IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫
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第295話

「よぉっカミツレ、迎えに来てやったぜ」

「よぉ兄貴、最近リオノーラさんといい雰囲気だって聞いたぞ」

「会っていきなりんな事聞くんじゃねぇよ色男」

「うるせぇよドルオタ」

 

イギリスに到着して早々に迎えにやって来たかずみん、そんな兄に対して軽口を叩きながら軽く一発をいれるカミツレとそんな弟に対してカウンターを仕掛けるがあっさり受け流すと同時に拳をぶつけ合ってにっこりを笑いあった。言葉の上ではどうにも仲が悪そうにも思えるのだが、実の所は相手の事を本当に思っているからこそ出るような言葉ばかりで二人の表情も明るい。義兄の登場にセシリア達は一瞬顔を強張らせてしまった、彼の性格は十分に承知しているしカミツレの事は任せると言ってくれたりと信頼関係は築けているが矢張り義兄と意識すると身体が硬くなる。が、そんな中マドカが一歩前に出て挨拶をする。

 

「お久しぶりですかずみんお兄ちゃん!マドカ、ただいま参上しました!!」

「おうマドカ、お前も元気そうで安心したぜ。どうだ学園では元気にやってるか」

「はい勿論です、成績もクラスいえ学年トップクラスです」

「おーし流石俺の妹!!」

 

そう言いながらマドカの頭を撫でてやるかずみんと撫でられて心地よさそうにしているマドカの姿によって幾らか緊張がほぐされていく気がする。確かにかずみんは義兄である事に変わりはない、だが彼の性格は穏やかで接しやすい。そんな彼に余計な慎重さと緊張など必要はなく普段通りに挨拶して接して行けばいいのだ、だって―――家族なんだから。

 

「かずみんさんお久しぶりです」

「おっひさ~ですかずみんさん」

「おうこりゃセシリアちゃんに乱ちゃん、二人ともまた一段と美しくなったな。もう立派なレディだな、こりゃちゃん付けも失礼だしさん付けすべきかな?」

「いえそのように呼んで頂かなくて結構ですわ、かずみんさんには普段通りに呼ばれるのが一番ですので」

「そうそう、それに私にさん付けなんてなんか似合いませんよ。特にかずみんさんから呼ばれたらそれはそれでなんかあれですし」

「はっはっはっこりゃ一本とられたな!!それは失礼したよ」

 

まずセシリアと乱が丁寧に接しやすいように挨拶をするとかずみんもそれに合わせるように返してくれる。かずみんが最初に口に出したのは以前会ったときよりも女性として磨きが掛かっている事、成長期という事もあって背が伸びているからかより大人っぽく美しさが増している。IS学園とはISに着いて教えているだけではなく女性としての魅力も引き出しているのかと思ったほどに綺麗になっていると褒めると二人は笑ってその理由を述べる、カミツレから愛をもらっているからだと。それを聞いて横目で弟を見ながら肘で軽く突く。弟は少し赤くなった頬を隠すようにそっぽを向くのであった。

 

「お久しぶりです一海さん、今日から暫くの間お世話になります」

「ああっ千冬さんこそ宜しくな、婚約者が教え子ってのは中々やりにくいんじゃねぇの?」

「ええまあっ中々ない体験ですね、ですが授業中にこっそりウィンクをすると確り反応してくれたりするので私は満足ですよ」

「ホホゥ?これは聞かなきゃいけねぇ事が増えたな」

 

続いては千冬、飛行機に乗った直後にノンアルコールビールを煽っていたのが嘘のように確りとした顔つきのまま丁寧な挨拶をしていく。歳もこの中で一番近いのもあってか他のメンバーとは違った大人っぽい言葉が飛び交っていく中でかずみんは再びさらりと惚気られてカミツレの方を見るのであった。大人の女性である千冬らしい攻め方を聞いて益々これは弟と一対一で様々な事を聞く必要が生まれてきたようだ。そして千冬は恥ずかしくなる事も無く自分が甘えると喜んで甘えさせてくれる事を言うとなんか立場が逆じゃねっというかずみんにそうかもしれないと返すと笑う。

 

「よっすかずみんの兄貴!」

「うっす一夏。お前も元気そうで何よりだな。んでお前の嫁さんは如何したんだよ」

「箒は実家が神社で巫女さんやらなきゃいけないらしくて」

「そりゃ大変だな……お前も彼女の巫女姿が見れなくて残念だな」

「いや全くですよ……って何言わせるんですかぁ!!?」

「なはははっあんな美女が嫁なんだ、いやお前の気持ちは分かる、実に分かるぞ」

「勝手に納得しないでください!?ってちょっとなんで俺引かれてるの!!?」

 

最後に一夏。他の面々とは違ったような話し方、同性同士だがカミツレのような親しみとは違った話し方。言うなれば悪友のそれに近い何かが其処にはあった、何処か相手をからかうネタを探るような言葉選びの次にやってくるのは絶好のネタを見つけたと笑いを浮かべるかずみんの同情を孕んだ笑い。それを慌てて否定するが逆に核心を着かれて余計に動揺してしまって周囲に自分が思っていたことが完全に広まってしまった一夏。確かに箒の巫女姿を見られないのは心苦しい、そんな似合っている巫女服が箒にされる事への想像。ここで自分が何かするのではなくされる事を想像している辺り、完全に尻に敷かれている。

 

「さてと、それじゃあ皆々様。新・俺達の杉山ファームへとお連れしますぜ、家だと多分母さんが張り切って料理を作って待ってるだろうなぁ……文字通り食いきれない量の料理を」

「……おい兄貴、それ多少なりとも止めたよな」

「止めたけど止め切れなかった、わりぃ……」

「ああやっぱり、今回も駄目だったか……」

「「母さんは話を聞いてくれないからなぁ……」」

 

と全く同時に溜息をする兄弟に思わずセシリア達は笑いをこみ上げながら二人に同情を送るのであった。それでも直ぐに気分を作り直した、流石に慣れているだけの事がある。そして手早く荷物をかずみんが乗ってきたリムジンへと積み込んで行くと早速空港を出発して杉山ファームへと出発するのであった。





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