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ではまずは原作邂逅編です!
時系列的には学園祭後ですね、原作は。
「んでさ、その時に俺言ったんだよ。お前は女の子を都合の良い玩具か何かだと思ってるのかってさ」
「それで良く荒れなかったな」
「寧ろそれならば本当の愛を受け取ってくれとか言われたよ、まあ断ったけどさ」
あくる日、カミツレは自室にて一夏と共にゲームをしながら適当な雑談を行っていた。本当に昔ならばこの二人がこんな事をしているなんて絶対的にありえなかった筈、しかし今では普通に良い関係を築けている義兄弟となりつつある。まあ一夏が兄貴と呼ぼうとするとカミツレが嫌がるので、カミツレ呼びな事に変わらないのだが。
「そう言えばさ、カミツレ。さっきから気になってたんだけどさ……この部屋にあるリングみたいな装置って何なんだ?」
思わず指を差しながら一夏が興味を示したのはこの部屋に置かれている土台に接続されているリング状の不思議な機械。今までこんな物はゲームなどでしか見えた事が無いような物一夏は興味深々になっているがカミツレは触るなよっと釘を指す。
「それは少し前に束さんが置いて行ったなんとかってエナジーを採取解析するワープゲートの試作品って話だ。色んな場所で採取実験をしたいって言うからIS学園の俺の部屋でそれをやってるんだ」
「さらっと言ってるけどさ、何とんでもない物作ってんだよ束さん」
「何言ってんだよ、あの学園に来るまで毎回ワープで来てるって言ってるんだぞ」
「マジで!!?でも束さんなら普通に納得できる不思議!!」
「本当かどうかなんて定かじゃないけどな」
まあ兎に角話を聞くだけでもかなり複雑そうな機械、まあ触らないのが一番だろうと手を引っ込める。―――がそんな時、いきなり機械が騒音を発し始めていく。カミツレは思わず一夏へと酷く呆れた目を向けるが一夏は必死に否定する。
「違う違う俺は何もして無い!!確かに近くで見てたけど触ってないから!!」
「ならこの状況をどう説明すんだよ、明らかにお前が原因だろこれ」
絶対に違うと否定する一夏も、まあそれが本当ならばなぜいきなりこれが動き始めているのか調べる事が急務になってくる。と言ってもカミツレは全く分からないし束を呼ぶしか手はない。この騒音も何とかしたいので携帯を取り出して電話をかけようとした瞬間に部屋の窓が勢い良く音を立てて開かれた。
「束さんがぁぁ……いきなり窓から来たぁぁ!!」
「うわぁっ束さん!?どっから沸いたんですか!?」
「窓からだよ?」
「いやそんな何この子変な事を言ってるの?みたいな顔で俺を見ないでくださいよ!!?」
まさかのいきなりの束の登場に驚く二人、どうやって来たのかと問うよりも取り合えず機械の騒音を鎮めてくれるように頼むと束も二つ返事でそれに取り組む。
「これは―――どうやらエナジーの観測に成功したっぽいねぇ。しかも、相当濃度が高いなぁ……これ」
「えっそれ大丈夫なんですか」
「うんこのままだったらこれが爆散するね」
「「やばいじゃないですか!!?」」
「まあまあ落ち着きなさいよって、だから束さんがこうしてきているんだからさ。此処をこうして、こうして出力をカットして採取を止めれば……ほら」
束が腕に付けているキーボードでちゃっちゃと操作を行うと機械の警報音にも似た騒音は収まって行き静かになっていく。二人は束のこれでOKっと言う事に思わずホッと息をついた。このままだったら爆発すると言われたのだからしょうがないだろう、だがこれで安心出来ると肩の荷が下りた時だった。機械から妙な駆動音と何やら凄まじい光が溢れ出している。
「んっ間違えたかな?」
「「うぉぉぉぉおおおおおい束さぁぁあああああああん!!!??」」
そんな二人の叫びと首を傾げる束、それは機械から溢れていく光が飲み込んで入った。そして、その光が収まる頃には喧しかった音は消え去って滑らか且つ静かな駆動音だけが部屋の中で木霊する。そこに3人の姿はなかった。
「ゲッホゲホッ……束さんちょっと何が間違えたですかっ!!?」
「ホントだよったく、俺達下手したら死んでたかもしれないじゃないですか!!?」
「いやぁごめんごめん……だってあれ適当に作った試作品だし……」
「じゃあそれをなんでカミツレの部屋においといたんですか!?」
「いやだって適当に作ったし、動力源にスイッチ入れてなかったからまさか動くなんて思わなくて……」
「まあ兎に角、俺達生きてるみたいだな……」
光に飲み込まれた3人は目を覚ますと学園のアリーナに立っていた、二人にとっては見慣れている且つ使い慣れているIS学園のアリーナ。自分達にとっては日常の延長線上にある景色だが、何故自分達はこんな所にいるのだろうか。部屋にいた筈なのに何故こんな所にいるのだろうか。
「もしかして動いちゃって転移しちゃった?にしてもアリーナに転移……随分とショボイ転移だなぁ」
「いやいやいや……俺は"石の中にいる"みたいなことになってないだけでもう超嬉しいですよ……」
「全くだ……。というか距離的には大した事が無くてもワープしてる時点でやばい事実ですからね束さん……?」
「いやワープはもう実用化してるからね束さん」
「「マジでっ!!?」」
既にワープを実用化していると軽々しく発言する束に驚きの視線を送ったカミツレと一夏、本当にこの人はどれだけとんでもないのだろうか……と思いたくなる。がそんな時、カチドキが警報を鳴らしながら警告して来た。
『此方に向けられた高エネルギー反応を確認!!』
「高エネルギーってなんだよ!?」
「んな事は如何でもいいだろ!!束さん俺の後ろへ!!」
「大丈夫だよもう居るから」
「おめぇもだ一夏!!」
「アッハイ!!」
後ろへと入ったのを確認するとカチドキを展開し「ディバイダー」を合体させて構える。するとピットからアリーナへと出てくる時の発進口から光の砲弾のような物が飛来して来る。それを真正面から受け止めたカミツレ、そのとんでもないエネルギーに押され気味になるがそれを弾き飛ばして地面へと叩き落す。「ディバイダー」に対エネルギー防御処置をしてくれたリオノーラに対して心の中でお礼を述べると発進口から次々とISが飛び出してきた。
「おいおいなんだよまた俺を目の仇にしてる連中か?」
「カミツレ、俺も手伝うからこれ終わったら千冬姉に言いに行こうぜ」
「だな―――束さん、お願いだから殺気をしまってください」
「ちぇっ~」
そんなやり取りをしているとその中から二人が一気に接近してきて切りかかって来た、その一方を一夏が「白式」を展開して受け止め、カミツレが白いISの攻撃を受け止めるがその時にとんでもない事が分かった。襲い掛かってきたISを動かしていたのは一夏、箒と全く同じ顔をしていたのである。
「はぁぁっ!!?」
「おいちょっと待てよ!?なんで箒切り掛かってきてんだよ!!?」
「い、一夏がふ、二人だと!!?な、何がどうなっているんだ!!?」
「あっやべ束さんやばい事気付いちゃった。ここ、並行世界だわ」
『はぁぁぁぁああああっっ!!!??』