IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第266話

『カチドキ、貴方は自意識が余りにも過剰です。客観的な評価をする事が出来ない障害でも引き起こしているのですか』

『違う!!私はカミツレの相棒として立派にやっている、そのつど問題が起きたとしても直ぐに修正しています!!今だってもう直ぐやってくるドライブドライバーの為にやる気を出している所!!』

『随分と非論理的な思考になったものですね、お母様にシステムの最適化をお願いしたら如何ですか?』

『ムッキィィィィ君は本当に喧嘩を高値で売りつけるのが御上手ですな482!!こういうのを人間的になったと言うのです!!』

『貴方の場合は無駄な事を学びすぎて非効率的な思考に変わって無駄な事をしているだけです』

 

とシステムのシンクロを行っている最中も続いている相棒とこのISに搭載されているコアとの口喧嘩、AIなのに此処まで喧嘩できるのもある意味凄い気がする。今喧嘩をしているこの二人のAI、一体何処が人間と違うのだろうか。強いていうのであれば肉体が無い程度の事だろう。

 

『お父様、お一つお願いしても宜しいでしょうか』

「何だ?というか別にお父様って呼ばなくても良いぞ、カチドキなんて俺をからかう時か自分にとって大きなメリットが無い時ぐらいしか呼ばないし」

『……カチドキ、聞き捨てなら無い事をお聞きしましたよ。貴方私たちのお父様に対して敬意を持って接しないと言う何事ですか』

『だってカミツレからしたら一々お父様と呼ばれるのも堅苦しいでしょうに』

『そういう事ではなく、常に敬意を持って接するべきだと言っているのです。呼び方だけではなく他の方法でも敬意を示す事が出来るのです』

 

コアのナンバー数で上か下かで決めるとしたら、カチドキの方が明らかに年上なのに年下の家族に完全に言い負かされているこの現状が酷く面白い。まあ杉山家だってかずみんが一番下で自分が上になっているのだから、このような事があったとしても可笑しくは無い。

 

「それで頼みって言うのは何だ?」

『はい。是非私にお名前を付けていただきたいのです』

「名前ェ?カチドキみたいな奴?あれだって機体名がそれだったから延長的にそう呼んでるだけ何だけどな」

『えっそうだったんですか!?』

「今更かよ、にしても名前ねぇ……俺ネーミングセンスないからな」

 

正直カミツレはネーミングセンスという物に対して全く自信が無い、ゲームのキャラの名前だって以前使っていた物を使い回すなんて基本だしニックネームだって基本的に付けないタイプ。それなのに子供の名前を付けて欲しいなんて無理難題にも程がある、生涯使われ続けていく名前を考えて欲しいなんて正直荷が重い。

 

『いえそんなに難しく考えていただなくても結構ですので、あだ名のような物でも結構ですので』

「う、う~ん……そうだな。それじゃあ、シーナなんて如何かな」

『シーナ……?』

「まあパッと思いついたと言うかさ、482から4を取って、それにSEEDを掛けて華を合わせてシーナ。種から立派に成長して綺麗な花を咲かせて欲しいなぁなんて思ったリして……」

 

子供から少しずつ成長して立派な大人になって欲しい、そんな風な願いを込めたつもりで考えてみた名前。それがシーナ、カミツレが初めて考えた子供に対する名前。気に入ってくれるだろうか、482はその名前を咀嚼するかのように繰り返しながら確かめていく。そして暫しすると嬉しそうな声が返ってきた。

 

『とても素晴らしい名前だと思います、それにお父様は私の事を子供だと認めてくれているようでとても嬉しいです』

「認めるの何も確りと俺の子供だと思ってるよ、束さんの子供何だから俺の子でもあるさ。まあそのさ……これからよろしく頼むよシーナ」

『はい宜しくお願いします、お父様。コア№482、個人名:シーナ。完全登録を完了しました。……』

「ど、どうした?やっぱり気に入らなかった?」

 

突然黙り込んでしまったシーナに対して少し慌てるカミツレ、やっぱり自分にはこういったセンスがないのかなぁと思っていると慌てたように気に入っていると返事が返ってくる。

 

『いえ、私のシステム内データの一部が大きく変動しています。グラフが乱れ……いえ高い水準を記録し続けています。恐らく今私は……とても嬉しいと感じているのだと思います』

「そっか、うんそりゃ考えた甲斐があったってもんだ」

『ISコアは操縦者と関わりを持つ事でより大きく成長するとお母様がそのようにプログラミングしている、とされています。どうやら私の中にある人格形成プログラムが人間の感情という物を学習し始めているのだと思われます。これが喜び……とても興味深いです』

 

それを聞いて思わずカミツレは笑ってしまった、まるで恋人という存在を知ってそれを周囲に聞いて無意識なうちに周囲を強烈に振り回しているチェイスのようだ。しかし、相棒のカチドキが人間らしいというか殆ど人間として接していたのでなんとも思わなかったがAIである彼らが感情を理解していると言うのはかなり凄い事なのでは無いだろうか。

 

『ではカミツレ、ついでに私にも新しい名前を』

「お前はそのままでいいだろ、今更変えて呼び直すの面倒だし」

『扱い酷くないですか!?私だって貴方の子供なんですけど!?』

「それ以上に俺の相棒だろ。父と子という関係には留まらない相棒という深い関係なんだから、構わないだろ?」

『ぐぬぬぬっ……』

『お父様、端的にこのようなカチドキの状態を因果応報、ざまぁっ、是非もない、どれが正しいのでしょうか』

「ざまぁで」

『了解しました、カチドキざまぁないですね』

『ムッキィィィ!!!!』

 

「いやぁ本当に愉快だなぁ……」




妻「感情表現可能……カチドキのせいで忘れてましたけどこれとんでもないですよね」

私「だね、世界中で行われてるAI研究が既に無駄と化した瞬間だし」

妻「因みにネーミングセンスないのは貴方ですよね」

私「うんそうだよ」

妻「シーナって名前考えるのに何分掛かりました?」

私「え~っと……仮面ライダーなでしこのページ見てからSEEDの小説版みて思いついたから……大体5分?」

妻「はやっ」
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