ドラゴンボール○   作:ターバン

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 大昔に魔界へ移住したサイヤ人の血は別の形に変えて生き残っていた。それが鬼の一族だ。
 そしてガナッシュは超サイヤ人3と同等の変身したぞ。
 未だに超サイヤ人2のベジータはどう立ち向かう!?


其之十一 「引き下がるか! ベジータ意地の奮戦!!」

 大空の雲がうねり、海が騒ぎ出す、大地が震え上がる、地球の天候がたった一人の男によって蠢いている。

 吹き付けてくる烈風を前にベジータは見開き、トランクスは涙ぐむ。

 瓦礫の影でポロッツとシャッツが恐怖に青ざめていた。

「これが……最終鬼神だ!! わが鬼の一族の完成された力を見よ!」

 ガナッシュはそう言い放ち、充実した気が解き放たれ轟音と共に嵐が全身から吹き荒れた。

 そして大地を走る電撃。

「くっ!!!」

 ベジータは恐怖を振り払い、前屈みにガナッシュへと全力疾走する。

 音速を超え、その後を大地が抉れていく。

「うおおおおおっ!!!」

 刈り取るような蹴りが狙い違わず首を直撃。しかしガナッシュは動じない。

 焦燥のままに両拳で繰り出す弾幕で全身を激しく穿つ。

 その影響で足元の大地が抉れ、衝撃波が周囲に吹き荒れた。岩飛礫が飛び交い四散する。

「はあっ!!!」

 渾身の力を込めた拳で頬にめり込ませた。

 途端にガナッシュの後方から大地が剥離して破片が弾け飛ぶ。

 地鳴りが続く最中、電撃を纏う二人はそのまま硬直する。

 

「流石はサイヤ人の王子か。恐怖に負けず立ち向かうとは大した奴だ。結構効いたぞ」

 

 ベジータの拳を軽く払いのけ、賞賛を口にする。その口元から一筋の血が垂れた。

 落ち着いたのか冷静な表情を見せるベジータ。

 バックステップし適度な間合いを取った後、宙に浮きながら左右から掌を挟みこむ。

 バチバチッ!! 激しくスパークが全身を走り、それが膨れ上がっていく。

 掌の間に収束されるプラズマの塊。

 圧縮された気が暴れまわり、抑えつけてくる掌を震わせる。

 脅威さえ感じさせるベジータの必殺技の構えにガナッシュは突っ立ったままだ。

 

「ファイナルフラーッシュ!!!」

 

 叫びと共に一直線と突き刺すような光線が撃ち出された。

 あまりの速度と超威力で大地を裂き、ガナッシュへと距離をあっという間に縮めた。

 それに見開くガナッシュ。

「があぁっ!!!」

 怒号の一喝。左腕でそれを弾き飛ばし、軌道を少しずらした。

 そのまま光線は通り過ぎありとあらゆるものを貫き通し、空の彼方へと飛び去った。

 ベジータは愕然と目をおっぴろげる。

「……この腕は使い物にならんな」

 いとも容易く言ってのける。だがセリフの通り腕は血塗れでぶら下がっていた。

 血が滴り落ち地面を塗らしていく。

「くそったれ――――――!!!」

 やけっぱちかベジータは全身からオーラを噴出し、弾丸の如く飛び出す。

 ガナッシュは隆起させた胸元の筋肉で拳を受け止めた。

 マントが破け、露わになる鎧。大きく「封」と書かれているのが目に入った。

「うおおおおおおおおっ!!!」

 構わずベジータは拳の弾幕を浴びせかける。

 が、ガナッシュは彼の懐へ潜り込み拳の一撃を脇に深々と突き刺す。嫌な音を立てて肋骨が砕ける。

 

「がふっ!!」

 血を吐き出し、脇腹を押さえたまま地を転がる。

 ごほっごほっと酷い咳き込みが続き、その度に血が地面に広がっていく。

 トランクスはそれを目の辺りに顔面蒼白で茫然自失。

 蹲るベジータにガナッシュは歩み寄ると、思いっきり天高く蹴り上げた。轟音と共に大地が剥離し破片と共にベジータは舞い上がる。

 地面に身を打ちつけ「ぐあ……」と苦しそうに呻く。

 それでもサイヤ人の王子としての誇りの為に満身創痍の体に鞭を打って立ち上がる。

 しかし足元がおぼつかずよろめく。

 悠々と歩きながら近づいてくるガナッシュをベジータは苦悶の表情で睨みつけた。

(やはり……力の差は歴然か。悔しいが覆せそうにないな。仕方がない!!)

 再び全身からオーラを噴き上げそれに伴って電撃が勢いづく。そして両手を天に向かってかざした。

 その様子にガナッシュは眉を跳ねるが、それでも歩みは止めない。

 

(カカロットを倒す為に編み出した最強の技。力の差さえも覆すその威力を貴様に喰らわしてやる!!)

 

 震撼が更に激しさを増し、舞い散った破片が粉々と砕け散っていく。

 空を覆うほどの光の渦が大気に顕著化され、光り輝く台風が広範囲に吹き荒れた。それは全てベジータのかざしている掌へと収束されていく。

 ギギギギ、と耳障りな音を立てて台風規模のオーラ量を両手の間へと超圧縮させていく。

 軋むような音が広がりベジータの足元がクレーター状に陥没する。尚も陥没は続いた。

(な……なんだ!? この超高密度のエネルギー球は!!!)

 流石のガナッシュも寒気を感じ、うろたえ始める。

 ベジータはそれを見納め不敵に笑う。

 脇腹がこれでもかと言わんばかりにズキズキと激痛を呼ぶ。しかしベジータは気力で堪えきる。

 そして完成されたのか、流れるような螺旋状のエネルギーの波動が両手の上で滞っていた。

 

「これが……最大最強の必殺技"ギャラクシィ・ストーム"だ!!! 受けてみろ――――ッ!!!」

 

 ガナッシュは見開き、忍び寄る死の気配に体が竦む。




 次回で炸裂するか!? ベジータの新必殺技!!
 力の差さえも覆しそうな雰囲気の技。一体どれほどの破壊力が!!?
 これでカカロットを越える可能性を示唆する結果になるのか――――ッ!!

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