IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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という訳でその2!!

今回からは要望が多かった真耶関連ストーリー!!
これは本編リンクさせるかもしれません。


第220話 特別編2:その1

「んでそっちは如何なんだよ」

『最近はガチで酪農も導入して事業拡大中だな』

「何、あれマジでやってんの?」

 

自室でくつろいでいた時の事、兄から連絡が入ってきた。連絡直後に避妊の確認をしてきた時は本気で殺意が沸いたカミツレであったが兄の言葉なのだから本気で取らなくて良いと自分を抑えて、何とか正気を保つのであった。

 

「んで何の連絡だよ、これでくだらねぇ用件だったらマジでぶっ飛ばすぞ。俺にはもう約500人の子供のネットワークが味方してるの忘れんな」

『おい冗談抜きで怖いからやめろよ』

「そうだな、手始めに兄貴だけがみーたんだけのライブを見れないようにするのもありだな」

『マジですいませんでしたカミツレ様俺から神の恵みという名のみーたんの声と姿を奪わないでください』

 

直後に帰ってくるのはガチトーンの謝罪である、恐らく自分からは見えていない筈なのに土下座までしているに違いない。まあ実際にやるつもりはない、と言うかこれで子供らにみーたんブームが起きたりしたら今まで以上に面倒な事になってしまう。

 

「んで本当に何の連絡だよ」

『本当にやめてくれよ……?』

「しねぇからさっさと言えよ」

『はぁっよかったぁっ……!!んでまあ、連絡はあれだ。学園で使う分の野菜が今日届く手筈になってるからその連絡だ。お前のと料理部と学食で使う分』

「なんか増えてね?主に学食」

『注文来ちまったんだからしょうがないだろ』

 

どうやら自分の知らない間に学食でも「俺たちの杉山ファーム」で作られた野菜が使われているらしい、道理で最近一夏が学食で野菜が美味くなったから野菜炒めばっか頼んでしまうと言っているのを思い出した。学校全体で妙な野菜ブームもそれが原因なのだろうか……となるとイギリスに移ってからファームはとんでもなく事業拡大している事になるのではないのだろうか……。

 

『確か学園で使われてるうちの4割ぐらいは家で作ってる奴だぞ』

「おいちょっと待て、どんだけファーム拡張してんだよ!!?」

『ふふん、イギリスがそれだけの土地を提供してくれたんだよ。それにリチャードの旦那が信頼出来る農業関係者とか回してくれてるのもあるな。それにお前の嫁の束さんが特別製の農作業具を作ってくれたお陰でもうどんだけ敷地があっても作業するのがもう楽しくてな!!』

 

キラッキラしている兄の声で知らされる全然知らなかった実家の現状、と言うかイギリスの実家すらまともに見ていないのでどうなっているのか本気で気になって来た。まあリチャードが手を貸してくれていると言う事は本気で安心出来るという事なのだろう。それにしてもまあ、まさか束まで手を回しているとは……土壌開発用ナノマシンを散布しただけではなかったらしい。

 

『頭ぁ~またなんかお偉いさんが来てますけど如何します?』

『あ"あ"ぁんまた来やがったのか!?ったく今折角カミツレと話してんのに……おい勝、修也と聖吉にそいつら足止めしとけって言っとけ。リチャードの旦那に連絡すんぞ』

『うぃっす直ぐにやります!!』

『悪りぃなカミツレ、ちょっと野暮用が出来ちまった。んじゃまた今度な』

「ああ、三羽烏にもよろしく伝えといて」

 

と連絡を切りながらも実家の事が本当に気になって来た、一体どんな事になっているのだろうか……。元々のファームの事を考えるだけでも十分過ぎる位に大きな土地を所有する大地主だった、それよりもずっと大きい土地を確保していると言う事になる、のだろう……。なんだかいよいよをもって実家も普通では無くなって来た気がする……。まあカミツレの実家と言うだけで普通である訳が無いのだが。

 

「受け取りに行くかぁ……後、真耶先生にも連絡しとこっと」

 

と言いつつも慣れた手つきで真耶への連絡先を開いて連絡を入れて、受け取り口に向かうのであった。因みに連絡先に乗っている人物達で一番連絡しているのはダントツで真耶である。

 

 

「そうなんですか~今回は一緒なんですねぇ」

「ええらしいですよ。というか真耶先生知ってましたか、うちで作ってる野菜が学食で使われてるの」

「全然知りませんでしたよ、確かになんだか急に野菜がおいしくなったなぁとは思ってましたけど。そういう事だったんですね。でも4割って……カミツレ君の実家、なんだか凄い事になってません?」

「俺もさっきそう思いましたよ」

 

とIS学園の搬入口にて待機している師弟コンビ、真耶は久しぶりにカミツレと一緒なのに少しご満悦だった。最近は妙にヨランドとの師匠関係が推されているが、カミツレの師匠と言えば一番最初の師である自分なのである。しかし、最近ではヨランドが師であるという事が全面的に出てしまっており、自分がカミツレの師だと1年生に授業の一環として話した事があったが全然信じられなくて地味にショックな出来事だった。でもこうして一緒にいるとカミツレは最近の出来事や自主練の事などを積極的に話してくれて、相談などもしてくれる。こうしてくれるとやっぱりカミツレは自分の事を師だと思ってくれていると言う自覚が産まれてくる。

 

「にしても真耶先生にはすっげぇ世話になりっぱなしですね」

「何を今更言ってるんですかぁ師匠なんですから当たり前ですよぉ♪」

「でもなんかやっぱり何か御礼とかしたいなぁって思う訳ですよ」

「それだったら今日の夕御飯お願いしますね♪」

「はいお任せくださいね」

 

お互いに笑いあって、互いに信頼をぶつけ合う。二人の間にあるのは酷く強い絆、カミツレにとっては自分の全てを切り開いてくれた原点を作ってくれた師匠。真耶にとっては自分にとって初めてであり、とても可愛い弟子。そんな二人の間には虹のような美しい絆の橋が出来ている。

 

「さぁっ運びましょうか弟子君♪」

「はい師匠♪」

 

だが、そんな風に普段通りに進んで行く日常の風景、僅かに強い風が吹こうとしていた。それは―――教師から齎された。

 

「ねぇっ真耶、貴方カミツレ君の事を如何思ってるの?」

「どう、ってどう言う事ですか?」


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