IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第251話

『ツェレ、お一つお聞きしたい事があるのですがいいでしょうか?』

「なんですか、変な事聞かないでくださいよ。この前いきなりスリーサイズ聞いてきたじゃないですか」

『あ、あれはツェレ用の礼服の為に聞いたのです!!断じて変な事ではありませんわ!!』

 

ジラ・クラウザーという予想外の弟子志願者との遭遇から数日、カミツレは通常の訓練に加えて公式公認の「大将軍」専用装備である『リミットオーバー・ドライブ』の訓練も行っていた。

 

この「タイプ・オーバー」は公式が公認した上でデザインの監修までしたと言うこともあってライダーらしさが溢れている。主にドライブへのリスペクトが凄まじい。そもそも見た目やタイヤ、全力稼動の際に展開される頭部装甲なんてドライブの「タイプ:スピード」を一部改修しましたみたいな見た目なのだから。お陰でカチドキのこのテンションが半端ない事になっており、カミツレとしても思いもよらないコネクションが出来てしまった。先日お礼の連絡をして見たら、楽しんで仕事をさせてもらったとのコメントも頂いて複雑な心境である。

 

という事もありながら室内でのんびりとしながら石森プロからご厚意で頂いた『仮面ライダー超全集完全コンプリート版:平成編』を読んでいるとヨランドからの連絡が入ってきた。

 

「んで何を聞きたいんですか?」

『そうでしたわ。実は聞きたいと言うのはツェレ宛に来ているお見合いの事なんですの』

「ああ、俺の身体目当てって事が見え見えっていうあれの事ですね」

『なんでしょうね、ツェレの身体目当てと言われて怒りとエロティックな響きを感じてしまいましたわ』

「自重してください」

 

カミツレも今や全世界から大注目されている身。世界各国が必死になって一夏と同様になんとか接点を作ろうとしたり自国に取り込みたいと必死になっている最中、その中で一番多いのが一夫多妻制度を利用した見合いであり二人には毎週のように見合い写真が大量に届いてくる。と言ってもカミツレと一夏は全く興味がないのでそれらを全く見ずに破棄している。千冬に捨てても問題ないかと尋ねてみて、問題ないと言われたので全部ゴミの日に合わせて捨てている。

 

「俺は全部捨ててますよ、まあ一夏も全スルーしてるので同じみたいなもんですけど」

『そうですか、では何も見ずにということですか?』

「ええ。中身に関しては全くもって、どんな人がどんな服を着てるのかも何処の国からの物なのかも見てないです」

『そうですか……まあそれが妥当とも言えますわね、実際に一方的に送りつけられているだけですし』

「そういう事です。でもなんでんな事聞くんですか?」

 

聞いてみると何処か頭が痛そうに溜息を吐きながらこう言う。

 

『実は申し上げにくいのですが……私の学生時代の知りあいが貴方に見合い写真を送ったら何の返事もなくて失礼極まりないと私に難癖を付けてきまして……』

「うっわなんですかそれ……性質悪いなぁ……。なら直接俺に言えばいいのに」

『いえそれはあれの性格が悪い癖に貴方に直接何かを言えば束に伝わる危険性を配慮しているからですわ。ですが私に言えば、私の性格上伝わる事がないと考えたのでしょう。まあ確かに伝える必要もないと思って伝えてませんけど』

 

だとしてもカミツレとしても余り気分がいい話ではない、ヨランドには大きな恩がある上に婚約している関係に当たる。そんな彼女に対して自分の文句を言う、ヨランドとしても困ってしまうことだろう。

 

「直接的な原因は俺でしょうに……それ一体誰なんですか、俺が直接文句言いたいんですけど」

『いえっツェレが相手にするような相手ではありませんわあのような方は。今回の事も私が適当に相手しておきますわ』

「いえ俺がやりますよ、自分のやった事の始末ぐらい自分でやります」

『むぅ……ツェレがそこまで仰るならば……』

「有難うございます、んでその人ってどんな人なんですか。女尊男卑主義者ならそれ相応の準備したいんで」

 

主にレコーダーやら天災に対する協力要請やら色々である、相手が敵意むき出しの相手なら全力で叩き潰すつもりで準備を行うつもりでいるカミツレをヨランドは軽く窘める。どうやら女尊男卑主義者という訳ではないらしい。

 

『彼女は女尊男卑に対しては否定的ですわ。実力と相手の人格を重視するので相手が誰であろうと平等に接しますわ、その時も彼女はツェレの実力は大いに評価しておりましたわ』

「へぇっ……ヨランドさんから見てその人って如何ですか?」

『忌々しいことですがとても優秀ですわね、正直な話をすると彼女は私とも相応にやり合えるだけの力を持っておりますわ』

 

それを聞いて思わずカミツレは考えを改めた、ヨランドがここまでの高評価をするなんて正直言って予想外だった。かなり人格的にも問題ないようにも思えるし、そうなると悪いのは自分の対応と言う事になるだろうか……。

 

『後はそうですわね……凄まじくお金に厳しいですわ、中々の守銭奴かつ拝金主義者ですわ。人一倍、いえ数十倍はがめついですわ』

「ああうんまあそこは……」

『後凄いうっかり屋ですわね、非常に優秀な実力なのに肝心なところで凡ミスをするのですわ。それが原因して私との勝負ではよく哀れな敗北を繰り返しておりますわ♪』

 

この時のヨランドの声が異様にウキウキしている事にカミツレは何か因縁があるのだろうかと、思うが薮蛇を突きたくはないので敢て何も言わなかった。

 

「それで、その人って一体誰なんですか?」

『ええ、その人の名前は―――リン・トオサカ、日本でも有名な資産家でありながら個人でISを所有、研究する事を許されている特殊な立場にいる方ですわ』




実はヨランドと同時期に出す予定があったけどなんか出て来なかった方、漸く登場。
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