「人の気持ちを察する事もせずに自分の気持ちを優先し続ける奴、状況判断も力量の判断も出来ないくせに相手を倒そうとする馬鹿、勇気と蛮勇を吐き違えている―――って大丈夫かしら?」
「ぐ、ぐおおおおおおっっ……!!!!」
と胸を押さえながら蹲って苦しんでいる一夏、それらを見ながらカミツレが内心で思い続けていた本音を共に聞いていたセシリアと乱もそりゃまあそう思われるだろうなっと思いつつもハッキリ言ってるなぁという感じの視線を真名に向けていた。恐らく内心でカミツレはそれはもう嬉しそうな愉悦顔を浮かべていることだろう。
「まだ聞く気ある?」
「ありますっ……俺はそれを反省して謝らないといけない責任が……!!」
「それじゃあ続けるけど……後は明らかに自分で手に負えない癖に頼るべき最善手を打たずに事態を悪化させかね無い事をした馬鹿、しないのと傍観の意味すら知らないとかだったかしらね」
「……」
恐らくシャルの時の感想だろうがそれがとどめになったのか最早燃え尽きそうな表情をしている一夏、セシリアと乱も流石にこれ以上はやめておこうとストップを掛ける。
「お、俺は……俺は……」
「一夏さんあのその、こ、これから変わって行けば良いんですよ!!もうしないと誓って新しい自分になればいいのです!!」
「そ、そうよ!!大切なのはこれからなんだから、頑張りなさいよ!!」
「……そっかな、そうだよな、よし、それじゃあ……これから頑張るぞ俺……!!!」
「まあ言った事実はなくなら無いけどね、それとカミツレは絶対に忘れないって言ってたわよ」
「うわぁぁああああああああああああああ!!!!!!」
「「今それ言っちゃいます!!?」」
オーバーキルの言葉が襲いかかり、一夏の叫びと必死のフォローなどをするセシリアと乱。同時にかなり根に持っているんだなぁと真名に向けるとアイコンタクトでそりゃ勿論でしょう。っと帰ってきてだろうなと思う二人であった。
「うごがぁっ……こ、言葉とは、刃で御座ったか……」
「な、なんか言葉おかしくなってる!!?」
「ま、真名さん流石にやりすぎですわ!!?」
「いやだって私も、カミツレから凄い聞いてたからそれで若干彼にヘイト感じてて。ごめんなさいね」
「い、いえそれが俺の罪ですから……」
とSEのチャージが終わった「白式」を纏い直すと今感じた全てを訓練にぶつけているのかアリーナから凄まじく感情が乗った声が響いてくるのでセシリアと乱は思わず真名を見つめるのだが、肝心の本人は何処かサッパリとしたかのような表情で額を拭っていた。それが妙なほどに絵になっていて少々腹が立った。
「ふぅっスッキリした……。やっぱり言いたい事を言い切るとすっきりするわね!!」
「どれだけカミツレさん、一夏さんに対して不満を溜め込んでたんですか……。途中から凄い仲良かったのに」
「幾ら仲がよくなったとしても感じた不満は忘れないようにしてるの、そうすれば何時か返す時に確りとお返しできるから」
「……カミツレさんって、敵にしたら凄まじく後悔する上に怖い人ですよね」
「うふふっ否定はしないわっ♪」
と、もう何処か真名としての演技も慣れてきているのかかなり女性的な仕草が出来るようになっている。それを指摘すると誰が何処で見ているか分からないからやらざるを得ないと死んだ目で返されたので、どちらなのか本気で分からなくなるセシリアと乱であった。その後は鈴と遭遇した際には、彼女に大きな胸を凝視され、苛立ち紛れに揉まれたりしたせいか、再び常時死んだ目になり、二人以外の女子に反射的に恐れたので部屋に戻ったと言う。
「……やっぱり俺この姿嫌だよ、改めて実感した」
「カ、カミツレさん元気を出してください。我慢するしか無いんですから……」
「流石にお姉ちゃんあれはやりすぎですよね……服の下からは反則ですよね」
因みにこの後、カミツレが元に戻った後でこの事をネタに鈴に忠告すると鈴も流石にやりすぎたと反省していたが中々揉み応えがあったと言った為、その後模擬戦に付き合って貰った。その際にカミツレは「極ドライブ」をフル活用してレーザーの雨を降らせたからか、鈴からガチ謝りされたという。
「はぁっ……というかさ、全然考えなかったんだけどこれ、俺風呂とか如何すればいいんだろうか」
「う、う~ん……この部屋に付けられているのでお一人で、でしょうか……?」
「それがきっと一番だと思いますよ」
「……やばい、なんか壮絶なフラグを立てたような気がする」
と思っているときの事であった、突然カチドキが声を上げた。
『お話の途中申し訳ありません、カミツレ。どうやら貴方もう直ぐ元に戻りますよ』
「えっ嘘なんで!?」
『お母様曰く、個人差で変化するという話なのでその影響かと』
「じゃあやばいじゃねぇか!!?直ぐ着替える!!!」
とカミツレは自分の着替えを持って直ぐに風呂場へと向かっていく、そして約5分後には元に戻ったカミツレが先程まで纏っていた制服らを綺麗に畳んで持って戻ってきた。
「はぁ……よかったちゃんと戻って……」
「ああ、やっぱりそのお姿が一番安心いたしますわね」
「ですねぇ!カミツレさんはそうじゃないと!!」
「有難うね二人とも」
と笑い掛けて来る二人にお礼を言いながら、今日はご馳走でもつくろうと思い当たるのであった。
『あっそうです。お母様から伝言です、またTSしたくなったら言ってくれだそうです』
「絶対もうやらねぇよ!!!!」
がこの後、千冬に強要されてなくなくもう一度真名になり、千冬の玩具にされてしまうカミツレであった。そして暫くの間、千冬から一、二品を食事から差っ引いたという。
え~、すいませんがTS編は此処までです、ぶっちゃけこれ以上何も思いつきませんでした。想像以上に何も思いつきませんでした。
そして百合描写などを期待してくださった皆様、本当にすいません。だって普段から女性的な感じがあってなんか書きづらいし百合ってどっから何処がそれなのか全然分からないんだもん!!
次回は……多分、帰省編かな?