IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第116話

乱からの申し出を受けた翌日、この日の1年1組の教室はざわついていた。このクラスに新たな仲間がやってくるからである、また転校生という訳ではなく元々入学予定ではあったものの事故によって入院してしまったので入学が純粋に遅れてしまったという千冬が説明を行っている。そんな千冬からの説明が終わって、真耶が廊下で待機しているその生徒に入ってくれと言葉を出すと廊下に待っていた生徒が入ってきた。その時、クラス中の空気が死に通夜のような静けさが広がった。そんな事を気にしていない生徒は黒板に名前を書くと振り返って挨拶をする。

 

「杉山 マドカだ、これから宜しく頼む。このクラスの杉山 カミツレは私の親戚で私にとっての兄のような人だ、兄共々宜しく頼む」

 

そう、このクラスにやってきたのはマドカであった。すっかり回復した彼女は護衛の仕事を先日からスタートさせているが…授業中や休み時間も効率的な護衛をするには如何しても同じクラスにいる必要が出来てしまう。そこで同じクラスに転入した、そして彼女の戸籍はカミツレの親戚という扱いにして彼の家で預かる事にした。この事を兄に報告すると

 

『マジで俺に妹出来んの!!?よっしゃあ嬉しい事じゃねえか家族が増えるんなんて!!』

 

と大喜びしていた、一応画面上ではあるがマドカも兄の一海に挨拶をした。その時には一海も快く受け入れると公言してくれた。

 

『いやぁ可愛い子だな…将来が楽しみでしょうがないんだけど、みーたんとまでとは言わないけど凄い可愛くね!?』

『そこでみーたんを引き合いに出すなっての』

『この人が私のもう一人の兄さんになるのか……兄さんと呼び方が変えたほうがいいから、お兄ちゃんと呼んだ方がいいのか?』

『どうせなら、かずみんお兄ちゃん呼んでくれないか?』

『分かったぞ、かずみんお兄ちゃん』

『グフッ……なんてこの破壊力は……!?これが、妹萌え……!!?』

『おい妹萌え属性まで追加すんな糞兄貴』

『随分愉快な人だな、かずみんお兄ちゃんは』

 

喜ぶどころか妹萌えという新しい境地まで開拓しそうになったかずみんに若干辟易したカミツレだが、取り敢えず前でこちらを見ているマドカに手を振る。こうしてみるとIS学園の制服もかなり似合っている、そして隣に千冬が並んでいると姉妹というか千冬の娘のような感じがしてならない。というか千冬がそんな考えを乗せて此方を見ているのが分かる。

 

「(私の子供もこんな感じになるかもしれんな……カミツレとの子供…)」」

 

そんなことを思案する千冬、まあ自分の遺伝子を操作して生み出されたと言われても実感は湧かないし妹ととして捉えるようにしたが…如何にも娘のように思えて致し方なくなってきた。何時か自分もカミツレと確りとした式を挙げ、彼とその恋人の一人として家庭を築く……そうなれば子供も当然作ることになる……。思わず妄想に花咲いてしまった千冬だがそれはセシリアも同じであった。

 

「(こうしてみるとやっぱり千冬さんにそっくりですわ…妹さんというよりも娘……つまりカミツレさんとの子供……。私とカミツレさんの子供……いいっ……!!)」

 

色んな意味で脳内でスパークが起きやすい淑女セシリア、そんな考えで火が付いたのか思わずカミツレと交わり生まれた子供と囲む家庭、そして抱き上げている子供を一緒に見て微笑みキスをする風景まで妄想してしまう。

 

「(……最高ですわっ……ぁぁっ駄目ですわカミツレさん、激しくされては子供に聞かれて……ぁぁっ)」

「っ!?な、なんだか寒気が……」

「カミツレ風邪か?まあもう秋だもんな、水筒にはちみつレモンあるけどいるか?」

「飲みたくなったらな……」

 

色んな意味で大変なことになっているカミツレ、現状でも約500の子供の父親になることが決定している。しかしここでよく考えて貰いたい、今後も束が新たなISを開発すれば子供の数が増えていく。そして恋人達との間にも子供は生まれることだろう…何時か、カミツレは世界一の子供がいる父親としてギネス認定される時が来るかもしれない。

 

「ではえっと…あっカミツレ君、お兄さんの隣の席が空いてますね」

「分かった真耶先生っと失礼、分かりました」

 

あまり慣れていない敬語を使いながらカミツレの隣の席に座りつつ、カミツレに対してウィンクをするマドカ。そんな妹に肩の力を抜きながら笑いかける。この後、マドカが千冬に非常にそっくりなことで騒がれるがただの他人の空似という事でやや強引だが押し通すことに成功した。

 

「だぁぁっ……まさか俺の方にまで来るとか思いもしなかった…」

「まあマドカさんは千冬さんにそっくりですから、実は織斑さんの妹なんじゃないかと思われるのは当然ですし……」

「なんだか悪かったな織斑」

「い、いや大した事じゃなかったし……」

 

昼休み、普段のメンバーにマドカを加えた皆は屋上で昼食会をすることにしたが、此処に来るまでに多くの生徒がマドカを見ようとやってきたりして来るのも一苦労だった。因みにセシリア、乱、マドカのお弁当は安心と実績の杉山ファームの野菜をカミツレが調理した特製のお弁当である。先程からマドカも満面の笑みでそれを頬張っている。

 

「あははっそれにしてもマドカさんってば凄いおいしそうに食べるね。杉山君のお弁当ってそんなに美味しい?」

「うむ非常に美味だ!!私は普段、まともな物も食べられていなかったからな。偶に交渉の場などでレストランに行きフレンチなどを食べた事はあるがそれとは比べ物にならんぐらいにうまいぞ!」

「だってカミツレさんが作ったんですもの、それは当然ですわ」

「本当よね」

「うむそうだな!!」

 

兎に角幸せそうに食べるマドカに皆はつられて笑顔になっていく、テロ組織では有りえなかった暖かさに包まれた美味しさをマドカは感動しながら堪能している。

 

「おいおいマドカ、ソースが凄いベットリついてるぞ…ほらこっち向きな」

「むむぅん……すまない兄さん、そのソースも味わえなかったのは勿体なかったな」

「とりあえず落ち着いてくれ」

「いいなぁ……ねえ杉山君、僕にも作ってくれない?」

「ならば私も」

「んじゃアタシもお願いね」

「んじゃ俺の分も!」

「そ、それじゃあ私のも頼む」

「おい待て作る事決定か!!?」

「うむ兄さんに任せておけ!!」

「マドカお前っ!!?おいおい……勘弁してくれよ……」

 

そんな笑いと暖かさに包まれた一幕があり、マドカはこの学園での生活は心から楽しめそうだと兄の困り顔を見つめるのであった。

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