それが全ての始まりだった
幻想郷の湖付近に建つ不気味な建造物
その館の主人こと、レミリアスカーレットは頬杖をつきながら気難しいそうに本を読んでいた。今はティータイムなので屋根付きのベランダで休息を取っているのだ。
紅茶を飲もうと片手を伸ばし口につけるが、紅茶が無いことに気づいた。
「もう紅茶が無い...」
「新しく紅茶を淹れましょうか?」
と、従者でありメイド長である咲夜に聞かれたが
「かわまないわ、それより、あの子はどう?大丈夫なの?」
あの子、と言うのはレミリアの妹であるフランドール・スカーレットの事だ。
そう咲夜に聞くが、咲夜は
「問題ありません、いつもと変わらぬ様に過ごしておりました。」
「そう、、でも、私には良くない運命が分かるわ、、、咲夜、私は心配なの、あの子が、あの子が、、」
レミリアの身体は徐々に震え始めている。
「幻想郷全ての光を消している運命が見えるのよ!」
悲痛そうに話したレミリアを咲夜はそっと抱きしめ
「大丈夫ですよ、お嬢様、妹様は暴走もせず妖精や妖怪と遊んでいるではないですか、妹様を信じましょう」
咲夜が抱きしめたレミリアの身体は凄く小さく、そして、弱々しく見えた。
◆◆◆
「♪〜♪〜」
鼻歌を歌いながら夜の闇を飛ぶ少女の姿がそこにはあった。
その少女は赤を基調とした洋服にドアノブカバーの様な帽子をかぶっている金髪のどこにでもいる普通の女の子だ、ある点を除けば、その少女の背中には枯れ木の枝の様なものが生えており、そこから吊るされているかのように、淡く光る宝石のような物があった。それと口の中にはキラリと光る牙が顔を出している。
羽と牙、この二つがある者など一つしかない。
彼女は吸血鬼なのである。
名前は『フランドール・スカーレット』、レミリアの妹である。
彼女は、さっき遊んでいた妖怪と別れを告げ、自分の家に帰るところだった。誰もが知っているであろう吸血鬼の弱点である日光を避けるために、朝になる前に日陰に身を潜めなければならなのだ。
不老不死と言われる吸血鬼は寝なくても身体には何も問題が無いのだが、起きていれば何かとお腹が空いてしまうので、日中は寝るに限る。
そうこうしているうちに自宅である紅魔館に到着したフランは、直属のメイドに挨拶をし、自分の部屋に戻り、すぐにベッドに横になった。
◇◇◇
気がつくとそこはおもちゃ箱の様な所だった。
「ここは......?」
フランの身に覚えがない場所なのだから困惑するのは当たり前だ。
取り敢えずその場でじっとしていてもつまらないので、前に進むことにした。
次回の投稿は五日後ぐらいになると思います。