ニセコイ〜小野寺に恋する少年〜   作:冬の桜餅

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2話目!読んでいただきありがとうございます!ではどうぞ‼︎


2.サガシモノ

桐崎さんの右ストレート事件はクラスに衝撃を与えたが、桐崎さんが美人のおかげかクラスの人気はそう落ちなかった。彼女を気にかける男子やこの時期になぜ転校してきたのか?など会話で彼女の話題が出ることも珍しくなかった。

 

そして桐崎さんが転校してから数日後、ちょうど楽と桐崎さんが放課後二人で何かしてるとの噂が俺の耳にも入るようになってきたある日。その日掃除当番だった俺はゴミ捨て帰りに茂みで何かを探す小野寺に出会った。

 

「そんな所で何やってんだ小野寺?…服が汚れるぞ、ガーデニングなら家でやろうぜ」

 

「あ、立川君。どうして此処に?…て、いうか別にガーデニングはやってないよ!」

 

小野寺が俺に気付いて聞いてくる。ゴミ捨ての帰りだと答えるとああそっか!と納得してくれた。

 

「実は、一条君の探し物を手伝ってるの」

少し照れくさそうに答える小野寺、可愛い。

 

「楽の?…本当に優しいな〜小野寺は。

アイツが勝手に無くしたんなら、態々手伝わなくてもいいだろ。小野寺だっていい迷惑だろ?」

 

「そんな事ないよ!////それに、一条君は私の…………た、大切な友達だから////」

 

え、何その私と友達の間の妙な間は!?超怖いんですけど、明らかに何か別のワードが入りそうなんですけど!?彼氏か?彼氏なのか??

 

「そっか……、よし!じゃあ俺も手伝うよ。いや、手伝わせてくれ」

 

心を落ち着かせて、意気込んでそう言った。大丈夫だ、小野寺はまだ誰とも付き合ってない筈だ。

 

「ええ!?で、でも迷惑なんじゃ….?」

 

「そんな事無いさ。探し物は一人でも多い方が見つかりやすいだろ。それで探し物って何なんだ?」

 

「それもそうだね…じゃあお願いするね!ええっと…探し物っていうのはペンダントなんだけどこういう錠の付いた…」

 

小野寺は指を動かして形を教えてくれた。大分特徴的な形をしているらしい…何で楽はそんなもの持ってんだ?

 

「オーケー、じゃあそこら辺から探してみるわ。見つけたら知らせるよ」

 

「うん、私も見つけたら教えるね」

 

その場を離れ暫く探したが、ペンダントは見つからなかった。

その後小野寺と合流した。

 

「こっちには無かったな、小野寺は?」

 

「私の方も無かった…此処じゃ無かったのかもね」

 

「そうらしい…時間も時間だし、そろそろ帰らなきゃな。明日も探すのか?」

 

「そうしたいけど…私も色々あるから…時間が空いたら手伝うつもり」

 

小野寺は少し申し訳なさそうだった。そう気にすること無いだろうに…

 

「それ位が丁度良いよ、小野寺が無理する事無いさ」

 

そう言って今日はお開きになった。出来れば一緒に帰りたかったが宮本さんを待たせてるらしいので諦めた。

 

そしてその日から数日経過したがまだペンダントは見つかっていない。楽と桐崎さんも時折喧嘩を挟みつつも一緒に探してる様だった。

また手伝おうか歩いていると駆け足気味の小野寺と遭遇した。

 

「よう、小野寺。奇遇だね〜、今日もペンダント探し?」

 

「うん、今日は委員も早く終わったから….「ふざけんな!てめーの過失でもあんだろーが‼︎」え?」

 

小野寺の台詞は誰かの怒声に遮られた。野郎…誰だか知らんが万死に値するな…

声がした方を見てみると楽と桐崎さんがいた。また喧嘩か?

楽もイラついてるようだが、桐崎さんも我慢の限界なのか今まで鬱憤を晴らそうと攻撃的な言葉で言い返している。

そして桐崎さんがペンダントを渡した相手もその事を忘れてるに決まってると言い捨てたその後

 

「うるっせぇな‼︎‼︎だったらもう探さなくていいからどっか行けよ‼︎‼︎」

 

楽がキレた。雨が降り始めて険悪な空気のままの二人を濡らしていく。

「……………分かった………」

 

桐崎さんはそう言い残して去っていった。

 

「珍しいな…いや、初めてか?楽が女に怒鳴るなんて…」

 

どうやらあのペンダントは本当に大切な物らしい。そうでもなければあんなに楽があんなにキレる訳ない。

楽の元へ行こうとする小野寺をその腕を掴んで止める。

 

「立川君?」

 

「あー…その、何だ今は一人にしてやろぜ。ああいう時は一人で少し考える時間も大切だろうし。それで何日も引きずるようだったら話を聞いて、ケツ引っ叩いてやろうぜ。」

 

