器用貧乏な職業で魔王の左腕   作:DQkzk

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追記:ステータス修正。

流石に強すぎた。器用貧乏じゃねえ。

※正体不明から万能者に変更。変更に伴い一部セリフを改変。

最初のふざけた文を消しました。この小説に合ってないと判断。


万能者

 

涼夜達が光でくらんだ目を開けると石造りの部屋の中だった。どうやら召喚されたっぽいです。

 

涼夜たちが召喚されたのはトータスという世界らしい。

 

召喚されたときに近くにいたイシュタルとかいう司祭?の話だと、

 

曰く、この世界を救ってほしい。

曰く、そのために魔人族と戦って勝ってほしい。

曰く、エヒトとかいう神が召喚したので俺たちはエヒトしか元の世界に戻せない。

 

らしい。正直意味わかんないし、返せとも思うがその気持ちとは反対の「異世界で冒険したい!」という気持ちもある。

 

社会科の先生の愛子先生(通称愛ちゃん先生)が猛抗議をしているがイシュタルは無理の一点張り。

 

これはどうにもならなそうだと隣のハジメと話をする。

 

「なあ、これ明らかにテンプレだよな?」

 

「うん、間違いない。異世界ものの俺TUEEEEEE展開だよ」

 

涼夜とハジメは目をキラキラさせて内心で喜んだ。涼夜の中にいるミニ涼夜は雄叫びをあげながらオタ芸をキレッキレで踊っている。

 

「……ただ、なんかあの司祭っぽいの危ないよなぁ。誘拐した神を無条件で受け入れているなんて」

 

一通り心の中で叫び尽くし、やっと落ち着いてきたらハジメが何やらイシュタルを警戒、いや、世界の人々の信仰に疑問を覚えたようだ。

 

「そうか?俺にはいまいちわからないが」

 

「少しは考えなよ……異世界きた人たちはみんな考えてただろ?」

 

(たしかにそうだ。相手の言葉を全て鵜呑みにするのはどの世界でもやっちゃいけない愚行だ。)

 

「わかったよ。……そうだな、仮に神がいたとして俺たちを呼べるだけの力があるならなぜそれを魔人族に使わないかが疑問だな」

 

「‼︎……そうだね。うん、これからは奴らの言葉の裏を探るべきかな」

 

ハジメは涼夜の言葉に驚いた。考えてみればそうなのだ。この戦闘能力のない高校生の戦力投入になんの意味があるのか。この世界に干渉できない理由でもあるのか?

 

 

 

イシュタルの説明をすべて聞き終えると世界を救えば帰れると考えた光輝が持ち前のカリスマと正義感で渋っていたクラスメイトをやる気にさせた。

 

涼夜にはこの世界の人々を見捨てられないとはなんて偽善的で自己満足なんだろうかと感じてしまった。

人族を救うということは敵側を切り捨てるということのはずだ。魔人族も魔()族というくらいだから恐らく人という枠組みの中にあり、各々の生活というものがある。なのに相手の言い分を聞かずに倒すというのはいささか浅慮が過ぎるのではないか。特に外部からきた涼夜たちがそれを行うのはお門違いもいいところだ。

それに涼夜たちが人殺しができるかと言われたら断じて否だろう。そんな心構えができてるやつなんているわけがない。そんな風に考えられないやつが戦場に行ったって死ぬだけだ。特に天之河光輝という人間がそうだろう。

 

人の感情に機敏である涼夜にとってはこれくらいは押して図るべきものである。

 

涼夜は天之河光輝という人間が嫌いだ。自分が動けばどうにかなると思っている心や別に助けて欲しくもなければ他人にとって迷惑なことでも勝手に自己解釈して助けたようにしている。自分が正しいと疑っていないやつのなんてたちの悪いことか。他人の気持ちを勝手に自己解釈とかふざけるな。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そんなわけで光輝には嫌悪感を抱いている涼夜だったがクラスの流れには逆らえず、ほかにいい手段もないので受け入れるしかなかった。

 

 

 

***************

 

 

 

涼夜たちはイシュタルが涼夜たちを呼んだ神殿の麓にあるハイリヒ王国に連れてこられた。なんでも戦闘を知らない高校生である涼夜たちに戦闘知識を与える環境を用意しているとのことだ。用意が周到なこって。

 

王城に入り、ハイリヒ国王との謁見をした。そこで国王が立ち上がって待っていたり、イシュタルの手の甲に恭しく軽い口づけをしていたのでこの国は神が回しているということがわかった。(ハジメが教えてくれた)

ルルアリア王妃、リリアーナ王女、ランデル王子などの国の人々の自己紹介が終わった後、晩餐会が開かれた。

 

そこでランデル王子が香織にアタックしていたことや、訓練、住居などの説明があったがそこは割愛。

 

晩餐が終わった後は部屋にいって泥のように眠った。どうやらかなり疲れていたらしい。

 

