「カミツレ~や~んもう久しぶりぃ~♪」
「どわぁったぁ!?」
満面の笑みのまま駆け出してきた母はそのまま胸へとカミツレを抱き込むと嬉しそうに笑い出す、久しく感じる母の温もりと声に何処か心の中では涙腺が緩くなっているが何故此処に居るのかという疑問も出てくる。
「んもう政府の馬鹿のせいで貴方に会えなくて本当に寂しかったのよ~お母さん、愛する息子に会えなくて毎日毎日家族写真前で貴方の安全を祈願したの、それが実ってて本当に良かったわぁ~!!」
「ちょ母さん母さん分かった、分かったから離してくれ!!ヨランドさんいるんだから恥ずかしいっての!?」
「フフフッ麗しい家族愛ですわね」
確かに世界でも希少すぎる男性操縦者という立場のせいで基本的に学園から出る事が出来ない、それが影響してか同じ県にある一夏は実家に帰る事は出来るが自分は県を跨がなければ帰れないので必然的に帰るにはかなり面倒な手順を踏まなければいけない。夏休み以来、家には帰っていない。
「それにしても、夏以来だけどまた逞しくなっちゃって~お母さん嬉しいわ~♪やっぱり子供が大きくなってる事が分かると本当に嬉しいわよねぇ♪」
「わ、分かったから母さん頼むから落ち着いてくれ……」
久しく会うのでやや薄れていたが、自分の母は基本的に天真爛漫で非常に好奇心旺盛。自分達家族の事を心の奥底から愛しているからこそ出る物を敢えて隠そうとせずにオープンに伝えてくる。ただの会話でも家族に対する愛情を感じ取れる程なのだが……何分テンションが高いのでそれに振り回される。
「ねえねえねえねえカミツレ、貴方のお友達は居ないの?是非お母さんに紹介してよ~。今までカミツレと仲良くしてくれたんだからご挨拶しないと!」
「分かった、分かったから母さん落ち着け!!」
「悪い……態々集まって貰って……」
「いえ別に気にしなくても……」
「んで、なんだよカミツレ。紹介したい人がいるって」
試合が一段落した昼休み、屋上で昼食を取っている皆はカミツレに会って欲しい人がいるというので待っていた、が妙に彼の顔は疲れているような感じがした。
「な、なんかカミツレさん疲れてません?」
「アタシとの試合で疲労してるんじゃないの?ゆっくり休んだほうが良いわよ」
「……いや、気疲れしてるだけだ……。んじゃほら来てくれ」
と物影に声を掛ける、そこから来るのかと誰もが其方を見ていた。そして一体どんな人が出てくるのかという思いを馳せる。影から漸く姿が見えてきた……淡いピンクの上着、白いミニスカートに黒いパンストを覆うように長い白いロングブーツ。流れるような淡い白雪のような長い白い髪……そして、顔全体を隠すかのような巨大なトラの被り物が見えた瞬間、女性陣は呆然とし、カミツレと一夏がずっこけた。
「いやなんでさ!!?」
「なんでトラの被り物ぉ!?」
「どうこれ可愛くないかしら、なんかのほほ~んとしてた女の子が貸してくれたのよ~♪何処で買えるのかしらこれ」
それを聞いた時、簪は一人顔を青くしながら本音だっ……と頭を抱えていた。一体何をやっているんだと……。そんな元凶は特に何も考えておらず、なんとなく貸しただけだったという。
「さてと、フェ~イス……オーフ!!可愛いトラちゃんだと思った?でもラッキー、綺麗で美人なお姉さんでした~♪」
「自分で綺麗で美人とか言うなよ……否定する気はないけど……」
トラの被り物を取りながら満面の笑みでポーズを決めて言う母に呆れる声しか出ないカミツレ。いきなりハイテンションな女性の登場に再び驚く一同だが、箒は束に慣れているのかそれほどでもなかった。
「つうかお姉さんって歳じゃねえだろ、もう五十超えてるだろ」
「そうなのよねぇ……でもまだまだ私もイケると思わない?だって乙女ですもの♪」
『『『『『ご、五十歳超えてる!?』』』』』
そんな驚愕の事実を周囲に振りまいているのにも拘らず笑みを絶やさない女性をカミツレは改めて紹介した。
「改めて……此方は俺の母親の杉山 愛理だ。一応言っておくが血縁とか確り繋がってるからな」
「今ご紹介に預かりましたカミツレの母です、皆さん何時も何時も息子と仲良くしてくれて有難うね。母親としてお礼を申し上げます」
と礼儀正しく綺麗なお辞儀をする愛理、しかし如何にも母親と息子という二人には見えない。頑張って姉と弟がギリギリだろう。そんな驚愕に染まっているのは現状かずみんとしか家族の面識がないマドカも同じだった。
「カ、カミツレのお母さん……え何、美魔女?」
「あ、あれで50過ぎ、だと……!?」
「やっぱり驚きますわよねぇ……わたくしもウォルコット叔父様とご挨拶にお伺いした時はビックリ致しましたわ」
「ほんとよね……」
「世の中って、凄いわね……」
「杉山君のお母さん……なんだか凄いお茶目だね」
「そう言うレベル、なのかあれは……」
「カミツレさんの、お母様……私もあんな素敵な女性になれるかなぁ」
「ねえカミツレ、私折角来たんだから貴方の晴れ姿をもっと見ていくわね。だから頑張ってね♪」
「ハァ……ナチュラルにプレッシャー掛けるなよ母さん……」
妻「どうして愛理にしたんですか?」
私「最初は愛って名前だったんだけど、実際にいるじゃん愛さん」
妻「ああ、確かに有名な方がいますね」
私「だから今FGOで復刻中のZEROから出したのよ」
妻「成程……因みにリアルお母様がイスカンダルを3体召喚した事に付いては?」
私「……泣きたい」