「さてと……という訳で早速『リミットオーバー・ドライブ』を実際に使用してでの試合を行ってみて貰ってもいいかな。私としても実際の稼動データも欲しいところだからね!!」
「ぶっつけ本番でですか?リヴィングストンさん流石にそれは……」
「ノンノン、リオノーラと呼び捨てで構わないさ!!堅苦しい言葉形式なんて私などに必要ナッスィング!!気安くリオノーラと呼んでくれたまえ!!なんならリオーラでも構わないさっ!!何々時には大胆さも研究には必要なのさっ!!」
「真耶さん、この人に敬語とかは多分いらないと思いますよ。女王陛下の前でもこのテンションのままらしいですから」
「ええっ……」
インストールが順調が進んでいる中でリオノーラが早速稼動データを取りたいというので、試合をして欲しいとせっつくが真耶は流石に試運転ぐらいは慎重に行った方が……と言うが、肝心の鬼才は全く気にしておらず是非共に大胆に使って欲しいと漏らす。そして真耶はリオノーラがこのテンションで女王陛下と接するという事を聞いて、ドン引きするのであった。
「まあ兎に角、俺が何言っても試合させられるんじゃないですかね。だからこそアリーナを態々貸しきってる訳ですし」
「うむその通りだ!実際はデータの流出を抑える為でもあるんだが、実際は私が稼動している所とデータが欲しいからというのが本音だ!!!」
「あんた技術者としてよろしくない事言ってるの気づいてます?」
自分が何を言ったところでリオノーラは恐らく聞いてくれないだろう、超ハイテンションである事に加えて自分の欲に対してかなり忠実。自重こそするが、だからこそ手回しを入念を行ったり許可取りなどの余念が無い。態々ライダー本家の許可まで取る位なのだから、それがよく分かる。
「分かりましたよ。んで俺の相手は誰をするんですか?今からでもセシリアとか乱ちゃんを呼ぶんですか?」
「ふむ、彼女らでも私としては一向に構わないのだがね……今回は別の相手を用意させて貰っているよ」
「別の……一体誰なんですか?」
「最近メキメキと頭角を現している代表候補生だよ、彼女は学園には進学をせずに本国でISメーカーの所属として日々腕を磨いている身なのだよ」
という事は自分の知らない相手と戦うという事になる、ある意味セシリアや乱と戦うよりも辛い部分があるかもしれないが彼女の実力やらを知っていると如何にも楽に思えてしょうがない。超高速で反転してきたり、レーザーを自由自在に操る相手よりも辛い相手なんて数える方が難しい……いやカミツレの場合は簡単に数えられる。主に千冬とヨランドのことだが。
「俺と同じ相手って事ですか。でも正直、千冬さんやヨランドさんの相手に比べたら確実に見劣りしますよね。この前だって千冬さんに近接戦の訓練付けてもらいましたけど、あの人マジで可笑しいですよ」
「何々、また戦乙女がとんでもない事をやったのかい?」
「俺が振るったブレードを突きで止めやがりました。しかもそのまま切り返すだけじゃなくて、ブレードの平地を剣先で押し込んで無力化されました」
「噂で彼女のとんでもエピソードを聞いていたが、マジで彼女人外かよ」
「あれは先輩がとんでもないというか……普通は出来ないというかやろうとも考えないことですからね……」
例えISの補助があるといっても高速で動きながらの鍔迫り合い、その中で比較的に隙が大きい物を瞬時に見抜いた上での正確無比な一撃。それによって剣の勢いだけではなく相手の勢いすらも削ぎ落としていく一手。カミツレもこのとんでもない行動で勢いを大きく削がれて攻守を逆転させられてしまった。
「んで、態々そんな子を俺に当てるって何か意味があるんですか?」
「彼女は次期イギリスの国家代表を狙えるとまで言われてる人材で実力は申し分ない、コアの関係で専用機は開発されていないが彼女自身はそこは余り気にしていない」
「ふぅん……」
「だが問題なのは彼女は負けず嫌いな上に非常にプライドが高い上に傲慢な所があってね……自分には絶対的な自信があるのだよ、しかも性質が悪い上にそれらを裏付けるかの如く実力は折り紙つきだ」
彼女の名前はジラ・クラウザー。両親がIS関係の事業をしているだけに幼い頃よりISと携わっている彼女自身もISの適性はAと申し分無い人材、加えて頭脳と身体的な能力にも秀でている為に天才として育てられてきた。それ故か傲慢で絶対的な自信家で自分が認められない事を認めないという困った面を持っている。そしてそんな彼女は今現在カミツレを絶対的に敵視しているとの事。
「
「違う、そっちのジラじゃない」
「なんでそこで俺なんですかね」
「今現在イギリス国内では代表候補生の№1と考えられているのは君とセシリアだ、しかし彼女は君が気に入らないらしい。彼女はセシリアとは一度対戦し敗北していてそこは認めている、寧ろ打倒セシリアを目標としているのだが……戦ってもいない奴にこの私が下に見られているなんて耐えがたい苦痛!!!と言ってきてね……政府としても困った人材として扱われているんだよ、多少なりとも女尊男卑思想もあるのかもしれないがね」
「うっわっ……」
戦ってもないのに実力が下に見られるのが嫌、というのはまあ分からなくもないがそれが耐え難いというのは理解出来ない。天才故の万能感に酔いしれないのが気に食わないという奴なのだろうか、元一般人のカミツレからしたら全くもって理解出来ない感情だ。
「それで俺にそのプライドを打ち砕け、とでも言いたい訳ですか?」
「察しがいいじゃないか、そうだ。あの傲慢チキで何時まで経っても幼児的な万能感が抜け切らない自称天才を、努力を積み重ねてきた君が打ち破ってくれ」
「やれやれ、面倒な事を押し付けますね……。いいでしょう、引き受けますよ」
GINO:1998年公開の映画『GODZILLA』に登場したハリウッド版ゴジラの蔑称。一応日本版のゴジラ映画『ファイナルウォーズ』ではジラという名前を貰ったが、それも英語でゴジラが『GODZILLA』となるので、そこからGODを抜かれた名前となっている。
尚、海外では「Godzilla is Name Only」(≒「ゴジラとは名ばかりのパチモン(意訳)」略して「GINO(ジーノ)」と呼ばれる事もあるので寧ろジラはマシな名前である。
やっぱりマグロを食ってるような奴は駄目だな。