「悪いですけど束さん、俺も気になるので見てから行かせて貰いますよ」
「いいよいいよ~別に構わないよ。意見も聞いてみたいからね」
早速新生した「白式」へと搭乗した一夏はそのまま稼動試験へと飛び出して行った。火花を散らせながら飛び出した一夏は機体の感触を確かめながら、まずは簡単な事から初めて行きスロットルワークの確認などから入って行く。各部に装甲が増設されているからか、矢張り機体は以前の物よりはかなり重いと感じる物がある。それでも高出力機、その重さに負ける事なく平然とするかのように稼動を続ける。
「やっぱり機体が重いって感じがするな。でも感じがするだけで普通に動ける、なんかスロットルワークが凄いやりやすいなこれ!」
機体の重量が増えている関係でその分、動くためにはより多くのエネルギーを使用する。その為に一夏にとっては扱うのが難しかったスロットルワークが一気に優しくなっていた、各部に増設されているスラスターの影響で小回りも利き易くなっている影響で運動性も大きく向上している。最大速度は落ちているが、結果的には大きく向上した機動力と運動性に一夏は早くも満足気味だった。
『いっ君、機動面に満足したら射撃武器も確認してね。そっちは基本オーソドックスなものしか突っ込んでないからさ』
「あっ分かりました」
その場でストップしながら、武器へと目を向ける。基本雪片一本だけだった一夏からすると武器一覧にそれなりの数の武装がある事に思わず感動を覚えてしまう、そしてどんだけ雪片が容量を食っていたのかがよく分かる瞬間であった。
『搭載しておいた射撃武器はアサルトライフル、バズーカ、ショットガン』
「お、おおおっ……ぶ、武器がある……銃がある……」
『そこまで……か、確かに。お前からしたら武器といったら雪片だったもんな』
と通信越しにカミツレの同情塗れの声が響いてきた。豊富な武装を使いこなす「大将軍」と対極的な存在、それが今までの「白式」という存在であった。それなのにこの時点でもう武器がこんなにある、もう何も言えなくなってくるレベルで凄い。ライフルを展開するとずっしりと手に来る重量に、歳相応の興味を持ちながらも現れたターゲットへと向けて引き金を引いて見る。すると驚くほどに命中して行く。
「当たったっ!?散弾の射撃命中率が27%の俺が、当てた!!?」
『いや流石に低すぎるだろ……"れいど"とか"じわれ"以下とかどんだけ駄目なんだよ』
『まあ射撃補正システムがなきゃそんなもんだよ。実際に拳銃を撃っても命中率は半分以下って話だし』
「いやぁにしても良いなぁ……でも今度はこれを動きながら当てなきゃいけないんだから、相当訓練つまないと……」
今までは近接と高機動訓練に全振りしていた一夏。しかしこれからは訓練のやり方も見直していく必要がでてくる。試しに動きながら的に向かってトリガーを引いて見ると、命中率が47%まで一気に落ち込んだ上に中央から大きく外れているものばかりだった。
「……めっちゃ外れて47パーってどういう事なの」
『まあそれだけ雪片が邪魔だったって事だな。おまえ自身の射撃適性は低くはなかったって事だ、前向きに捉えろ』
「いいけどさ、それって逆に最初の「白式」ってなんなのって事になるんじゃないのか?」
『ぶっちゃけあれって唯の地雷機体だからね、よくもまああそこまでいっ君頑張ったもんだよ』
「言っちまったよ!!?」
まあ実際高出力で高燃費な近接オンリー機体なんて地雷過ぎるので束の言葉は正しい、仮にそれが欠陥ならばカバーする為に何かしらの工夫はするべきなのである。
「それじゃあ次は……いよいよこいつだぜ」
そう言いながら一夏は剣を展開した。新たな雪片……『雪片夏之型』という自分の新たな力。今までの日本刀のような物ではなく幅が広い西洋の剣というイメージが合致する。刃は酷く頑強そうで例え地面に叩き付けたとしても折れるどころか、刃毀れさえもありえないだろう。そして特質すべきは雪片と違って重い、という事だろう。ISのパワーアシストがあるので問題なく振り回す事が出来る、それでも重いという事が感覚として実感出来た。
「雪片に比べて、随分重いな……」
『そうだね、最低でも2.5倍ぐらいは重いからね。比較すれば確かに重さは感じるだろうね』
「……ハァァァァァッッ!!!」
試しに脱力してから一気に力を開放して振るって見る、その先にあった的へと雪片が振るわれる。すると―――的は今まで感じた事もないほどに鮮やかな切れ口のまま両断されていた。
「す、すげぇ……!!!」
『いっ君に足りてなかったのは剣の重さ。幾ら剛の剣が相手を叩き潰すかのように斬る攻撃と言っても、軽い剣じゃ威力の限界があっさり来る。それなら剣を重くすれば剛の剣は一気に破壊力が数段増していくって訳だよ。ち~ちゃんがスピードとテクニックの正確無比な斬撃だとすれば、いっ君はパワー特化の重量剣だね。一撃で相手を完全粉砕!!いやぁ清々しいまでのパワーファイター系だね』
と束が語っている中、一夏は感動と驚きを覚えていた。剣を変えただけで威力がここまで変化するのかと、雪片が自分に教えてくれた目指すべき目標、そして見つけ出せた自分の剣。今までの雪片ヘの感謝を込めながら一夏は『雪片夏之型』を腰へと差すように構える。すると腰部のスラスターが雪片ヘと吸い込まれていく、磁石に引き寄せられる砂鉄を連想させるかのように刃へと集約されていく。そして雪片は究極の姿を顕現させた。
聳え立った巨人のような威圧感、先程よりも数段増している重量感、剣から脈動するかのよう伝わるエネルギー……確りと握り締めながら構えていると周囲にISを模した標的がリフトアップされてくる。それらを一瞥すると全身から力を抜き―――瞬間、
「チェエエエエエエストォォォオオオオ!!!!!」
凄まじい気迫と共に振るわれた一撃、それらは周囲の空気を吹き飛ばす爆風すら生み出した。そしてその直後に、一夏の周辺に配置された合計7基の標的は全て粉砕されるかのような両断をされて地面へと落ちる。
「―――ッッッ……最高だ。最高に、気に入ったぜ……!!!」
新しい存在へと生まれ変わった「白式」に一夏は大満足の笑みを浮かべながら、調整へと付き合うのであった。
「名前如何しようかなぁ~♪」
「嬉しそうで良いけど、俺こいつと戦いたくねえな」
『同感です』
妻「最後のあれ、完全にゼンガー少佐ですよね」
私「うん。ジ・インスペクターでやったあれだね」
妻「好きですねぇ……そう言えば、この進化した機体で特別編1をやって見てもよかったかもしれませんね」
私「私も書いてて思ったよ、でも如何するかな……予定は未定!!」
妻「何時もの事ですね。だって貴方って基本プロット組むけど執筆の時には基本的に頭に浮かんだものを文字にするから、後から結局プロット見て修正するんですからね。だから計画性がないんですよ」
私「抑えられないんだ、正直すまないと思っている」