダリントンも表面上はバルツィエに従ってはいたけど今度ダレイオスに特攻することを命じられていてね。

 何度も抗論を重ねていたみたいなのよ。

 そんな作戦は無意味だってね。

 けどバルツィエはその作戦を推し進めて終いには部隊全員最前線に張らせるつもりでいるそうよ。

 それも少数でね。」

 

「そんなの!

 死ににいくようなものじゃないですか!?」

 

「そうね。

 それが目的なのかもね。」

 

「死ぬのが目的?」

 

「バルツィエは………騎士団を完全にバルツィエとバルツィエの息のかかった集団だけにしたいみたい。

 そのためにはダリントンは………過去の栄光を持つダリントン達は邪魔だから………。」

 

「過去の栄光………

 バスターズって言うヤツですよね?」

 

「そう、バスターズのアレックスを抜いたらダリントンは最後の一人だからなんとしても消したいようね。」

 

「最後の一人………?

 後もう一人ヒューストンって人がいたんじゃあ………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ヒューストンはずっと前にその命令がきて亡くなっているわ。」

 

「…!」

 

「特攻を命じたのは現王にしてかつての友アレックス。

 彼がフェデール団長の作戦を推し進めたみたいでそれでヒューストンは………。」

 

「友達を死地に行かせることを許可したんですか!?」

 

「そうなるわね。

 ………アルバートがいなくなってからアレックスは人が変わったようになってしまって…。」

 

「………そんなこと絶対に考えられない。

 友達を危ないところに行かせるなんて………。」

 

 

 

「ウインドラさんはどうなんですか?」

 

 

 

「!」

 

「カオスさんを曝すようなことをして下手したらバルツィエに見つかって殺されてたかもしれないんですよ?」

 

「………」

 

「そんなの友達なんて呼べますか?」

 

「ウインドラは…

 俺のせいだから………。」

 

「………ここまで来たら後はこの街からどうやって脱出するかだけを考えましょう。

 ウインドラさんが何をしたかったのか不明ですがこの事態を招いた以上は敵として認識しておきます。」

 

「………そうだな。」

 

「………カオス…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方達は暫くはここにいなさい。」

 

 

 

「「「!」」」

 

 

 

「この教会にいれば安全だから騒ぎが修まるまではここにいなさい。

 この中にいてさえしてくれたら私も騎士団から貴方達を守れるわ。」

 

「よろしいのですかカタス?」

 

「他ならぬアローネのためですもの。

 アローネをここまで導いてくれた恩人をわざわざ危ない所へ放り出すなんてできないわ。」

 

「そうなるとカタス様も俺達の共犯になってしまうんじゃあ…。」

 

「そういう細かいことは気にしなくていいのよ。

 私だって考えがあっての提案なのよ。」

 

「何か考えがあるんですか!?」

 

「まだ確約は出来ないけどね。

 今出ていくよりかは安全だと思うわ。」

 

「アローネさんはともかくボク達はバルツィエから狙われているんですよ?

 そんなのを匿ってるなんて知られたらいくら教会のトップでもただでは済まされないと思いますよ…?」

 

「それなら知られなければいいのよ。

 教会へは騎士団関係者は入れないようにしたりなんかして。」

 

「できるんですか!?

 そんなことが…!?」

 

「出来るに決まっているじゃない。

 私はここでは一番上なのだから。」

 

「こうなるとカタスは止められませんよ。

 ここはお言葉に甘えるとしましょう。」

 

「アローネがそう言うんだったら…。

 ………いつまでいるかは分かりませんがよろしくお願いします。」

 

 

 

「任せなさい。

 貴方達を絶対に悪いようにはさせないから。」

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