『灰色の鱗殻!!』『プラズマ手刀!!』
「次ッ!!」
『
「ラストッ!!!」
『ブルー・ティアーズ!!』『
第2アリーナの中、そんな中で一人の男が縦横無尽に動き回りながら頭の中で相手を思い浮かべながらその相手の武器を使いながら舞うように飛んでいる。己の最大の力とも言える極み、それを駆使しながら様々な武器に目を通し身体で体験する。それらを何度も繰り返しながら特性やリーチなどを身体に叩き込んで行く、それらは続けられ身体にも染み込んできているころの事。最後の剣、千冬の愛刀の後継型の一閃の最後を持って予め決めていた量にまでSEが減ると大きく息を吐きながら空を仰ぎ見た。
「ふぅぅぅ……」
『気合入ってますね』
相棒であり自分の子供であるカチドキからの言葉は何処か此方をからかおうとしているかのような物を含んでいるように感じられる、今更ながらこんな事を言えているのが人間ではないと言う事に驚くべきなのだろうか。いやこの場合は親としてこの成長を素直に喜んであげるのが一番なのだろう。
「気合が入って当然だろ、ヨランドさんだって来るんだ。かっこ悪い所なんか見せられるわけはねえ」
『おやおやお父様にとってはヨランドが一番大切なので?』
「妙な聞き方すんな、そういう意味じゃねえ。電話とかで話してるけど現状一番俺に会いたいと思ってるのはあの人で、いろんな思いを俺に向けてる。その内の一つが俺の成長さ」
カミツレの恋人達の中で最も会えていない人物で言えば真っ先にあがるのがヨランド、世間的に有名な現フランス国家代表。自分との婚約でフランス政府からも色々な事の手続きや仕事などで忙しい上に、会いたいと思っても彼女がいるのはフランス、加えてIS学園の特性もあってそう簡単に会う事は出来ない。そんな彼女と連絡をするたびに会いたいと口々に言ってくる。
「あの人も俺には勿体無いぐらい素晴らしい師匠だ、そんな師匠が見たいと思ってるなら全力で応えるのが弟子ってもんだろ」
『婚約者で師匠、良く思いますがカミツレは周りの人物とは複雑な関係を築いたりしてますよね』
「否定はしないけど、500近い子供の一人であるお前に言われるとは思わなかったわ」
最後まで握り締めていた雪片を手放す、地面に刺さる直前にデータ化されるかのように実体化が解除されたそれは消えて行く。それを見届けたカミツレはもう一度を空を見つめる。
「今回一番の強敵、お前は誰だと思う」
『そうですね……矢張り貴方の癖やらを理解しているセシリアや乱が一番厄介かと思います。実力云々よりも情報を持っている事はそれに対するメタを張る事を可能とします』
「俺もセシリアと最初に戦った時もそれやったからな」
カチドキが真っ先に上げたのは予想通りとも言える選出のセシリアと乱。二人は自分の傾向や癖を深く理解しているからこその戦法を取る事が出来る、訓練も二人とする事が多かったし自分の手札を一番良く知っている対戦相手とも言える存在。それを逆手に取ったメタを張り戦う事も十分に考えられる。
『他と言えば、操縦面での経験と技術が非常に高いマドカとラウラがツートップでしょう』
「妥当な所だな……一夏は如何思う?」
『あれも検討するのですか、遠距離保ちながらボコれば良いと思いますよ。なんなら「極ドライブ」でティアーズも展開して全方位リンチでOKです』
「お前さ……時々思うけど発想が鬼だよな」
不意に名前を出した一夏、それを聞いたカチドキは鼻で笑うかのようしつつも色んな意味で「白式」としても一夏としてもきつすぎる戦法をチョイスしてそれで攻めれば良いと言い放った。まあ確かにそれはシャルに対しても十分すぎるほどに有効だったのだから、一夏にやればそれ以上に有効だろうが……。
『その言い方だと、カミツレは彼を警戒しているので?』
「正確に言えば、千冬さんと同じあの力を警戒してる」
『確かにあれは警戒に値するでしょう、ですが私達ならば対処は問題なく出来るはずですが』
絶対的と言っても過言ではない突破、決定力を秘めている一撃必殺の伝家の宝刀『零落白夜』。千冬が世界の頂点に立ったのもこの力を完全に使いこなしたからこそ。例えどんな相手だろうが当てる事さえ出来れば相手を屠る事が出来る最強の剣。僅かな油断が大きな落とし穴となって自分に襲い掛かる。
「念には念をだ」
『備えあれば嬉しいな、という奴ですか』
「憂い無し、警戒するに越した事は無いんだよ」
一夏の近接戦闘技術は2年に上がってからかなり向上し続けている、それはラウラや箒と言った模擬戦相手が大いに力になっているから言える。接近戦だけで言えばかなりの物に仕上がりつつある、鈴もその腕前を認め始めているほど。もしもそれに『零落白夜』を万全に使いこなす方法が加わったとしたら一夏はとんでもなく厄介な相手に化ける。
『……了解しました、対策パターンの構築を始めておきます』
「頼む」
そう言い切るとカミツレは静かにピットへと戻って行く、ピットに付くとタオルやらドリンクを持って待機していたセシリアと乱が待ち構えていたので思わず笑いながら覗き見てたのか?と悪戯ぎみに問ってみると二人は慌てながらそれを否定するので、それを見て更に愉快そうに笑うのであった。
リア友「なあ、このSSってちゃんと終わらせられるのか?2年まで続いてるのって全然ないじゃん」
私「安心しろ。一応モンド・グロッソで終わりにしようかなとは思ってるけど」
リア友「そこまでの道筋見えてんの?」
私「愚問だな―――全然見えない」
リア友「おい」