IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第158話

イギリス政府からの要請を受けて急遽イギリスへと向かう事になったカミツレ、護衛兼恋人として同行する事になったセシリアと共に飛行機に乗り込んでイギリスへと飛ぶ事になった。空港から飛行機に乗る時点でオルコット家のプライベートジェットと護衛の機体が準備されており改めてセシリアが貴族の当主でお嬢様という事を思い知らされたカミツレであった。約12時間のフライトであったが機内では豪華な食事に映画、ベットにシャワールームまで完備されておりもう顎が外れそうになったという。

 

「本当はお風呂を付けたいのですが…中々気に入ったデザインの物がありませんでして……」

「そ、そうなんだ……」

 

最早空飛ぶホテルのような印象を受けつつもそんなプライベートジェットを満喫してしまったカミツレ。一番驚いたのは長時間のフライトで身体がダレないようにとマッサージ師が付いており、そのマッサージが凄まじく気持ち良かった事、そして乗り込んだ際に乗務員一同から

 

『御待ちしておりました旦那様』

 

と深々と頭を下げられた上に丁寧に挨拶された事だった。もう思考を放棄して貴族はこんなに凄いのか…と納得するしかなかった。因みに今回乗ったプライベートジェットは小型の部類に入るらしく、もっと大型の物もあるらしい。そんな社会に慣れなければ行けないのかと思うと頭が痛くなってくる。そんな事もありながらイギリスへと到着したカミツレ、空港で手続きをして出ようとした時空港には多くの自分とセシリアのポスターが貼られており思わず面食らってしまった。

 

「ッッ!!?」

「カミツレさん、動揺なさらぬようにドンと構えてください」

「わ、分かったッ…」

 

事前に渡された眼鏡と帽子を装着して出来るだけ落ち着き払ったようにしながらセシリアの後に続いていく。空港内にはポスターだけではなく英語に翻訳されている「インフィニット・ストライプス」が発売されていたり以前、セシリアに希望されて撮影した写真がブロマイドのようにされてグッズとして販売されている事に愕然としてしまった。

 

「…そういえば前にセシリアからツーショットが取りたいって言われたけどまさか…」

「はい、政府から政治面で活用するから欲しいと言われたのですが…まさか販売されているとは…」

「政治面って財政面だったの…?」

 

そんな事を思いつつ空港を出ると待機していたのはオルコット家所有のリムジンであった。そそくさと乗り込んで空港から発進する。追従するように複数の車が護衛するように前と後ろを囲む、これもテロ対策なので致し方ない物があるだろうが…。

 

「取り敢えず、研究所へと参りましょうか。所長さんへと挨拶などを済ませてから、その後は我が家へ行きましょう」

「分かった…というかグッズ販売って……雑誌取材とかやったけどあんなに人気なの…」

 

カミツレは以前から数度の雑誌取材を受けている、それによって世界中でファンが生まれている。それに加えるように各国に流出している彼の初試合の映像が一般の動画サイトにも投稿されてしまい、更に人気に火が付いた上に専用機を見事に使いこなした上での「キャノンボール・ファスト」での一位入賞という出来事で人気が大爆発している。既にイギリスでは大人気スターの一人として数えられるほどになっておりイギリス国内は如何にかして彼のグッズや関連商品を作れないかと総力を結集させているとか…。

 

「私の家にもグッズ販売の許可などが連日連絡が絶えず…」

「え"っそんな事になってたの!?」

「はい内々に処理していたのですが…恐らくイギリス滞在中にも色々と来ると思いますのでご覚悟してくださいね?」

「……セシリア、今すぐ学園に帰ろう。俺の事を好きにして良いから帰ろう」

「な、何て魅力的で犯罪的な破壊力のお誘いですの……!?カミツレさんを好きに……好きに…いやんいけませんわ…ぁぁっっ…♡」

 

思わず手を取って熱い眼差しを贈りながら真剣な声色で放たれた言葉の凄まじい魔力、それによって妄想がスパークしてしまう。そんな事も気にせずに彼女を抱き寄せて更に誘惑的な言葉を投げ掛けていく、それによって徐々にセシリアの表情も変わっていき、それも……と思ってしまい始めた時であった。運転席と繋がっているスピーカーから運転手の声が聞こえてきた。

 

『オルコット様、駄目ですよこれはイギリス政府からの正式な要請なのですから。カミツレ様もご理解ください』

「ぐぅっ……覚悟を、決めるしかないのか…!!!」

「もう…致し方ありませんわね」

 

がっかりしたように肩を落とす二人だったが、到着すると言われて停車したリムジン。既に研究所内に入ったのか窓の外に広がっている光景が近未来的な研究施設が広がっている、何処か男心を擽るのかワクワクしてしまっているカミツレは先程までの気持ちが抜けてしまった。リムジンはそのまま施設内を駆けて行き中央部にある巨大な建物の入り口前に停車する。そして扉が開け放たれて研究所が明らかになった。

 

「す、すげぇでかい…」

「私も初めて来た時は本当に圧倒されましたわ」

 

IS学園の校舎の数倍は巨大な建物が威圧感を放つように鎮座している、ここで自分の「大将軍」の前段階だった「蒼銀」が開発された…思わずそれに驚いていると入り口から一人の男が出てきた。がその男は如何見ても研究員という風貌をして居ない。黒みが掛かった茶色の長ズボンにやや明るい茶系の上着を纏っている何処か軽薄そうだが芯の強そうな男が姿を現した。その男を見た時、カミツレは目を限界までに見開いた。

 

「よぉカミツレ、暫く会わないうちに男上げやがって…兄貴として鼻が高いぜ」

「な、な、な、な……なんで兄貴が居るんだよぉぉぉぉっっ!!!??」

 

そうこの男こそ、カミツレの実兄にして杉山ファームの経営者である杉山 一海、通称「かずみん」その人である。

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