IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第260話

「まあ予想はしてましたけど……やっぱり普通の島って訳じゃないんですね」

「寧ろ束さんが持ってる島なのに、他の島と何も変わらないって天文学的な確率になると思うよ」

「否定出来んのがあれだな……」

 

束所有の島、通称"天災の玩具箱"へと到達したIS学園の生徒らはいきなり登場した束に驚きつつも彼女の案内で島に立てられている超大型宿泊施設「シャングリラ」へと場所を移すのであった。そこは先程まで自分達が乗っていた船の機能を数倍にパワーアップさせたかのような場所。巨大なホテルとショッピングモール、アミューズメントパークに温泉施設などなどを掛け合せたかのようなごった煮の複合施設。初日はこのまま自由時間になり、各生徒達はシャングリラで存分に過ごす事が許可されていた。因みに管理や制御を行ったり従業員役としてそこにいるのは全て束製の自律機動型のロボット達。

 

千冬やカミツレ、セシリア、乱と共に束と話をするために個室へと移動しながらもやっぱりとんでもないアイランドだったこの島について頭を悩ませるのであった。

 

「束さん、この島は一体どんな場所なのですか……?自律機動型のロボットなんで、今でも研究が続けられておりますが自分の意思で物事を考えて動くなんて……あれもISコアのようなものが?」

「うんにゃ、あれを制御しているのはISのコア・ネットワークだよ。最近はコア達も個性豊かになったからね、ロボ的な感じでも良いから人間としての動きを体験してみたいってリクエストが来たから作ったんだよ」

「それで作れちゃう辺り流石ですよね……流石大天災……」

「ISに比べたらちょろいちょろい♪」

 

この島には大体3000体程のロボ達が点在しているが、その全てがコア・ネットワークによって制御されている。人間への理解や自分の趣味や実益をする為に操作されている、これもコアの成長の為には重要なファクターをしているらしく、人間で言えば職業体験や仕事の研修のようなものらしい。今回の校外学習中は人間とのふれあいを持つ絶好の機会として捉えているらしく、中にはヒーローショーのようなものを独自企画して公演を行っているコア達までいるほど。因みに、そのヒーローショーには今現在簪とマドカが訪れており、そのクォリティに興奮しつつも何故かコア達に此処がなっていない!!と指導をしてしまっている。

 

「それって、大丈夫なんですか束さん?コアの人格の事が露見するんじゃ……」

「大丈夫だよ。カッ君達みたいにカチドキの事を知っている皆以外は、束さんが作った人工知能としか捉えないだろうから。そういう風に振舞うようにいってあるし」

「まあまさかISのコアが、カミツレさんの影響でこんなに人間くさくなってるなんて、誰も思わないでしょうからね……」

「俺のせいではないでしょ!?俺のプライベートタイムを勝手にコア・ネットワークに流したカチドキのせいだろ!?」

『強いていうなら俺は悪くねぇ』

 

まあこうなった原因となったのは間違いなくカミツレだろう。そもそもがカミツレがカチドキを覚醒させ、共に過ごしていく過程で特撮やらアニメやらに嵌って入ったのがコアの今を作り上げたのだから。だからと言っても大体は、カミツレがただただ普通に見ていた特撮映画をカチドキがコア・ネットワークに中継していたせいになるのだが……つまり二人が原因なのである。

 

「最近は第三世代の『操縦者のイメージ・インターフェイスを利用』って所を応用して精神や意思でコントロールする小型のロボとかも作ってるよ。手が届かない細かい部分の作業とか調査とかに有効だね」

「それ、何処のカスタムロボですか?」

「あっバレた?」

「人間の精神や意思でコントロールする小型ロボ」

「ですよね~♪」

 

と何処か通じ合っている二人にセシリア達は首を傾げるのであった。まあ一応遊んでいた上に日本人であるカミツレでないと分からない事だろう、一夏もこの場にいたら反応はしていた事だろう。あれは実に良いゲームだったから。

 

「しかし束、お前そんな場を校外学習の場として提供して良いのか?ロボ一つ取っても世界中が欲しがる技術だろうに」

「まあね、自律機動型のロボットとか普通に世界的にみたら喉から手が出るぐらいに欲しい物だろうし」

「そ、それって大丈夫なんですか!?下手したら世界中の人達が此処に来ますよ!?」

「大丈夫大丈夫、下手に手を出したらどうなるかなんて今更語るまでもないでしょ?」

 

そういわれてみたらまあ確かに……今現在最強の軍事力ともいえるISを完全に掌握出来るのは束とカミツレ位だろう。この二人が一言言うまでもなく、コア達は自主的に襲う事なんてせずに自力で反逆を起こして所属国への攻撃を行う事だろう。手を出せばどんな報復が待っているかなんて確かに語るまでもない。

 

「それにこの島はもしもの時の為の備えも万全だからね。この島にいる限り、島内部の連絡は出来るけど専用の機器を使わないと外界との連絡は取れない。通信網とかも全部コア・ネットワークと一緒に監視してるからね、情報の漏洩はありえない」

「そう言えば全世界から完全に隔離されている特殊な島って……」

「そう良い所だよ乱ちゃん!この島は特殊なステルスフィールドで島全体を覆ってるんだ。視覚的にも勿論、レーダーとかで見てもこの島を捉える事なんて出来ない。正しく怪奇、何処にも居ない筈なのにどこかに存在している島なのさ」

「……そのフィールドの名前ってもしかして、偽装鏡面って言いませんか……?」

「さっすがカッ君、よく分かってるぅ~!!!!」

 

思わずカミツレは頭を抱えた、以前自分は束に自分が好きな特撮やらアニメやらを見せた事があった。この人はそれらを再現してしまっていたのである。千冬達はその偽装鏡面とやらの詳細を聞きたそうにしているが、頭が痛くなって来たカミツレは束に凭れ掛かりながら、完全に説明を投げるのであった。




私「カスタムロボ懐かしいなぁ……またやりたくなってきた」

妻「BRとか激闘とか、またやりたいですね……是非新作を出して欲しいですわ」

私「ホントだよね……」

妻「まあ出したとしても、貴方は私には勝てませんでしょうけどね」

私「それは君がめちゃくちゃ上手いのに違法パーツを悪びれる事も無く使うからでしょうが!?」

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