IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第131話

「つ、つまり…一夏の義兄さんであると同時に私にとっての義兄さんという事になるのか…!?」

「まあ平たく言うと……俺は千冬さんとだけじゃなくて束さんとも付き合ってるからな」

「そういう事になるね~♪あっカッ君お替りお願いね~♪」

「……いきなり腰が抜けそうになったぞ……」

「俺もだよ箒…」

 

一夏から箒と付き合っているという話を聞いてから数日。日を見計らって箒と共に自室へとやってきて貰ったカミツレ。一夏からカミツレが千冬と付き合っていることを改めて聞いた箒は将来の義兄さんへの確りとした挨拶をするつもりで気合を入れてやってきた。扉を開けてカミツレの部屋へと入ってからの第一声が

 

「杉山いやカミツレ義兄さん!先日私こと篠ノ之 箒は一夏と真剣なお付き合いをさせていただく事となりました!!どうぞ宜しくお願いします!!」

 

と凛々しく何処か男前な宣言であった、室内でテーブルに料理の配膳を行っていた彼は思わず目を白黒させてしまっていたが直ぐに正気を取り戻し取り敢えず入ってくれと二人を中へと招き入れた。がそこには束が嬉しそうにカミツレの料理を頬張っているという状況が広がっており一夏と箒は混乱するかのように先程のカミツレのように呆然としていたがカミツレが目の前で手を叩いた事で正気を取り戻した。

 

「私の同級生が彼氏の義兄さんであり私自身の義兄さんでもあった件について……」

「なんか最近のラノベのタイトルみたいになってるぜ箒…」

「というかぶっちゃけIS学園に通ってる二人の存在自体がもうエロゲみたいなもんだよね」

「それを言っちゃお終いですよ」

 

むしゃむしゃと幸せそうに食べていく束とそんな彼女のために次々と料理を仕上げていくカミツレ。一度顔を見合わせた箒と一夏だが取り敢えず義兄さんが自分たちの分まで用意してくれたのだから食べる事にした。一度作って貰った弁当を食べてから箒も地味に杉山ファームの野菜のファンになっており、カミツレ経由で貰った野菜を実家に送ってみた所大好評で現在は月に一度は野菜を送って貰う契約をしたとか…。

 

「しかし姉さんと結婚する相手がこの世にいただなんて…正直意外過ぎる」

「ムッフフフ。それについては束さんも驚いてるよ、まさかカッ君みたいな子と巡り合えるなんて…まだまだこの世界も捨てたもんじゃないなと再認識したよ」

「にしても俺マジでカミツレの事尊敬するわ。男として、マジで兄貴って呼ばせてくれない?」

「断固拒否する」

 

一夏の言いたい事も分かる。セシリアに乱、そして千冬に束といった女性を自分の本質を見せつけて虜にして全員が合意の上で、しかも一切の諍い無しに恋人の関係を築いているというのはカミツレだからこそ成しえているのではないかと思わざるを得ない。普通なら確実にいざこざが起こってもおかしくないのに…圧倒的な男としての格を感じずにはいられない。

 

「いえぜひ兄貴と呼ばせてくれ!!」

「呼ぶなっつったっよな俺、決めたお前ぶっ飛ばす。カチドキ喜べ。スピードロップ用のプログラムの実験体が見つかったぞ」

『それは素晴らしい。是非ともやりましょう』

「マジすんませんでした」

『えぇっ……』

「あのカチドキさん明らかに落胆する声出すのやめてもらえませんか!!?俺の生死に関わるかもしれない事なんですけどぉ!?」

 

本当に心からの落胆の声が聞こえてきた身の危険を感じる一夏だが周りからは笑いの声が漏れる。

 

「しかし……まさかカミツレ、いや義兄さんが同級生とは…人生は小説より奇なりとはよくできた言葉だな」

「リアルハーレムを構築してるんだもんな本当にすげぇよ…俺ハーレムって否定的だけどカミツレなら普通になんとか出来そうな気がするよ。だって現在進行形で束さんと千冬姉を受け入れられてるんだもん」

 

その言葉に箒も力強く同意した。世界最強の座に至ったものと現代における超重要人物の大天災の二人を同時に恋人として迎え入れながらも二人の恋人も含めて全員とうまくやれている。こんな人物がほかにいるだろうか。いやいるわけが無い。

 

「そう言えばさ箒ちゃんといっくんはヤッたりしたの?」

「ブホッ!!?」

「アンタ実の妹に何聞いてんだ…」

「いえキスをしただけです」

「箒さぁぁぁあんっっ!!!??」

 

カミツレが呆れている中で箒は妙に誇らしげに堂々としながらそう言い切った。一方一夏は顔を真っ赤にしながら何を言ってるんだよ!?と半分怒りながら問い詰めようとするが隠す事もないだろうと箒に返されてしまう。千冬に似た男らしさに既視感を感じるカミツレであった。

 

「よくもまあ…ハッキリ言えるな」

「隠しても意味はないしここには家族しかいないから聞かれても大丈夫」

「いや家族だからこそ恥ずかしい物があるでしょうが!?」

「情けないな…私からキスした時も女のような声を上げて後退ったのも納得だな。だがあの時の一夏の顔は中々にそそったぞ」

「兄貴なんか箒が怖いです!!!」

「ああうん、なんか既視感が……」

「うんなんか束さんも誰かさんを思い出した」

 

そんな時、教員室で仕事中の千冬がくしゃみをしてきっとカミツレが自分のことを言ったのだなと直感する。そして後で軽く襲うと決意するのであった。そんな何処か千冬に似ている感覚を覚えるカミツレだがまあ箒ならばきっと一夏とうまくやっていくだろうという予感もあった。

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