IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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何とか投稿できた……もう特別編放置して本編進めようかな……。書ける時に書くってことで……。


第313話 バレンタイン特別編 その4

「カッ君ハッピーバレンタイン~!!」

「お、お父様ハッピーバレンタインです!!」

 

千冬との訓練を終えて部屋へと戻ってきたカミツレを出迎えたのはこちらに笑顔を向けている束とクロエであった。思ってもみなかった出迎えに少々面を食らってしまうが、直ぐに気を取り直すと少々気恥しくなりながらもそれを素直に受け取りながらも中へと入る。

 

「いやぁハッピーバレンタインだよカッ君!!」

「そうですね束さん、それで態々来たって訳ですか?」

「YES!!今回はくーちゃんと一緒に作ったんだよ」

「わ、私もその……お父様に贈り物をって思いましてその……が、頑張りました」

 

顔を赤くしながら胸に抱いている箱をぎゅっと抱きしめているクロエの姿はどこかいじらしく、でも心が温かくなるような気がする。庇護欲が湧いてくるのか、如何にも守りたくなってしまう思いが出てきて笑顔がこぼれてくる。

 

「そっか、態々ありがとうなく~ちゃん。俺の為にか……なんかくすぐったいな、束さんもすいませんね」

「いいんだよ~だってカッ君の為だもんね♪」

「そりゃどうも、さあんじゃ早速お茶でも入れて頂きましょう。く~ちゃんはココアとかがいいかな?」

「はっはいお願いしますっ……!」

 

どこか遠慮的な視線をしているが、心なしか声は明るい。矢張り甘い物は好きなのだろうか。そんな娘と束さんに座っていて貰って自分はキッチンでお湯の準備をする。その最中に二人に話を振ってみる。

 

「そういえば束さん。宇宙活動仕様型の進捗はどんな感じですか?」

「う~んまあまあって感じかな。一応水中での活動データはカッ君の協力で取れてるからそれに合わせて新しくプログラムとかを製作してるって感じ」

「私は使用後の認識誤差の修正プログラムの開発を行っています」

 

臨海学校で訪れた束の島。その島でカミツレが使用した束が夢見たISの本来の領域である宇宙での使用を大前提に置いたIS、今のその制作はかなり良い所まで来ているらしい。シーナとカチドキと共に深海まで潜り、様々なデータや解除後の無意識下の機能使用など問題点は多く発見できた。今現在はそれらの修正を行っているらしい最中。

 

「何か、刺激を与えて既にISを纏っていないという事を再認識させ意識間の齟齬を無くそうと考えているのですが……中々上手く行かなくて」

「ISとの一体化みたいなものだからねぇ……これ自体はある種致し方ないものと割り切って、使用後に特定のタスクをこなして齟齬を無くすって手段にしてもいいんだけど色々手を尽くしてからにしたいからねぇ」

「成程ねぇ……っとお茶が入りましたよ」

 

開発における問題点はまだまだ山積みで今それを片っ端から取り組んで一つずつ片づけていっている状態であるらしい。仮に今の状態で宇宙に上げたとしても問題はないのかもしれないが、宇宙では何が起きるのが想像が出来ない。故にほんの少しでも不確定要素を排除して置く事に越したことはないと考えているとの事。それにはカミツレも賛成で操縦者から見ても万全な状態であることなのは有難い。

 

「まあなんにせよ、一番の問題はやっぱりコア達との相性だね。やっぱりそこに帰結する、ぶっちゃけた話をしちゃうとカッ君の操縦技術もカチドキとの相性がベストマッチな事もあるから、IS側もそれに応える形で出来てるからね」

「でしょうね……でも今の操縦者たちが俺とカチドキみたいになれると思います?」

「無理だと思います」

「ホントね」

 

矢張り一番手っ取り早いのはコアとの相性を解決してしまう事にある。稼働率を上げる事で解決できる問題は一気に跳ね上がる、一般的な操縦者の平均的な稼働率は20~30。これが平均とされてしまっているが、束からすれば問題外なレベルで低い。それだけコアに興味を持たれなかったり、ISの意味を理解していない人間ばかりという事でもあるのだが……。

 

「まっ教えてやる義理もないけどね、そのぐらい自分で気付けってんだよ。あんだけヒントを与えてやってんだからね」

「それは同感ですお母様」

「まあ今はそんな奴らの事なんてどうでもいいんだよ、ささっカッ君、チョコを食べちゃってよ!!」

「おっとそうでしたね」

 

すっかり話し込んでしまったので忘れてしまうところだった。早速クロエから受け取った箱を開けてみるとそこには少々形が崩れているが、中々に美味しそうに出来ているチョコが入っている。それをゆっくりと口へと運んでみると少々甘すぎる感じがあるが、十二分に美味しく出来ている。ホワイトとビターの配合が絶妙でよい味わいになっている。

 

「こりゃ良いなぁ……ホワイトとビターってここまで相性いいのか、最高だよくーちゃん」

「あ、ありがとうございます!!」

 

と嬉しそうに喜ぶ傍らでほっとしているくーちゃんに和むカミツレ、どこか不安だったのだろう。

 

「さて、次は束さんのチョコだよ!!はい!!」

「……はいっ!!?」

 

と束が何処からともなく取り出したのは束と全く姿形をしたチョコ、言うなれば1/1スケール等身大篠ノ之束チョコだろうか。それを一体どっから取り出したのかも気になる所だがいったいどうやって作ったのだろうか。

 

「き、気合入ってますね……」

「エッヘン!!束さんってば天才だからね!!」

「と、というかこれどっから食ったらいいんだ……?」

 

ご丁寧に表面は薄い水のようなものでコーティングされているのか普段束が着ているドレスや肌の色、うさ耳やらすべてが完全に再現されているこのチョコ。何処か妙にスタイルを強調しているような気もするが……。そんなチョコを見ながら束は意地悪気味に言う。

 

「どこからでも好きなように食べてね♪束さんを、カッ君の好きなように、めちゃくちゃにして……?」

 

そう、束はある意味これでカミツレの趣向を探ろうとしたりもしている。何処から食べるのか、どうやって食べるのかを注目している。なまじ本人と全く同じ見た目なので、疑似的に束に何かをするという事もできるプレイも視野に入れたチョコになっている。謎のこだわりである。

 

「それじゃ……まず首を取って丸かじり」

「ええええっっ!!?いやいやいやそこはキスとか胸をペロペロするとかでしょ!?」

「やっぱりそういう狙いか……いいかいくーちゃん、こんな大人になっちゃだめだよ」

「わ、分かりました……あとさすがに私もこれにはドン引きです」

「夫と娘にドン引きされた!!?」

 

誰だって引きます。




妻「ほぼ一か月振りの投稿ですか……」

私「いやマジ遅くなりました……だってパソコンが内部データごと飛んで書いてたデータアボンしたんだよ」

妻「バックアップはありましたけど……肝心の替えのパソコンがなかなか見つかりませんでしたもんね……」

私「ホント……これからはなんとかやっていきますので、よろしくお願いします」

妻「本当に遅くなってすいませんでした。お詫びに夫が○○○しますから」

私「なんでだよ絶対やらないよ!!?というか何が入るんだよそこ!!?」

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