 

 

***************

 

 

翌日、早速訓練が始まった。

 

まず、集まった生徒たちにステータスプレートが配られた。

教官である騎士団長のメルドさんが説明してくれた。

ステータスプレートとは文字通り自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものであり、身分証明書だ。使用者の血を魔法陣に垂らすことで登録される。

 

なるほど、これは便利だと感心し涼夜たちはステータスプレートに血を垂らす。すると数値が入っている表が現れた。

 

====================

 

有賀涼夜 17歳 男 レベル1

天職:万能者

筋力:50

体力:50

耐性:50

敏捷:50

魔力:100

魔耐:50

技能:万能者・気配察知・言語理解

 

====================

 

 

(ん?なんだこれ?万能者って)

 

「全員見たな?それじゃあ説明を始めるぞ」

 

メルドさんの声で少し想像の世界へ旅立ちそうになっていた心が現実に戻された。

 

メルドさんの説明よるとレベルは100までで人間の潜在能力100%を引き出した時に100レベルになるという。天職はつまりは才能で戦闘職なんかは貴重らしい。

そんでもって技能は天職と連動している。(俺は天職わからないんで連動してんのかわからんけど)例外が派生技能で技能が先天性ならば派生技能は後天性だ。

各ステータスは見たままでレベル1の平均が10らしい。

 

涼夜はふむふむとメルドさんの説明を聞いて唸っていると肩をトントンと叩かれた。誰だと思い振り返るとそこにはハジメがいた。とっても青い顔をして。

 

「あ、あのさ。涼夜はどんな感じだった?」

 

主語がないがおそらくステータスプレートのことだろう。顔から察するに内容がよくなかったんだろう。

 

「ほら」

 

そう言ってハジメに渡すと顔が絶望に染まった表情になったあと、少し懐疑的な表情になった。

 

「……やっぱり俺TUEEEEEEじゃないのかよ

 

「ん?どうした?」

 

「いや、なんでもない。それよりも涼夜の万能者ってなに?」

 

「わかんねぇよ。そう書いてあるとしか言えないし、字だけで説明なんてできるか?普通に無理だろ。どういうことやねん」

 

「…何故に関西弁?」

 

いや、なんとなくです。はい。

 

「う〜ん、まあ、メルドさんに聞いてみるしかないよね」

 

「……そうだな」

 

2人でため息を吐いたあと、涼夜がボソッと怖い事を言った。

 

「……人体実験とかされんのかなぁ?」

 

「おいやめろ。それフラグになる」

 

「……」

 

「……」

 

「「……はぁ」」

 

「なにお前らため息なんて吐いてるんだ」

 

ハジメはステータスに、涼夜は正体不明に頭を抱えていると目の前にメルドがやってきた。どうやらステータスの報告をしなければいけないらしい。それが涼夜たちが最後だったので目の前にきたというわけだ。

 

「あ、メルドさん。この天職なんですか?天職のところに万能者って書いてあるんですけど」

 

「ん?……そんな天職は聞いたことがないぞ。本当か?」

 

涼夜からステータスプレートを受け取り、まじまじと見つめる。訝しげな表情をして目を擦ってまた見つめる。そうやって何度も見返して本当に万能者と書いてあるのを確認すると涼夜に返した。

 

「……たしかに書いてあるな。こんな天職は初めてだ。上に尋ねてはみるが無駄だろう。まあ、ステータスはかなり強いんだ。気にすることはないだろう」

 

涼夜の不安そうな顔を見たのかメルドはきっちりとフォローを入れる。流石は団長というところか。

 

「……そうですね。わからなくてもできることはありますしね。

ーーメルドさん、ステータスプレートを見るときに表情に出さないでください。目立ちたくはないんで」

 

涼夜は努めて笑顔を作る。心配などはされたくはないし何より目立ちたくない。期待という名の重圧に晒されたくはないからだ。ハジメに気を使ったという部分もあるが。

 

「あ、ああ、すまない。気をつけよう」

 

メルドは涼夜の眼光の鋭さに少し気圧されて少しどもってしまった。涼夜の奥にある利己的な冷たさをメルドは感じ取ってしまった。

 

その後ハジメの番になりメルドに見せると低いステータスに一瞬、顔を顰めるもすぐに表情を戻し、ハジメに返した。

ハジメの天職、錬成師について説明しているとハジメの天職が戦闘職じゃない事を目敏く聞いていたのか檜山たちがやってきてステータスプレートを見てからかうという胸糞悪いことが起こった。メルドは十分に配慮してくれていたのでいいとしても檜山たちはうぜぇ。こいつらハジメをいじめるしか能がないのか?

 

愛子先生が檜山たちを止め、さらにハジメに追い打ちをかけるという空回りっぷりを起こした。ハジメの乾ききった笑いが印象的だった。

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