IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第315話 特別編6:その10

「勝ってきたぜ!!」

「勝って当然の勝負に勝って何威張ってんだ愚弟。何の自慢にもなんねぇよ」

 

凱旋と行きたかった一夏であったがピットに帰ってきた瞬間に飛んできたのはカミツレからのきつい言葉であった。

 

「というかアンタ最後ワザと相手の一撃受けたでしょ。馬鹿なの?あれが"零落白夜"って可能性位アンタだってわかるでしょ」

「それなのに食らうとか何を考えてるんだか……」

「い、いやぁあそこなら俺なら間違いなく、普通の攻撃だろうなぁと思ってさ。だからある意味大丈夫って確信はあったんだよ」

 

一夏としてももう一人の自分があそこで通常の攻撃をしてくるとは踏んでいた。"雪羅"は性能をよく理解するほどに扱い方と戦い方の組み立て方と燃費のよい戦闘法を模索していくしかない程に燃費が重い武装。だからこそあそこまで激しく動いている中で素早く瞬間的に”零落白夜”を発動させて攻撃するなんて芸当はできないだろうと踏んでいたらしい。

 

「だからといってもお前あれ、千冬さんが見てたら確実に説教もんだぞ。ワザと攻撃を貰う以前にその心構えがたるんでいる証拠だ、あとで私と3時間打ち合ってもらうぞとか言われてもしょうがないレベル」

「流石カミツレ、千冬さんの事をよく理解してるわ」

「まあな」

「絶対言われそうだから俺いやだ……」

「安心しろ、俺がしっかり伝えてやるから」

「いやぁぁぁぁぁっっっ!!!??」

 

情け容赦のないカミツレの言葉に思わず絶望を覚える一夏。相手がうまかっただけならば何も言われずにこれさらなる努力をしろと言われるだけで済んだことだろう。しかしそれが自らの慢心によるものならば話は変わってくる。千冬も確実に怒りを覚えながら剣を握ること間違いなし。

 

「マジで勘弁してくださいカミツレ様ぁぁぁ!!!??このような事が二度とないように私めは一層の努力と普段からの意識を変えていく所存に御座います!!!故に何卒何卒ぉ!!」

「いいセリフだ、感動的だな。だが無意味だ」

「ガッデェェエエエエム!!!!」

 

と一人絶望の中で怨嗟の声を漏らしている男を蔑むかのような視線を送る鈴だが、すぐさま箒がそれを慰めていく。何処か計算高い少女が婚約者の中での印象を更に深くした瞬間でもあったがそれらを受けながら一夏は溜息を吐きながら思考を転換させることにした。どうせならば千冬に今の自分がどれの程のものなのかを見て貰ってさらに深く現実を見る事にしよう。一度知ったらならばより深く、根っこの部分まで叩きのめされるのも悪くはないとさえ思った。

 

「そもそもがだ。あれになんで態々虎の子を見せ付ける必要がある、お前は何時から慢心していいレベルまで強くなったんだ。お前は新しい玩具を見せびらかす子供か」

「出すんだったら油断もしない、出したら相手を完璧にたたく。それが切り札を出す上での基本中の基本。避けられたら虎の子は抑止力になりすぎて相手をより慎重にさせる」

「それを利用して戦略を立てられるならいいんだけどね、だけどあんたそこまで強くないじゃん」

「そこまで言うかよ……」

 

改めて自分の行為の愚かさを思い知らされている一夏がいる中に織斑が戻ってきた。その表情に確かに敗北を味わったことによる悔しさがあったがそれ以上により明確な強い意志のようなものが介在している。そして鎌首を持ち上げるかのようにしながら異世界の自分に言葉をぶつけ続けているカミツレ達に言葉を投げかけた。

 

「なぁ……そのカミツレ、さん達からしたらそっちの俺って弱いのか」

「「「弱い」」」

「ノータイムで、返事が返されると来るんですが……」

 

即答で帰ってきたそれは同時に自分は目の前の三人以下であるという事実も同時に表していた。この三人は遥かに格上、それが同時に理解できた。

 

「だいぶマシにはなって来てるんだけどねぇ……それでもまだまだアタシ達の敵じゃないわね。模擬戦でもアタシらに全敗してるし」

「まあ確かに一撃必殺は怖いけど命中率低いならさらに下げて回避すれば怖くないし」

「そもそも遠距離から攻撃してあいつの剣の間合いに入らないから怖くないし」

「入られても高速で範囲から逃げるから怖くもない」

「喧しいぃぃぃぃっっっ!!!てめぇらがおかしいんだよ!!!」

 

と目の前で一夏が武器にしている者に対して対抗策を言っていく面々、そしてそれらに対して軽く怒って言い返そうとするのだが何も思いつかずにありふれた言葉しか言えない一夏という構図が出来上がるのであった。一夏の剛剣は確かに恐ろしい、只の一太刀だと甘く見てそれを受ければ洒落にならない痛手と恐怖を受ける。だが知ってさえいれば対策などは容易であるのも事実。

 

カミツレはカチドキと共に遠距離から徹底的に攻撃を加える事で接近を許さずに勝てる。鈴は"超速零速"で接近していても即座に撤退と背後からの奇襲などで対応が出来る。乱は"超速反転"で身体の向きを変える事で回避及び反撃に転ずる事で対策。そもそも接近戦を仕掛けなければ一夏はまだまだ未熟な射撃しかできないので怖くはないのが現状。

 

「という訳で俺たちはこいつの接近戦自体が怖いけど、こいつは怖くはない」

「まああれよね。リオレウスの怒り移行のバックジャンプブレスあるじゃない、あれだって耳栓とか使えば怖くないし絶好の閃光チャンスになるわよね。それと同じよ」

「クソ……ヘタレウスと同格かよ俺……」

「レウスと同格とか何世迷言言ってんの?」

 

そんなやり取りをする皆を見ながら織斑は思った。自分もそこまで行けるだろうかと。




私「漸く、投稿できた……」

妻「にしてはつたない出来ですよね」

私「……忙しかったのは君の副業的な衣装づくりのせいでもあったんだけどなぁ……!?何なの、衣装20着の注文ってバカなの!!?なんで私まで手伝わなきゃいけないのかなぁぁ!!?」

妻「だってお裁縫得意じゃないですか」

私「だからってなんで衣装づくりに使わなきゃいけないんだよ!!ああもういいや……とにかく遅くなってすいません、一応プロットも作ってたので遅くなりましたがこれからはちゃんとやっていきますのでご勘弁を」

妻「どうでもいい事ですけど、高校で髪染めるってアウトでしたっけ?」

私「マジでどうでもいいな。私たちの高校は派手な色じゃなきゃOKだったはずだけど」

妻「いや、親戚の子にね。なんで先生は白髪染めるのに髪染めるのに、こっちは髪染めちゃダメなのって聞かれて何返せばいいかと思って」

私「……なんで返したらいいんだろうなそれ、マジで。

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