IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第127話

『カミツレ喜んでください。スピードロップ用の姿勢制御プログラムとディバイダー用のプログラムが完成しました』

「寧ろ喜ぶのお前じゃねえかそれ」

 

日本政府との会談やらを終えて学園へと戻ってきてから数日。マドカの部屋の整理がついて一人部屋に戻ったカミツレ。訓練を終えて何時も通り部屋で寛いでいるカミツレへとカチドキが最早恒例となっているドライブ推しから来る言葉を受け取りながらも返答をする。確かにドライブファン的に考えて喜ぶのはカチドキなのは明らかである。これから攻撃の選択肢にスピードロップが加わるのは良いだろうが……運用して行くのは厳しい一面もあるだろうから慎重にやっていこうと決めるカミツレであった。

 

『しかしディバイダーの色を変えたり出来ないのは残念……いやいっその事「蒼銀」をトライドロンカラーにすれば……』

「いやそれもう蒼銀じゃねえよ」

『まあこの話は後にして……貴方のお陰で現在コア・ネットワークは特撮ブームです!!』

「何そんな事になってんの!?」

 

倉持技研から帰って来たカミツレは撮り溜めしていたウルトラマン作品を見ていたがカチドキがそれを中継する形でコア・ネットワークにも流したらしい。ライダーとはまた違った奥深い作品テーマに巨大でダイナミックで迫力満点な戦いに自分達が夢見る宇宙でのシーンなどIS的にも嵌る物が多かった。これから転じて特撮作品は素晴らしいとなったのか現在コア・ネットワークでは特撮ブームに本格的に火が付いた模様。

 

「なんか俺の影響で凄いコア人格達人間性豊かになってないか……?」

『それは当然です。父親の趣味などに興味を持つのは子供としては当然ですから』

「……なんだろう…普通に納得してしまった自分がいる」

 

最早子供という部分にツッコミすら入れなくなったカミツレ。もう既にコア達が自分の子供と認知しているような物だと気付いているのかそれは不明だが……そんな発言を最も喜ぶ人物が部屋へとやってきてカミツレへと襲い掛かる勢いで抱き付いた。

 

「かっくぅぅぅうん!!!」

「うわぁっ束さん!?」

「うんうん君が順調にお父さんとしての道を歩んでくれて本当に嬉しいよ!!」

 

束にとってその言葉は心から嬉しい物。何度も味わってもたまらない物、自分の子供たちの心の成長を喜び納得してくれているだけで歓喜で心が震えてしまう。

 

「本当に突然来ますねぇ…」

「だって束さんだからね!それと束さんは少しかっくんに物を申しに来たのです」

「な、なんですか改まって……」

「カッ君。君は……束さん以外の恋人とキスとかしすぎだと思うのです!!」

 

なにやら神妙な顔つきで何を言うかと構えていたらそんな事かと思ってズッコケそうになる。

 

「そんな事言われても…束さんは普段何処にいるかも分からないし不定期で来るからしょうがないじゃないですか。必然的にセシリア達との触れ合いが増えちゃうんですから」

「むぅぅぅ~……でもでもずるいのは本当だもん~っ!!束さんだってカッ君とラブラブしてイチャイチャチュッチュしたいもん!!」

「子供ですかアンタは…」

 

子供らしくも分からなくもない不満である。束はやった事の大きさや超重要人物として国際指名手配されている事情などのせいで頻繁に会いに来たりするのは難しく、恋人として一番接する機会が少ないのも致し方ないとも言えるが束はそれが酷く不満なようである。

 

「それじゃあ……い、今そういう事しますか?」

 

確かに束が仲間外れのような不満を持っていたとしても可笑しくはない。恋人としてそんな不平不満をそのまましておくのはいただけない。特に束の場合、そんな不満を放置していたせいで爆発して大事件を起こされたら堪ったもんではない。恥ずかしげに言葉を口にするカミツレ、そんな彼に色んな物が刺激されてしまった束はそのまま押し倒すかのようにしながら激しく唇を合わせる。

 

「むぅ―――んんっはぁぁぁんっ……」

「ちゅっ―――ぁぁっ…」

 

激しい吐息と艶かしい声が互いの耳に入り理性を刺激して行く。柔らかさと温かさが理性を程よく溶かして行きながら理性と本能を混ざり合った物が互いを求め合っていく。絡み合っていく指で互いの心を確かめあいながら合意の元を確認しながら、互いに求め合う。

 

「カッ君」

「束さん」

「「大好き」」

『お宝ムービーファイルに保存します』

 

そう言いながら深く抱き締めあいながらキスをする。そんな二人の間は甘い雰囲気で包まれてながらも確かな恋人の絆が紡がれている。

 

「あっそうだった。今日は別件で来たんだったんだ!!ついつい久しぶりのラブシーンに燃えちゃって忘れる所だった!!」

「用があったらならまずそっちを片付けるって発想を付けましょうよ」

「だってカッ君とのラブラブも大事だし」

「はいはい頬っぺた膨らませない可愛いから」

「んもうこの褒め上手ぅ♪」

 

そして束の用件とは一体なんなのだろうか、そう思っていると部屋の扉の前には一人の少女が立っていた。流れるような銀髪は揺れながら美しさを演出しながら束の来ているドレスとも似ている白と青のゴスロリ系ドレスはよく似合っている。そんな少女はカミツレに頭を下げながら言葉を口にする。

 

「お初にお目に掛かりますカミツレ様。私は束様の助手をしておりますクロエ・クロニクルと申します……」

「ちっちっち。違うでしょく~ちゃん、照れなくてもいいんだよ?」

 

挨拶をした目の前の少女が以前話していた束が引き取って娘としている少女であるく~ちゃんであるようだ。クロエ・クロニクル……成程確かにく~ちゃんである。そんなクロエは恥ずかしがらなくてもいいと言われるが頬を赤くしながらモジモジとする。

 

「そ、そんな事を言われましても……た、束様とのあんな熱いキスを見せられて恥ずかしがるなという方が無理です……!!」

「あっそれもそっか」

「うぉいちょっとなんで直ぐに言わないんですか束さん!?」

「ムラムラドキドキが抑えられなかった、反省はしているが後悔はしていない」

「アンタねぇ……娘に何見せ付けたと思ってんだよ…」

「えっ?お父さんとお母さんがラブラブチュッチュしてるシーン♪」

「…駄目だこりゃ…」

 

頭を抱えているとクロエは少し動揺しつつも自分は何も気にしていないと必死に釈明する。

 

「た、束様ととっても仲が良いようで寧ろ安心しましたし……えっと、お、お父様……」

「お父様か……えっとその…」

「く、く~ちゃんで結構ですので……お父様…!!」

 

如何呼べば困っているカミツレへと顔を赤くしながらそう叫ぶクロエ。彼女も自分との距離感などに困っていたと以前束が言っていたし、此処は自分が歩み寄ってあげるべきなのだろうと思い彼女の傍まで寄って頭を撫でてあげる。彼女は少しビクつきながらも顔を上げて自分を見てくる。

 

「宜しくでいいのかな…く~ちゃん」

「はっはいお父様……!」

「お父様か…早いと思ってたけどもうそう呼ばれてもいっか」

『では私もお父様と』

「お前はカミツレで良いだろ」

『解せぬ』




割と本気でR-18書こうかな。

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