「IS適正A+++なんて、世間に公表したらえらい事になるわよ……」
「如何するのお姉ちゃん?」
「今の段階ならデータの改竄に隠蔽は楽勝よ、なんとかね……」
さらっと世界が驚愕するようなとんでもないようなISの適正を叩きだした愛理、適正は操縦者がISをうまく操縦するために必要な身体的素質とされているが訓練や操縦経験の蓄積などで変化することもあるため、絶対値ではない。事実、当初適正がBとなっていた一夏もその数値は大きくなっていき今ではAに限りなく近いB適正となっている。そんな中でいきなり適正がA+++を叩きだした愛理はとんでもない存在ともいえる。
適正の最高値としては千冬やアリーシャと言ったヴァルキリーらのSが最高の適正とされており、世界でも数名しか確認されていない。+というのは瞬間的に数倍の適正を叩き出す事を可能にしている記号でこれらを持つ操縦者は極めて稀で凄まじい潜在能力を秘めている事になる。+が付く数によって倍になる適正数値は増えていき愛理の場合にはS適正を完全に凌駕する力を瞬間的に発揮出来る可能性を秘めている事になる。仮に愛理が以前からISに乗っていた場合、世界を征していたのは彼女だったかもしれないと言うことも十分にありえるとんでもない数値。
「ふぅん私ってば世界一ね!って事なのね」
「ま、まあ大体そういう認識であってます……」
「顔が引き攣ってるよお姉ちゃん」
「なんか俺は普通に納得出来ちまったよ。だってカミツレの母さんだもんな」
「いやんもうそんなに褒めて何も出ないわよん♪」
と嬉しそうにその場でスピンしながらも笑っている愛理だが、楯無はギリギリと胃が痛むのを感じながら本当に如何すればいいのだろうかと思い始めた。自分の立場的に愛理を確保して自国に協力して貰うように要請するのが一番だが、カミツレには今までの事での借りや面倒を掛けた事がある。それにこんな事を公表したら世界に争いの種を撒くような物だ、出来ればそんな事はしたくない。
「え、えっと愛理さん、で良いんですよね?」
「ええそうよ美人な会長さん♪」
「良かったねお姉ちゃん、一応美人認定されてるよ。美魔女に」
「有難うね簪ちゃん」
仲良くなれたのはいいのだが言葉の節々に棘を仕込んで向けて来る簪に、苦々しい笑顔を向ける。今はそれに加えて精神的に辛くてまともに言い返せそうに無いのでそのまま続けた。
「あ、あの貴方はこれからISに関わって行く気はありますか。貴方の息子さん云々ではなく貴方自身が」
「私?ISを操縦したりとかそういうこと?」
「はい」
この答えによっては楯無も取るべき行動を決めなければいけなくなる、今ならこのデータも何とか出来るしカミツレに相談してそこから束に連絡してもらって何とか出来るかも知れない。取れる手段があるが愛理がそのつもりがあるならばそれも難しくなるだろう、愛理は暫し考えるように腕を組む、その際に揺れる胸に簪は思わず少しシュンとしつつも自分だってと思ったりしたのは余談である。
「そうねぇ……ISは確かに面白いし色々とスリリング、そんな道に進んでいくのも面白いと思うわ」
「―――それじゃあ」
「そうね、関わっていくでしょうね―――今の事をもっと昔の私が聞いてたらね」
「……えっ?」
そんな愛理の言葉に思わず驚きながら見つめると、愛理は近くにある「打鉄」の黒鋼カスタムを見つめながら呟く。
「今の私にはいまの生活が一番性に合ってるのよ、あの人と一緒になって一緒に野菜とかお米を育てて大地に根を張った生活を送る。そんな生き方が私は大好きなの、母なる大地に寄り添って色んな物を育んでいく。今の私はもう深く根を張りすぎてて、飛び立つのは無理ね」
「愛理母さん……」
「それにね、カミツレはもう空を飛んでる。そんなあの子が疲れたり何か困った時にはそれを受け止め一緒になって苦しんだり、悩んだり、羽を休ませられる所が必要だと思うの。私は大地、そんな息子を受け止められる存在になっているの」
真っ直ぐと見つめるIS、それに一瞬羨望の眼差しが向けられたがそれは直ぐに慈しみの視線になっていた。今の愛理は地面の上でのんびりと何かを育てたりする事を本気で愛している。そんな彼女までもが空に行ってしまったら
「ならそんな夢、応援させてもらいますね」
「あらあらっ有難うね♪それと会長さん、貴方きっと卒業したらいい旦那さんに巡り合えるわよ♪しかもすっごい大恋愛ね!!」
「えっ!?い、いきなりなんです!?」
「愛理さんの突然の恋占いよ♪これでも的中率は8割超えてるから信用してくれてもいいわよ♪」
といきなり言われても楯無は自分が良い人とで会えるというビジョンを中々イメージ出来なかった、既に国家代表と言う立場にある上に更識の当主というのも重なってまともな人と会える事も出来ずに親が決めた辺りの相手と結婚を迫られるんだろうなぁ程度の認識でしかなかった。
「良かったねお姉ちゃん、行き遅れにならないってお墨付き貰って」
「簪ちゃん貴方かなり失礼よ!!?それならこの子は如何なんです!!!?」
「うーん……そうね、趣味が合う相手を見つけられるわよ。あらっしかも一緒に変身してる姿が見えるわ」
「ドヤァッ……」
「わ、我妹ながら腹が立つぅ!!!」
と好き放題にやっていた愛理だが、此処で漸く千冬が登場して愛理を捕まえる事に成功した。一夏はカミツレの現状を聞いて顔を青くしてなんて事をしてしまったのだと、事態の深刻さを理解すると真っ先に土下座するのであった。だが愛理と仲良く慣れた事に後悔は無く、愛理が自分の三者面談に出てくれた時には、三者面談を担当した真耶の目の前で堂々とお母さんと呼べるようになっていた。
「そうなのよ千冬さん。昨日はカミツレと一緒に寝たんだけど、この子ったら眠ってる時に私に抱き付いて、お母さん大好き……って寝言で言ってたのよ!!んもう本当にツンデレさんなんだから♪」
「ほうほう、それは実に愛らしいでしょうな。いや、カミツレは私が抱き付いた時なんて、顔を赤らめて上目遣いで私を見てくるから本当に愛らしくて……」
「いやん何それ凄い見たい!!!ねえねえこの場でやって見せてくれないかしら!!?」
「勿論!!さあカミツレやるぞ!!!」
「母さんに千冬さん、頼むから勘弁してくださいお願いします……本当にお願いしますこの通りです……」
とカミツレの三者面談は唯の三者面談ではなく、愛理と千冬の互いのカミツレに関する惚気エピソードに延々と使われ、カミツレにとっては地獄にも等しい時間だったそうな……。
「良いわよカミツレこっち見て~!!千冬ちゃんもピースピース♪」
「こうですかね、ほらっカミツレも笑顔だ笑顔!!でないとキスするぞ?」
「……いっそ、殺してくれませんかね……」
はい、特別編その3は終わりです、やっぱりこの位がベターかな、
今回は唯ひたすらにカミツレを苛める感じになったな。得したの愛理と一夏と千冬だけだなこれ。
特別編はもう直ぐ終わりかなぁ……多分……予定は未定!!
ついての募集は活動報告にて行っております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=197099&uid=11127
上からどうぞご覧になってください。
さてさて次回はどんな番外編になるのかな、乞うご期待!!
次もカミツレいじめて見るかな……。本当に予定は未定。