IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第228話 特別編3:その4

カミツレが胃潰瘍で倒れ、更に悪化している事なんていざ知らずに愛理は一夏を案内役を頼んでそのまま学園の散策へと繰り出していた。常に笑みを作りながら一夏の説明に逐一反応しながら、言葉を返す愛理に一夏も案内の説明のし甲斐があると笑いながら次へと案内をしていくのであった。

 

「んじゃ次行きますよ~」

「は~い♪」

 

今まで母親という存在を知らずに育ってきた一夏、千冬が持っているのはどう言い繕ったとしても父性であって母性は持っているとは言い難い。そんな彼が始めて体験する母性は酷く温かみがあって心地よい物だった、加えて愛理自身は酷く温和で優しい性格である上にコミュ力の怪物と言っても過言ではないレベルに誰とでも親しくなる。その相乗効果故か、一夏はすっかり愛理に取り込まれるかのごとく仲良くなってしまいカミツレが危惧する事態に陥ったという訳である。

 

かずみんも流石にこれは自分が悪いと自覚し始めたのか、自分が何とかしようと思ったが千冬に流石にそれは……と言われたので大人しくしている事にした。一応仕事は既に終わらせている千冬が二人を探す事になったのだが……ちゃんと見つけられるのか、そして愛理のペースに自分も巻き込まれないか酷く不安になりながら捜索を開始するのであった。

 

「あ~楽しかった♪此処ってば本当に良い所ねぇ♪」

「楽しいってなんからしいコメントですね」

「だって本当に楽しかったんだもん♪」

 

と笑みを浮かべたままで散策を続ける愛理を先導する一夏だが、先程は真耶が顧問を務めている料理部に顔を出して自分の家で作っている野菜を使ってくれて有難うという事と野菜に適した調理方法を伝授し、偶然訪れた美術部では学園祭で行っていた爆弾解体ゲームに挑戦し、最高難易度を一発クリアしてしまうという快挙を成し遂げた。流石の一夏もこれには仰天したが、直ぐに流石!!ともう愛理のテンションに適応してしまったのかキラキラとした瞳でそれを見つめ、愛理は自慢げに豊満な胸を大きく張って嬉しそうにするのであった。

 

「次は何処に行きたいですか?」

「そうねぇ……う~んやっぱりIS学園に来たんだからISを見たいかしら」

「あっだったらISの整備室に行きますか?俺もちょうど専用機の調整をしたいんですよ」

「あらっそれじゃあバッチグーじゃない!!それじゃあ整備室へレッツラゴ~♪」

「おっ~!!」

 

と完全に愛理にペースを握られている上にそんな愛理に頼られるのが嬉しいのか一夏も一切ストップを掛けずに要望に応えてしまっている。しかも行く先々でその美女は一体誰なんだ!?と言われればカミツレのお母さんなんだよと答えて、愛理もそれに合わせてカミツレのママで~す♪とポーズまで取って返事をするので一気に情報が広がっていくカミツレが知ったらもう、更に胃が悪く事、間違いなしである。

 

「という訳で、此処がISの整備室。普段は整備課の人達が色々やってるんだけど専用機持ってる人も此処で調整とかも出来るんだ」

「おおおっ見た事も無い機械とかいっぱいあるぅ~♪」

 

と、到着した整備室。好奇心の塊のような性格をしている愛理にとって此処まで刺激的に好奇心が満たされる場所も中々無い事だろう。様々な物を映し出すモニター、見た事もない精密且つ好奇心を満たすかのような機械類、壁から伸びているアームやISを固定する為の器具などなど……SF映画にしか出てこないような物ばかりの空間は愛理にとっては素晴らしい世界にしか見えない。

 

「あんまりはしゃぎ過ぎないでくださいよお母さん」

「分かってるわよぉ~♪」

 

と言っている間にも愛理は超ハイテンションを必死に抑えているのか、うずうずしながらあちこちを見て回りたさそうにしている。一夏もそんな愛理の心情を汲み取ったのか早々に機材に生徒証で認証を通して、専用機「白式」を展開しようとした時であった。此方に気づいたのか二人の生徒が此方を見つめてきた。

 

「あらっ誰かと思ったら織斑君じゃないの」

「なんだ一夏か」

「ちょっと簪さん酷くありませぇん……?はぁっ会長もお久しぶりです」

 

と話しかけてきたのは以前カミツレのストレスを爆発させた原因である楯無とその妹である簪であった。今まであった姉妹間の蟠りは既に無くなっており、今では仲の良い姉妹となっている。

 

「それで織斑君そっちの方は?」

「……何、今度は美魔女を本気で誑かしたの?」

「酷くないですかねそれは!!?この人はカミツレのお母さんだよ……」

「初めましてカミツレの母の愛理です♪何時も息子がお世話になってます」

 

と愛理は礼儀良く頭を下げて挨拶をするのだが、楯無は思わず顔を引き攣らせてしまい簪はあ~あと言いたげな表情を作るのであった。既に許させ、蟠りは無くなっているとはいえ楯無は以前カミツレのストレスを爆発させる原因を作ってしまっており、それ以来カミツレには何処か頭が上がらなくなっている。そんな母君がいるという状況は楯無にとっては辛い状況となっている。

 

「そ、それでその、その愛理さんが如何して此処に……?」

「なんか三者面談の為に来たらしいですけど日にちを間違えちゃったらしいですよ、それでカミツレが許可を取ってくるっていうので、俺はその間学園を案内してるんですよ」

「そ、そうなのね……。えっと色々体験してみます……?」

「ぜひお願いするわね楯無さん♪」

「……カミツレさんのお母様、って事はあれ歳幾つなの……?」

 

と簪は何処か青い顔をしながら愛理を設備などを説明しながら案内している楯無を見ながら、愛理の年齢についてに辿り着いた。カミツレとはマドカを通じてよく話しているのでかずみんという兄がいるという事も良く知っている。そしてそんな兄が大農場の主な事も、それらを踏まえると愛理も結構な年齢な筈なのに如何見ても若々しい若奥様にしかみえないという事に疑問視か産まれてこない。これはどういう事なのだろうか……。ガチの美魔女、それにやや戦々恐々としつつも自分もそうなれたならいいなぁと思う簪には他にも気になっている事があった。

 

「あの人の声、ガンマイザーに似てるっ……!!」

 

 

「えっとこれはですね、ISの適正を調べる物でもあるんですよ。お母様も試してみます?」

「ぜひお願いするわね!!」

「それじゃあ……えっえっ何これ!?」

「お姉ちゃん如何したの……IS適正A+++!!!?ちょっなんなのこれ!!?」

「それって凄いのかしら?」

「す、凄いに決まってるじゃないですか!!?こ、国家代表レベルの適正なの!!?しかもこの数値って織斑先生やアリーシャ代表にも迫るとんでもない物よ!?」

「いやん私ってば優秀♪」

「優秀って言葉じゃ片付けられないですよこれ!!?」

「すげぇ、すげぇよ母さん!!」

 

更にカミツレの容態が悪化する出来事が増えた瞬間であった。

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