IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第283話

『カッ君、なんか乱ちゃんが是非とも稼動実験場を使わせて欲しいって言ってきたんだけど何かあったの?なんか絶対認めさせてやるんだから!!って息巻いてるけど』

「№163の言葉を聞いたんですよ。それで、まあ乱には達成できるとは思いませんけどねぇ?って言い方をしたせいで乱ちゃんに火をつけちゃったんです」

『あ~成程……やれやれ、まあ元気があるのは一番だからいいけどね。それじゃあ束さんは折角だから乱ちゃんのデータ取るから後でね~』

「はいはい~」

 

そう言いながら掛かってきた電話を切りながら、我が子と婚約者である乱の間には自分の知らない間の時間の絆の繋がりがあったのだと理解出来る。乱が炎だとすれば№163は風、彼女が良く大きく燃え上がる為により多くの酸素(要素)を送り込んで手伝いをする。あの言い方も乱の性格を分かっていなければ出来ないし、仮に自分が言ってもきっと意地悪~といっていじけるに違いない。

 

「おいカチドキ、お前大丈夫か?」

『ううっ……全方位から足蹴りにされた上にRXとブラァッ!!のダブルキックを喰らった気分です……』

「お前よく生きてるな」

 

あのチートライダー筆頭のRXとその前の姿でもあるBLACKのダブルキックを喰らったなんてよく生きているどころかよくもまあ原型を留めているな、というべきとんでもない事なのである。つまり、それだけカチドキはオーズの事を軽く言ってしまった為に酷い目にあったという事だろう。ライダーファンが聞いたら一発でどんだけやばい目にあったのか分かる例えである。

 

「にしても乱ちゃんは良い関係を築いていけそうだな。ちょっと安心したよ、そう言えばさセシリアとかヨランドさんのコアって二人の事を如何思ってたりするんだ?というか二人の条件とかってどうなってるんだろうな」

『あ"っ~如何でしょうね……まあ悪いとは思ってない、と思いますよ。そもそもセシリアに至ってはカミツレがお父様になる為の道を最初に開いた方でもありますし……あの出会いさえなかったらカミツレが父親じゃなかったというのも有り得ますし』

「んじゃヨランドさん」

『あの人の相棒こそ予想出来ませんよ、堅物で嫌っているかもしれないし相性的に悪いかもっと思っている可能性だってあるわけですから』

 

カチドキ個人の見解としてはセシリアもヨランドもコア・ネットワーク全体から見てみたら普通に好印象な人物で、カミツレが束と繋がる為に必要不可欠だったISの師匠だったのだからある意味当然とも言える。

 

「まあそれなら良いんだけどさ、あの二人のコアの条件ってなんなんだろう」

『聞いてみてくださいよ気になるんだったら……私は精神的にボロボロなんで少しの間ドライブ上映で傷を癒してきます……』

 

そう言ってプッツリと反応しなくなるカチドキにカミツレは呆れたような笑いを浮かべながらも、パソコンに向き直ってキーを叩いていく。そこでセシリアとヨランドのコアについて呼び掛けてみると飛んでくると言う表現がベストマッチするように一瞬で反応が返ってきた。

 

『お父様何かわたくしに御用でしょうか!?何でも仰ってくださいまし、この№303、お父様の婚約者であるセシリア・オルコットのパートナーとして十全にお答え致します!!』

『右に同じく、ヨランド・ルブランの専用機「シャティーナ・ブラーボ」のコア―――№388が大貴族であるヨランドの相棒としてお答え致しますわっ!!』

 

と元気良く返ってきた二人の言葉に、どことなく二人の相棒の二人の顔が浮かんでくる。如何にも二人の喋り方に似ているというか、口調が殆どお互いの操縦者にそっくり。ISコアは操縦者の影響を受けて人格形成プログラムが働いていくとシーナから聞いているが、やっぱり操縦者にコアの人格は似てくるらしい。

 

「本当にあの二人そっくりだな……二人は、セシリアとヨランドに付いて如何思ってる?」

『最高のパートナーですわ、私はセシリアがISに関わる道へと進んでくれた事に深い感謝と彼女と共に歩めるという事に対して大きな喜びを抱いておりますわ。そしてお父様と結ばれた事も非常に喜ばしく、感無量です』

『ヨランドは最強のIS操縦者の一角というだけではなく、私を対等な相棒として扱って下さっております。お母様の次に、私を対等な立場の相棒、いえ人としてみてくれております。そんな彼女と共に歩める事は楽しく、刺激的で最高ですよお父様。流石にお父様と共になるのはびっくりしましたけどね』

 

と返ってくる言葉は文章でしかないのに、それを読んでみると頭の中ではセシリアやヨランドと対等に並びながら一緒に歩んでいる姿が目に浮かんでくる。それほどまでに信頼関係は深く、強い物になっている。やっぱり流石だなっと思わず笑うと、二人の条件に付いて尋ねてみると快く教えてくれた。

 

『わたくし、コア№303の条件。実はセシリアはもう殆どクリアしてしまっておりまして、残るのは稼働率70%以上の状態でBT兵器稼働率が100%をマークすれば意思疎通は可能となりますの。後稼働率がもう7%高ければ……もう少しなんです、お父様もセシリアを応援してあげてください!!』

『この私、コア№388の条件は後一つを残すのみとなっております。それは―――千冬との再戦です』

「えっ」

 

思わず最後の条件に目を白黒させた。まさかの条件に千冬が絡んでくるなんて思いもしなかったのである、ヨランドの最高稼働率は92%ととんでもない数値を叩きだしていてコアとの相性が良いのも一因。では何故条件に千冬が絡んでいるのかと言ったら……

 

『今のヨランドなら絶対に千冬に勝てるんです!!前のように弾幕を切り進んでくるなんて絶対にさせません!!!』

「……負けず嫌い、って事か」




妻「えっこれって千冬さんとヨランドさん戦うって事ですか?」

私「まあ戦わないと意思疎通が出来ないって事だね。これは明らかに追加条件だけど」

妻「どんだけ悔しいんですか……」
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