IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第305話 特別編6:その5

「なんだいきなり勝負とは。随分と喧嘩っぱやいのだなそちらの私は」

「いや昔のお前もあんな感じで俺に絡んで来てたぞ箒」

「そうでしたっけ」

「ほら、1年の時に鈴と一夏が戦う時に俺が一夏は負けるって言った時」

「……すいません義兄さん、確かにそんな感じでした」

 

いきなりの勝負宣言に驚く箒、まさかもう一人の自分に勝負を仕掛けられるとは思いもしなかったからだ。

 

「といっても何で勝負をするのだ。剣道か?」

「何を言っているんだお前は!!ISに決まっているだろうが!!」

「―――私、義兄さんや一夏に鈴と違って専用機を持っていないんだが」

 

箒はお前は何を言っているんだと言わんばかりの表情を作りながら篠ノ之を見つめる。そちらは束に強請ってISを作ってもらっているのだろうが自分はそんな事はしていない。一夏の相手をする為に訓練機をよく使っている事自体はあるがあくまでそれだけ。そんな事を言われた篠ノ之は硬直したかのように言い淀んだ。

 

「正直私は専用機を欲しいと思った事は無いからなぁ……」

「な、何故だ!!?」

「支えるのにそれが必要ないからだ」

 

そう言いながら視線で一夏を見ながらそう言う。箒はあくまで一夏を支えたい、一夏が疲れたら凭れ掛かれる存在、癒してあげられるような存在でありたいと思っている。彼の婚約者として何れはお互いがお互いを支えていくような夫婦関係を築けて行くことを望んでいる。そこに専用機は必要は無いと考えているので専用機が欲しいとは考えた事も無い。

 

「それに私の手には余るし……下手に専用機を持とうとすると私が逆に面倒事を巻き起こしてしまいかねないからな。姉さんの妹、そんな立場の人間なんて幾らでも利用の仕方なんてあるからな」

「束さんの関係者ってだけで政府としては交渉のカードになるからな」

「んで結局箒とそっちの箒はやるのか?」

「いやISが無いだろ」

 

向こう側の篠ノ之は幾ら世界が違うとは言え此処まで自分と違いがあることに驚きを隠せなかった。支える事に力は必要は無い、それは言い方を変えれば自分は既に一夏を支えられていると言う事にも置き換える事が出来る。そして何故自分なのにそんな考え方をするのか全く理解出来なかった。

 

「う~ん……一応時間さえくれれば機体を用意する事自体は出来るよ?この島自体がISの研究をする為だけにある島みたいなもんだし」

「えっそんな場所なんですか此処!?」

「と言うか島ぁ!!?島なの此処って!!?」

「世界が違えど姉さんは姉さんと言うことか……」

 

と事情を知らない平行世界メンバーはこの島自体が束所有の物で此処には様々な施設がある事に驚愕してしまった。そして時間さえあればISの機体を組み上げる事すら可能な事に驚きの声をあげるが、向こう側の束も似たような島なら持っているらしい。

 

「でもISコアは如何するのさ、そっちの束さんや」

「そこはまだ人格形成プログラムをドライブさせてない研究用のコアを使うよ。そこにそうだな……カッ君、カチドキに力を貸してもらってもいい?」

「ああ成程ね、いいかカチドキ」

『了解しました。私が内部処理をすればよいのですね、承知しました』

 

早くも機体の準備とコア人格の代用としてカチドキとそのコアをつなぐ事でそちらで作業を行ってもらう事で代用が決定する。機体の装備にもよるが大体20分前後もあれば組み上げることが可能らしい。流石に第三世代型並の装備になると1時間程度は掛かるようだが。

 

「因みに要望とかある?」

「そうですね……では「打鉄・黒鋼カスタム」でお願いします」

「ああそれならパーツ自体はもうあるから5分でいけるね」

「黒鋼って何だ……?」

 

事情も知らない向こう側も鈴と乱が黒鋼は以前カミツレが使用していた専用機として割り当てられた「打鉄」をカスタム化した物であり、今ではそれが正式に「打鉄」のバリエーションとして認められていることを説明する。流石に鈴音は個人が使っていたカスタムがバリエーションとして認められた事に驚愕していたが織斑と篠ノ之は最初から専用機ではなかった事に驚いていた。

 

「でもそれってつまり訓練機のカスタムなんだろ?それって強いのか?」

「基本的な性能はカスタム前と大差無いね。シールドの大型化と追加装甲と武装位だから、まあバリエーションってそんなもんだし」

「でも箒の「紅椿」は束さんが作った第四世代型なんだぜ?それで勝てるのか?」

「さあね、これから分かるわよ」

 

織斑は世代差故の性能の大きさが響くのではないかと言うが鈴は余りそれを気に掛けていなかった。確かに第四世代と第二世代の差は大きいだろうが結局は操縦者の強さでそれが左右される。その「紅椿」というのはかなりの高性能機らしいがそれだけ使い手に求める点も多い筈、それを篠ノ之が使いこなせているのかも怪しい。一方「打鉄・黒鋼カスタム」は扱い易く潜在能力も高く「ラファール」とは違った意味で操縦者に依存する面も持っている。

 

「言っとくけど、こっちの箒は強いわよ。キャノンボール・ファストで入賞してるのよ」

「えっ!!?キャノンボール・ファストで入賞!!?というかあれって問題なく開催されたのか!!?」

「普通に開催されたぞ、因みに俺とセシリアは1位でこれは3位で入賞してるぞ」

「だからこれって言うなって!!!」

 

衝撃的な告白に思わずあちら側の3人は愕然とした。当然である、此方側の世界では束が亡国機業が手を出す前に迎撃しそのまま本部を潰滅させてしまっているのだから。向こう側では乱入が起きて大変な騒ぎになったらしい。

 

「それに箒はヨランドさんの扱きにも着いて行けてた。その後の個人指導でも十分な成績だったからなぁ……まあのほほんさんもだけどな」

「途中から専用機持ち(俺達)に混ざってやってたもんな」

 

そんな風に言われる程の手練である向こう側の箒、篠ノ之は喉を鳴らしながらもあれだけ特訓した自分ならば今まで以上に「紅椿」を使いこなして更なる高みへと昇る事が出来ているという思いと自信があった。絶対に負けないと。

 

「私は絶対に勝つ、私なんぞに負けて堪るか!!」

「応援してるぞ箒」

「ああっ見ていろ一夏!!」

 

そんな風なやり取りをしている向こう側を完全にスルーして箒は束と話をしながら機体の組み上がりを待っていたのであった。

 

「それで箒ちゃん、なんかリクエストあるなら追加で武装も作ったあげるけど?」

「いえ私はもうこれでも満足してます。でも敢て言うなら……各部に追加でバーニアを付けて貰ってもいいですか?私は小回りを利かせた動きが得意なので」

「あ~成程、ケンプファー的な感じね。そっちの箒ちゃんもいいよね」

「ええ構いませんよ、その程度の小細工で私には勝てませんから」

「……なんか向こうの私って荒れてません?そっちの姉さん、何があったんですか?」

「いやね……恋のバトルで荒れてるんだよ」




私「ケンプファーって最高のMSだと思うんだ」

妻「あ~なんか分かります、実弾系メインだし美しいしカッコいいですもんね」

私「君はギャンが好きだっけ?」

妻「ええ。でもあの盾は嫌いです。代わりにグフカスタムのガトリングシールドを持たせてください」

私「私たちってなんか主人公勢よりも敵側のメカの方が好きなんだよね」

妻「敵の方がなんか魅力的に見えますもんね」

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