IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第293話

「やっぱりあっちぃよ夏……」

『まあ夏ですし、なんか去年の今頃もこんな事言ってませんでしたっけ』

「ああ、まだ蒼銀を受け取る前の時にそんな事言った気がするな」

 

室内で首からタオルを下げつつコップに注いだ冷えたアイスコーヒーを呷る、喉から奥へと落ちて行くこの冷たい感覚が堪らない。今日の訓練ノルマを終えてシャワーで汗を流したがそれでも身体は火照り続けている、やっぱり汗を流す為とはいえ熱いシャワーを浴びたのは失敗だったかもしれない。窓を見れば高々と昇っている太陽が忌々しいほどに燦々と日を降り注がせている。曇ってくれれば少しは涼しくなるだろうに……。一応空調は利かせているがそれでも気分的にはまだまだ暑さを感じて致し方ない。

 

「来週にはイギリスか……今回はのんびり出来るのかね」

『まあ日程的には出来るでしょうね。リオノーラ氏の研究所に行った時にハマーン代表がいない限りは』

「おいやめろ俺あの人超苦手なんだよフラグ建設すんじゃねぇよ馬鹿野郎この野郎」

『超早口でしたね、そしてサラッと混じるキラービー』

 

嫌いという訳ではないがあの威圧感溢れつつカリスマを持ったハマーン代表はどうしても苦手な意識を拭えない、去年はイギリスに行った時に扱かれた事もあったしそれも大いに影響して軽くトラウマになっている。そんなこんなで三日前から夏休みに突入したIS学園、代表候補生たちはこの時期には基本的に帰国する、当然カミツレもそれに含まれているが今回の帰国はセシリアや乱、そして千冬に一夏やマドカと共に行うので日程調整が必要となっているので出発は来週となっている。

 

「今回もまたセシリアの飛行機で行くのかな」

『いえ今回はお母様が飛行機の手配をするそうです。お母様お手製の機体でイギリスまで送ってくれるそうですよ』

「それってもしかしてあの船みたいに凄かったりするのか……?」

『ええまあ。完成したリアクターと相転移エンジンとPICと反重力装置をメインに据えている特殊機動航空機です。例え全方位からISの攻撃を受けたとしても耐えられるようにEパックとリアクターによる出力を使用した特殊SEによって機体を保護する強力なシールドを機体に展開されると聞いています』

「何それ凄い……というか、ISに襲撃されるなんてことあるのか?」

『まあないですね。攻撃しようとしてもMGS4でSOPを奪われたメリル達みたいなことになります』

「納得」

 

そもそもがIS達が自分たちに襲い掛かるなんて事自体がありえないと分かっているが、世界的に見て一番の火力を持たせられる機動兵器はISなのは間違いないのでその想定は間違っていないのかもしれない。しかしそんな航空機を作って束はいったい何を考えているのだろうかと思わず考えずにはいられなくなった。

 

『恐らく今回は調整が終わった動力とその他の複合システムのデータ収集が目的でしょうね。これらは将来的には宇宙船に導入予定のシステムです、取れる時にデータを取っておきたいのとカミツレ達の安全を確保するためでしょう』

「だからやりすぎじゃねぇの……?つぅか千冬さんもいるのにそれを襲うってバカを通り過ぎて狂ってるだろ」

『でしょうな』

 

自分だったら千冬が乗っている乗り物を襲えなんて言われたら絶対に拒否する、失敗して逆に返り討ちにあって殺される未来しか見えないからだ。どんな馬鹿でも逆鱗に触れると分かっている物に触ろうとなんて思わないだろう。

 

「にしても、イギリスの実家ってどうなってんだろ……」

『そう言えばまだ行った事ないんでしたっけ?』

「ああ。電話とかは割としてたけどどんな感じなのかは全然分かってねぇんだよな、兄貴の言い方して相当でかい土地は貰えてるみたいだけどどうなってんだろう……」

 

カミツレはイギリスに移った杉山邸に関しては一切の情報を仕入れてはいない。楽しみにしていた方が面白いというのもあったが、リチャードからそれは見てくれた方がきっと良いから楽しみしていてほしいと言われたのでそれを律義に守っていたのである。イメージ的には大英帝国王立国教騎士団の本部的な所を想像しているのだが……。

 

『まあそれも来週には判明するのですから楽しみにしておきましょうよ』

「だな」

 

そんなことを思っていると部屋を蹴破るかのようにマドカが目を輝かせながら入ってきたのであった。

 

「兄さん兄さん!!兄さんあての荷物が着ているぞ!!しかも送ってきた所の名前が凄いぞ!!石森プロと書かれているんだぞ!!!」

「おおっという事は……遂に来たか!!CSMのドライブドライバーが!!!」

『なんですとぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!!!!????』

 

という訳ですっかり特撮にドはまりしているマドカが知らせに来たのは以前石森プロに尋ねてみたら、送ってくれると言ってくれた世間的にはまだ流通どころか販売予告もされていない超激レアなCSMのドライブドライバーとマッハドライバー一式であった。それを簪を呼んで早速使ってみる事にする3人であった。その際にカチドキが超興奮していたのは言うまでもあるまい。

 

 

ヒッサツ!!マッテローヨ!!

「な…待つのだマドカ!!偉大なる私の頭脳をこの世から消してはならない!!」

イッテイーヨ!!

「"いっていい"ってさ……」

「ま、待ってくれ、マドカ!!落ち着け!!やめろ!!マドカ!!うわあああ…あああああああ……!!!」

フルスロットル!!

「ああああああああああああああっっっっ!!!!!ゴッ―――」

「さよなら、私の未練……」

「マドカ、次は私にやらせて……!!」

「蛮野は一体、何回壊されればいいのか」




妻「最後凄い、なんかニコニコの奴で凄いコメントを見て気が……」

私「奇遇だな、私もだ」

妻と私「……まあ蛮野だからいいよね!!」

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