最後に冗談めいてニカッと笑ってそう言うと小野寺は少し考えた後

 

「うん、そうだね…ありがとう立川君」

そう言ってくれた。

 

「じゃあとりあえず此処から離れようか。雨も降ってるし、小野寺も風邪引いちゃうぞ」

 

そう言うと小野寺は少し震えるとクチュンっと随分と可愛らしいクシャミをした。

 

「言われてみればちょっと寒いかも…あ、でも一条君は大丈夫かな?せめて傘くらいは…」

 

「大丈夫だよ、かの孔子の言葉を知らないのか?孔子云はく『馬鹿は風邪をひかず』ってヤツ」

 

「孔子はそんな事言わないよ‼︎」

 

う〜む、突っ込む姿も可愛らしい

 

それからまた数日が経ち、未だに見つからない楽のペンダントを探していると挙動不審な桐崎さんを見つけた。

何かを探しているようだが、偶に周りを見回している、まるで誰かに見られるのを嫌がっている様だ。

 

「何してんの桐崎さん、…ガーデニング?」

 

「…ッ!?だ、誰よアンタ?ってかガーデニングなんてしてる訳ないでしょ‼︎」

 

ピシャリと言われた…ちょっとボケただけじゃないですか…

 

「あれ?…貴方確か同じクラスの…」

あ、そういえば桐崎さんと会話するのはこれが初めてだ、スゲーくだらないボケから始まるとは…以後気を付けよう。

 

「顔くらいは覚えててくれたんだ。そう、同じクラスの立川優人です、よろしくね桐崎さん」。

 

軽く自己紹介を済ませて手を差し出す。桐崎さんもそれを見て暫く悩んでる様子だったが、結局よろしくと言って俺の手を握りしめた。

 

「それで一体こんなとこで何をやって……ああ、楽のペンダント探しか」

 

なんだかんだ言いながら彼女も結局優しいんだな。

 

「ハァッ!?そんな訳ないでしょ‼︎誰があんなモヤシの手助けなんてするもんですか‼︎‼︎」

 

少し…いやかなり素直じゃない様だけど。

 

「まあ、別に良いけど…俺も手伝うよ、向こうの方は探したのか?まだなら俺が探すが」

桐崎さんから向かって左を指差して言う。

 

「別に…立川君は関係ないでしょ?

手伝わなくたっていいわよ」

 

「あー全然気にしなくて良いよ。俺がやってるのは(楽の)手伝いの(小野寺の)手伝いみたいなもんだし」

うん、自分で言ってて意味が分からん。ちゃんと伝わったかな?

 

「……?よく分かんないけどじゃあ向こうの方はお願いね、私はここを探すから」

 

伝わった気はしないけど任せてはくれたので良しとしよう、では向こうで探さねば。

 

捜索して数十分後。

 

「お、ペンダントはっけ〜ん!こんな所にあったか」

 

ついに楽のペンダントを発見した。小野寺が教えてくれた形にも一致してる気がする。

 

「桐崎さ〜ん!見つけたよアイツのペンダント!」

 

桐崎さんを呼ぶと此方にやって来てペンダントを凝視する。

 

「これがあのモヤシのペンダント…良かった、これで放課後は自由に過ごせるわ!ありがとう、立川君」

 

「いや、礼なんていいよ。じゃあホイ」

 

桐崎さんの手にペンダントを置いた。

 

「……え?」

 

桐崎さんがピシリと固まる。

 

「立川君?これはどういうこと?見つけたのは貴方なんだから、貴方が渡したら?」

ニコリと微笑みながらこちらにそう伝える桐崎さん、だが目が笑っていない…つーか怖ェ‼︎何?そんなに楽と会うのが嫌か!?

 

「いや、楽は俺がペンダント探してるなんて知らねーだろうし…一々その事を説明するのも面倒だしな….桐崎さんは一緒に探してた分その辺楽でしょ?」

 

「……出来れば私、あのモヤシと二度と関わりたく無いんだけど!」

 

もの凄い嫌われっぷりだな楽の奴…

 

「う〜ん…そんなに嫌なら遠くから投げ渡すっていうのはどう?」

さすがに危ないからやらないだろうけど

 

「それは良い考えね…」

 

はい?桐崎さん?

 

「見つけた事も手紙か何かに書けば問題ないわね…どうせだから英語で書いてやろ、あのモヤシには読めないだろうし….よし、じゃあ早速やりましょう!それじゃあね立川君!名案ありがとう!」

 

それだけ言うと桐崎さんは走り去って行った。

……な〜んかマズい事を言っちゃった気がするな、てか言ったな確実に。

 

 

 

楽がペンダントを頭にぶつけられた形で渡して貰ったと小野寺から聞いたのはその数日後の事だった。

 

 

 




楽と千棘二人がメインのシーン、話はどうしてもカットが多めになってしまいます。千棘ファンの皆さんすいません。
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