襲来するカミツレママこと、愛理さんのIS学園探索とドキドキ一夏の家族体験!!
「はぁっ……」
「なんだよ如何したんだよカミツレ、味噌チャーシュー大盛りが伸びるぞ?というかそれ野菜盛りすぎだろ。どこぞの次男系ラーメンみたいな事になってるじゃねぇか」
「しゃあねえだろ、うちのファームの野菜使ってるっていうからちゃんと美味いのか確かめておきたいんだよ」
「何だよその理由……その結果がそのトッピング野菜マシマシかよ……」
昼休みにカミツレと一夏は二人共で学食で食事を共にしていた。普段はそれぞれの恋人と食事を取るようにしているのだが、たまには男同士で食事をする日と言う日を作った。既に1年以上学園で生活しているがそれでも知らず知らず内にストレスを抱え込むのでそれの解消が目的である。
「いやさ、お前にも来てんだろ。代表候補の話だよ」
「ああ来てるよ。全世界から来てて面倒ったらねぇよ、ぶっちゃけた話俺の「白式」は倉持技研が作った事になってるけど最終的に完成させたのは束さんだしその辺りの説得力は薄いんだよな。千冬姉に相談したら日本が嫌ならそれはそれでいいって言ってたし」
「まあいざとなったらあの人らが動けば、簡単に国一つを諦めさせるなんて簡単だからな」
「だよな、あっ煮卵くれよ。代わりに俺のエビフライやるから」
「ラーメン食ってる奴にエビフライを渡そうとすんなよ、まあ好きだから良いけどよ。真ん中の一番でかい奴な」
と互いの食べている物を交換しつつ何処か当たり前のように話しているが、個人の力でいとも容易く国を諦めさせるという事は普通ではないのだがある意味で感覚が麻痺している二人はそれに気づかない。尚、片方は姉と義姉、片方は嫁である、文字にするとなんだか分からなくなる。
「個人的に俺は日本嫌だな~って思うな、前まで馬鹿やってた内閣じゃなくなったけど今までの事があるからなぁ……」
「それは分かる、俺なんかそれが影響して研究所送りになり掛けたからな」
「カミツレの場合は怨むっていう資格があるからなぁ……」
「多分一生許さねぇだろうな」
そんな適当な会話をしながらも以前の学年別トーナメントにて、各国からのアプローチを受けた事が思わず話題に上がって行く。
「でもさ、カミツレの場合はもうイギリスの候補生なのにそんなの来るのか?」
「正確に言えば見合いの申し込みだな」
「ああ成程な、何れ俺にも来るのかなぁ……」
「来るだろうな。まあ何かあったら遠慮なく言えよ。お前にはハニトラとか効かないだろうが、それをネタに国を脅す事も出来るからな」
「ああそうだな」
本当にこの二人は色々と感覚が可笑しくなっている、軽々と国を脅すことが出来るなんて言葉が出てくることだろうか……。
「そんな事より俺が心配してんのは他にあるんだよ」
「他にって何だよ」
「2年生は来年には3年で本格的に進路を決める必要が出てくる。操縦者なら候補生の予備に入るか、ISメーカーに就職してISの実験に協力するとか色々決めるだろ」
「あ~そう言えば真耶先生が決めとけとか言ってたもんな、まあ俺達の場合は嫌がったとしてもどっちみちISに関わる事になるけどさ。いっその事俺もイギリスに高飛びするかな……」
「それも一つの手なのは確かだな。何時そんな事になっても大丈夫なようにリチャードさんに言って準備でもしといて貰うか」
「そりゃいいな、ついでに所属できる研究所の目安も頼むぜ」
「ついででいいならやっとくよ」
と日本政府の役人が聞いたら真っ青な顔で一夏を説得しそうな内容の話が飛び交う中で、カミツレはいよいよ本題にはいった。進路を決めるのに重要な期間に入った自分達、これからは自分のやりたい事だけではなく自分の能力なども鑑みた上で判断し、将来の道の選択に入らなければならなくなってくる。教師に相談して、自分のやりたい事と出来る事をすり合わせて決めて行く将来、そして学校にはそれらを話し合う重要な物がある、教師や生徒にとっても非常に重要な物である。
「三者面談、それが近々あるらしいぞ」
「……マジか」
「マジだよ」
生徒にとっても大事であるイベント、それは三者面談である。通常の学校では普通に行われる行事だがIS学園はその特異性故に簡単には行えない。その為か基本的に不定期、加えてどのタイミングでやるのか知らされない。各国から学園へと両親を招くにも時間が掛かるし都合もある、故にTV通話で済ませる三者面談も多いとの事。
「んで母さんと兄貴は俺に会う為って事で態々イギリスから来るらしい……」
「母さんってあの愛理さんか?うわぁすげぇ喜んで来そうだな」
「喜ぶから来るんだよ……今から頭が痛いわ……」
カミツレの母である愛理、天真爛漫という言葉が実に似合う性格と行動をする女性であると一夏も記憶している。そして、一海とカミツレと言う子供がおり50を越えているというに若々しく居続ける美魔女。母に会える事は喜ばしく思っているようだが、母のストッパーにならなければならないという事が目に見えているのからカミツレは溜息を付いているのだろう。
「あれ、でも俺ってどうなるんだ?千冬姉は教師としても俺の保護者としても出るって違和感ねぇか?」
「ばぁ~か、だから俺の母さんと兄貴が来るんだよ」
「えっ?」
「あのな……まだとは言え俺はお前の姉さんである千冬さんと婚約してんだぞ。お前は俺の義弟っつう事は母さんにとってはもう一人の息子であり兄貴にとっちゃもう一人の弟って事になるんだよ、だからお前は母さんが保護者枠で出るんだよ」
「あっそうなる、のか……。そうか、カミツレの母さんが、俺の母さんに……母さん……母さん、か……」
思わずエビフライを食べる手を止めた一夏は小さく母さんと言う言葉を何度も繰り返す。一夏にとって家族と言うものの全ては千冬だけだった、物心付く前に両親はいなかった。そして親代わりとして千冬に育てられてきた。故に一夏は両親からの愛情を受けた事が無く、母親という事が全く分からなかった。友達の母親などを何処か羨んだ事もあったが、自分には千冬がいるのだから何も思う事はないと気持ちを押し殺してきた。だが今は違う、カミツレと言う義兄とその家族と自分も家族になる。しかし如何すればいいのだろうか全く分からない。そんな一夏を見越したのかカミツレは溜息を吐きながら額をつついた。
「変な事なんて考えなくていいんだよ。何時か自然に慣れる、家族って事は別に特別扱いせずに触れ合えばいいんだよ」
「って言われてもなぁ……」
「取り敢えず元気良く、お母さん♪って呼ぶところから始めればいいのよ♪」
「なんか難しそうだなぁ……」
「そう難しい事なんかねぇよ、なあカミツレ」
「そうそう、変に緊張する必要なんて……」
「「うおおおおおっっっ!!!??」」
途中から話に割り込んできた声に驚いて飛び退いてしまう、自分達を覗き込むように微笑んでいる二人が立っていた。それは紛れも無いカミツレの家族である愛理とかずみんがそこにいた。
「カ、カミツレのお母さんにお兄さん!!?」
「あら違うでしょ、もう私は貴方のお母さんで」
「俺はお前の兄ちゃんなんだぜ?」
「いやんな事如何でも良いわ!!なんで学園にいるんだよ二人とも!!?」
「えへっ会いたくなっちゃって早めに来ちゃった♪」
「ちょっと用事があったついでに連れて来ちゃった♪」
「クソ兄貴てめぇの仕業かぁぁぁぁっっ!!!!」