IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第201話

「準決勝、向こうはやっぱりセシリア対ラウラか」

「此処は予想通りな展開ですね」

 

全ての準々決勝が終了し、休憩時間の終了と共に準決勝そして栄光の優勝を奪い合う決勝戦が行われる。その準決勝の出場選手が全てで揃った。カミツレ、マドカ、セシリア、ラウラ、この4名が最終的な栄光を手にする4名となった。そんな休み時間、自室でのんびりとしているカミツレは乱と共に話をしていた。

 

「あれ、セシリアは?」

「なんか集中したいんだってさ、あと今度は私が勝ちますからって言われたよ」

「そう言えばカミツレさんの学園での初戦ってセシリアでしたもんね」

「ああ。引き分けだったなぁ」

 

思い出される最初の試合、あれこそ自分の原初(オリジン)に当たるのだろう。始まりは終わりと同じ場所にある、正しく自分の始まりは終わりと同居していて自分は始まりに進んだ。そこから自分はこのISに深く深く関わる道を選んだのだ。そんな彼女と戦うの頂点での戦い、原初にあった彼女と戦うのが決勝という最高の舞台になるかもしれない、これに―――燃えずして何処に燃えろというのだろうか。

 

「でもその前にマドカに勝たないといけませんよ?」

「分かってるさ、勝たなきゃ決勝に進めない。その為にも―――勝つさ」

 

準決勝の相手であるマドカは届けられた専用機「カーム・ウェヌス」で戦ってくる、今まで戦った事がない初見のISだがそれでも自分は負けるつもりはない。

 

「それでカミツレさん、マドカのISなんですけど……なんて言うでしょうか。継続的な戦闘能力が高いって私は思いますよ、実弾系が凄い多いんです」

「そういえば一夏もんな事言ってたな……」

 

実際に対戦した乱曰くマドカのISの武装はレーザーライフル、大型バズーカ、マシンガン、腕部バルカン、実体剣、ナイフ、ミサイル、BT兵器8基という内訳になっているらしい。こうして見ると確かに「大将軍」に何処か似通っているかのような武器構成になっている気がする。マドカの場合は極力SE消費型の武装を実弾系に置き換えているという印象を深く受ける。確かにこれならBT兵器を長時間使用していても、問題が少ない設計になっている。

 

「俺やセシリアのISが実験機とするなら、マドカのそれはそれらを踏まえて完成させた実戦仕様型って所か……というかこれ、BT兵器無しでも相当厄介だな……良い感じに纏まってて、隙がねぇな」

「万能型って感じですよね……しかも、マドカもセシリアみたいにBT兵器を操作しながら動けるんですよ。しかもかなりの高速戦闘しながら」

「セシリアは機体の関係であんまり高速戦闘はしないからなぁ……そうなると色々と大変そうだな。カチドキ、BT操作は一任するけど今まで以上にパターンを増やしておいた方が良いぞ」

『そのようで、新たに187種類のパターンを既に構築済みです』

「流石」

 

良いバランスに纏まっているマドカのIS、これは十全に扱えるだけの人間が使った場合とんでもない爆発力を生み出せるだけのスペックを隠し持っている。そしてそれを扱えるのがマドカ……覚悟して行かないと負けるのは自分になるかもしれない。

 

「対策、つったってなぁ……此処までバランスがいいと絡め手を逆に利用されかねないな」

「そうなると真正面からのぶつかり合いが最善手かもしれませんね」

「だなぁ……」

 

二人で対策会議のような物をしていると扉をノックする音が響いてきた。誰かと思いながらもチェーンを掛けながら扉を開けて見ると其処に居た人物を見たカミツレは既にチェーンを外した。

 

「やぁやぁやぁやぁやぁやぁ!!!お久しぶりだねミスターカミツレ!!また君に会う事が出来て私は非常に嬉しいよ、この嬉しさを表現する為に君をハグするね!!」

「リオノーラさんちょっと苦しい……ってかいってぇぇっ!!?ち、力強すぎ締まってる……っ!!」

「おおっすまないすまない!!」

「だ、大丈夫ですかカミツレさん!?」

 

ノックをしてきたのは「蒼銀」を開発した研究所の所長を務め「BTシステム」の開発とEパックの実用化を行ったイギリスが誇る大天才であるリオノーラ(Leonora)リヴィングストン(Livingston)であった。

 

「だ、大丈夫だよ乱ちゃん……こちらは俺の専用機を開発してくれた研究所の所長さんのリオノーラさんだよ……」

「やぁやぁやぁやあやあ!!君がミスター・カミツレの婚約者のお一人のミス・ランインだね!!?君の噂はかねがね聞いているよ、全く持ってこんな可愛い子までメロメロにしちゃうなんてミスターも罪な男だねぇ」

「て、照れますよぉ~もう♪」

 

そんな感じにあっという間に乱を褒め殺しにして一気に好感度を稼いだリオノーラは直ぐにランとも仲良くなった。改めて、この人は常時超ハイテンションではなく相手が喜ぶ事を即座に見抜く力までも持っていると思った瞬間だった。

 

「本当はもっと早く挨拶に伺うつもりだったんだがねぇ、周囲からの質問攻めが余りにも多かった物で振り切るのに時間が掛かってしまったよ!いやぁあっはっはっは、たかだかいきなり新型のISを披露しただけの事じゃないか!」

「いや十分すぎるぐらいにインパクトありますよ……?」

「うん。戦った私からもしても実際凄い驚きましたもん」

「おっそうかい?まあいいさ、私の時間を奪おうとしても無駄な事さ。私はこれでもフルマラソンを走破出来るぐらいには鍛えているからね!40ヤードも5.1秒だからね!」

「なんで40ヤード……?」

「この前ネットで見たアメフトのアニメが面白かったからね」

 

そんなフリーダムなリオノーラに乱は面白い人という印象を持つのであった。

 

「それはそうと……ミス・マドカが使っている「カーム・ウェヌス」は私が再設計した物でね。シンプルに強いという物をコンセプトにして作ったよ。日本風に言えば……質実剛健だったかな」

「質実剛健か……望む所だ!!」

 

リオノーラの言葉に更に闘志を燃やすカミツレ、間もなく始まろうとする準決勝。一体どのような嵐が巻き起こるのか……!?




妻「まさかの再登場ですね、リオノーラ・ビッテンフェルト」

私「リヴィングストンな。まあ専用機の開発元だし、出そうとは思ってたけどね」

妻「攻撃が強めな万能型と継続重視な万能型。何だか貴方と私の趣味のような対決ですね」

私「否定はしないね」

妻「サザビー対νガンダムみたいですね」

私「それ、確実に私とカミツレ負けるやん」
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