器用貧乏な職業で魔王の左腕   作:DQkzk

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ごめんなさい。早く書くなんて無理でした。私の技量不足です。

内容も進んでないし、これでいいのかと悩む始末。
文才が欲しい。


再会

涼夜は流れ出た涙に気づくことなく、ハジメに近付きハジメの肩を掴んだ。

 

「……ごめん、助けられなくて」

 

涼夜はあの時の光景を思い出しながら感情を吐露するように言う。後悔、自責、無力感……そんな感情が混ざり合った声だ。

 

「ーーーっ!」

 

「…そして、生きていてくれて良かった」

 

顔を上げた涼夜は笑顔でそういった。そこには友の無事を喜ぶ1人の少年がいた。

 

「……ああ。迷惑かけたな」

 

涼夜はようやく自分が泣いている事に気付いたのか慌てて目元を拭い、「……悪い、みっともないところを見せた」といって、近くの席に座るようにハジメたちを促した。ハジメたちも断る理由はなかったので向かい合うように座った。

 

「……えっと、まあ、色々聞きたいことはあるけど、まずはそっちの2人は誰?」

 

涼夜がハジメと一緒にいるユエとシアを見ながら尋ねる。ハジメしか見えていなかったようだ。

 

「……私はユエ。ハジメの恋人」

 

「シアですぅ!ハジメさんの恋人ですぅ!」

 

「……え?ハジメ、いつからそんなプレイボーイになったんだよ……」

 

ハジメの恋人だと自己紹介する2人に驚愕の表情を浮かべ、ハジメを見る涼夜。ファナに至っては少し引いている。ハジメはシアを小突き、ため息を吐くと訂正を入れる。

 

「なってない。2人ともオレの仲間で、ユエは恋人だがシアは違う」

 

「把握した。

 

……つまり、ハーレムを築くんだな?」

 

「おいこら、どうしてそうなった」

 

涼夜の的確?な返しに頰をひくつかせ、怒りを覚えるハジメ。

 

「まあ、それは置いといてこっちの自己紹介もした方がいいな」

 

「置いとくんじゃねぇ!」

 

適当に流して話を進めようとする涼夜にキレるハジメ。そんなハジメをみて涼夜は驚き、笑みを浮かべる。

 

「……お前、変わったな」

 

「……涼夜は変わらなさすぎだ」

 

ハジメは召喚前の事を思い出して笑みをこぼす。全く変わっていない親友をみて自分の心配は杞憂だったと思った。

 

「あのハジメさんが弄られていますよ。あの人一体何者ですか」

 

「……あの人、すごい」

 

ユエとシアが2人でコソコソと何かを話しているがハジメと涼夜はスルーする。もういちいち構っていられなかった。

 

「ユエさんとシアさんでいいのか?俺は涼夜。こっちはファナ。……そういえば俺たちってどういう関係?」

 

涼夜は脱線したが自己紹介を続けようと自分の名前を名乗り、ファナを紹介する。それに合わせてファナはフードを被ったまま会釈する。ユエたちが関係性を説明してくれたのでこちらも話そうとするが自分たちの関係性が曖昧なのを思い出しファナに尋ねる。

 

「……仲間?」

 

ファナも疑問形で返すあたりどれだけ曖昧な関係だったかわかるというものだ。

 

「……まあ、それでいいや」

 

「いいのか、それで」

 

ハジメはこの適当なやり取りに思わずつっこむ。絶対何か訳があるだろうと。それでも涼夜はちゃんと考えることはなさそうだったのでハジメが話の転換を図る。

 

「……そういえばなんで涼夜はここに?」

 

「俺か?俺はお前を助けるために迷宮のアーティファクトに頼ろうとして迷宮巡りだ。結果は違ったし、徒労に終わったけどな」

 

涼夜は迷宮時の苦労を思い出してか苦笑しながら答える。

 

「……迷宮に潜ったのか?」

 

涼夜の言葉に驚きを隠せないハジメたち。迷宮は常人が挑んだら確実に死んでしまう代物だ。それに2人で挑んだとなるとハジメたち同様、化け物レベルである。

 

「ああ、グリューエンをな。死にかけたけどなんとか攻略できたわ」

 

「なら、神代魔法やこの世界の事を知っているんだな」

 

「神代魔法は知ってるが、この世界のことなんて知らんぞ」

 

涼夜の答えにハジメは解放者の面々に不満を覚える。なんで攻略者に神代の話をしない迷宮があるんだ、と。

 

面倒くさそうにしながらもこの世界の出来事について語るハジメ。他人にはこんな事話さないだろうが、涼夜相手ならお人好しになってしまう。

 

ハジメが話終えると、涼夜とファナは苦々しい顔をする。涼夜は異世界召喚への怒りとこれから先の行動が困難を極める事への憂い、ファナは元凶への復讐心と届かない存在への虚しさで。

 

「……つまりは『神が世界でゲームをしてるからぶっ殺そうぜ』ってことか」

 

「概ね合ってるな」

 

涼夜のあまりにも酷い簡潔な言葉に肯定を示す。その答えを聞いて自分の考察を交えながらハジメたちの行動を考える。

 

「それでハジメたちは迷宮を回って神代魔法を集めているのか」

 

「ん?違うけど」

 

「「え?」」

 

ハジメの言葉に思わず聞き返してしまう涼夜とファナ。この話をしたという事はそういう事なんだろうと思っていた2人は懐疑的な目をハジメに向ける。

 

「……オレの目的は元の世界に帰るためだ。正直、オレはこの世界の事なんかどうでもいいし、勝手にやっとけって話だ」

 

ハジメは最初本心を話すべきか迷った。だがこれで本心を話せないなら親友でもなんでもないと感じ、話した。これで嫌われるならその程度という事だ。

 

「……へぇ、なるほどな」

 

そういうと涼夜の雰囲気が変わる。瞳の奥が鋭利で冷たくなり、隣に座っているファナは自然と体を固くする。こんな雰囲気の涼夜は見たことなかったからだ。席を共にしているユエとシアも同様だ。ハジメだけはただずっと涼夜を見つめていた。

 

「ーーーーーーーーー」

 

涼夜は何かを呟いた。だがそれは誰の耳にも届く事はなく、ハジメ達は聞き返そうとしたがそれよりも早く涼夜は先を述べた。

 

「まあ、ハジメの考えは俺も一つの事情を抜いて同意見だ。この世界に付き合っているのも馬鹿馬鹿しいし、さっさと帰るに限るな」

 

涼夜はさっきの鋭い雰囲気は嘘であるかのように柔らかい雰囲気になる。

 

雰囲気の変化に戸惑い、誰も言葉を発さない中、涼夜は不躾な視線を感じ取りその方向に視線を向けると酷く不快な顔をする。ハジメたちも気づいていたようで不快感を露わにする。

 

「……面倒だな」

 

視線の先には豚のような生物がいた。身なりは整っているので貴族かなんかだろう。ユエやシアに舐め回すような視線を向けてくる(ファナはユエたちと同等のレベルだがフードを被っているので気づかれてないない)。

 

豚はこちらにやってきてユエとシアを見やるとハジメと涼夜に向かって「2人を寄越せ」と言った。その瞬間、ハジメから猛烈な殺気が溢れた。

 

「「ーーっ!」」

 

涼夜とファナは当てられてはいないがその余波を感じ、本能的に逆らってはいけないと思わせられた。

 

豚は腰を抜かして失禁しており、周りでこちらを見ていた冒険者たちも小刻みに震える者や、気絶してしまう者がいた。

 

「……場所を変えるぞ」

 

威圧を解いたハジメが立ち上がり、出口に向かって移動する。それにならい涼夜たちもついていく。

 

だが、それは出口の前に立っている筋肉質な男に阻まれる。その男は豚の護衛らしく、豚から指示を受ける。

 

「レガニド! そのクソガキを殺せ! わ、私を殺そうとしたのだ! 嬲り殺せぇ!」

 

「坊ちゃん、流石に殺すのはヤバイですぜ。半殺し位にしときましょうや」

 

「やれぇ! い、いいからやれぇ! お、女は、傷つけるな! 私のだぁ!」

 

「了解ですぜ。報酬は弾んで下さいよ」

 

「い、いくらでもやる! さっさとやれぇ!」

 

そんな会話が目の前で繰り広げられる中、涼夜は面倒くさそうに呟く。

 

「あれの相手しないといけないのか。……ファナ、あれーーー」

 

「……もう終わった」

 

涼夜がファナに何か言おうとするがその前に既に何かを終えたファナが()()から歩いてきた。

 

「え、もうやったの?早くね?」

 

「……ちょっとイラッとしたから」

 

涼夜とファナの会話に疑問を浮かべるユエとシア。何をしたのか尋ねようとしたが、それは次に起こった光景が教えてくれた。

 

「おう、坊主。わりぃな。俺の金のためにちょっとーーーーくっ!」

 

レガニドと呼ばれた護衛がいきなりふらふらし出して倒れたのだ。その光景に唖然とする一同。

 

「……麻痺毒か?」

 

唯一、ハジメだけがこの状況を理解していた。だが、理解しているからこそ恐怖を覚えた。

 

「ああ、俺謹製の麻痺毒だ。ファナがそれを塗ってあるナイフを使って血管を切っただけだな。当分は動けないだろ」

 

涼夜が片膝立ちで何とか立ち上がろうとしているレガニドを見ながら言う。一応警戒しているが即効性が高く、魔物にも耐性がなければきちんと効く代物なのでそのうち指1本も動かせなくなるだろう。

 

「……色々言いたいことはあるがそれは後にしてーー」

 

そう言いながらハジメは豚に近づいていく。豚はギャアギャア叫んでいるが御構い無しに顔を踏みつけ恐怖を刷り込んでいく。

 

「ーーー二度と視界に入るんじゃねぇ」

 

そう豚に言い残し、靴のスパイクまで出して徹底的に心を折る。それを止める理由はなかったので涼夜は黙って見ていた。ただ穏便に済ませられたんじゃないかと思いながら。

 

豚の悲鳴やら何やらで一気に騒がしくなったギルド内。これが問題にならないなんて事はなく、ギルド職員がやってきて事情聴取を受けることになる。

 

涼夜達の無罪は周りの冒険者が証明してくれたが、双方の主張を聞くというギルドの規則のせい(豚は意識混濁。レガニドは麻痺で口すら動かせない。息はできる)で当分フューレンを出られなくなった。

 

さらに身分証明のためにステータスプレートの提示を求められる。涼夜とファナは定時したが、ハジメ達は提示できない理由があるのかそれを嫌ったハジメが手紙のような物を取り出し、ギルド職員に渡すと何故か別室に案内された。

 

「これはどういう事だ?」

 

「……こっちも状況が飲み込めない」

 

涼夜が尋ねても状況を起こした本人にすらわからないようで明確な返答が返ってこない。

 

数分待っているとイルワと名乗る人物が入ってきた。その人はギルド長でハジメが出した手紙で身分証明ができたという。それで安堵したのもつかの間、イルワはハジメ達に依頼を持ち込んできた。ハジメは最初拒否していたがギルドの後ろ盾とステータスプレートの内容黙秘という事で了承した。

 

涼夜は依頼を手伝おうとしたが期限内にホルアドに戻れなくなってしまうので断念せざるを得なかった。

 

「どうしてその条件を出したんだ?」

 

部屋から出て、周りに人がいなくなったタイミングで涼夜はハジメに依頼を受けた理由を尋ねた。メリットはほぼ無いように感じたからだ。

 

「この2人がちょっと特殊でな。ステータスは見られたくないんだ」

 

「へぇ、神代魔法もあるけどそれ以上に訳ありって事か」

 

ハジメの言葉から察することができた涼夜。神代魔法だけならハジメがこんなに渋る理由はないはずだと。

 

「まあ、そういう事だな」

 

その予想は正しく的を射ており、ハジメは苦笑いを浮かべるしかなかった。見せられないステータスは誰にでもあるものだ。

 

 

***************

 

 

ギルド長から解放され、ファナと一緒に宿に戻った涼夜。装備の点検などをしていると不意に扉をノックする音が響いた。

 

「誰だ?」

 

「ーーオレだ。入っていいか?」

 

涼夜が了承すると中にハジメが入ってくる。中にファナがいることに内心驚いたハジメは涼夜に向かって一直線に歩いてくると備え付けられている椅子に座った。

 

「どうした?」

 

「…話がしたい。できれば涼夜と二人で」

 

真剣な顔でそう切り出すハジメ。

 

「……ファナ、悪い。ちょっとだけ外してくれないか?……いくところなかったらハジメ達の部屋に居てくれればいいから」

 

「……わかった」

 

そう言ってファナは部屋を出て行く。二人になった室内は静かなものでハジメは何から切り出していいか分からず、沈黙が流れていた。

 

「……さて、何か用があるんだろ?さっさと済ませようぜ」

 

なんとなくだが察しがついている涼夜はハジメに先を促す。

 

「……そうだな、単刀直入に言うぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーオレ達についてこないか?」

 

 

 

 

 

 




過労死しそう。
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